こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

[ジブリ酒]菊正宗 キンパック > アンリ(天空の城ラピュタ)

【菊正宗 しぼりたて純米キンカップ(きくまさむね)

甘味するっと→旨苦ぐいぐい

菊正宗

前に飲んだ「ギンパック」が衝撃的に飲みやすく美味しかった菊正宗のパック酒。キンパックも飲んでみたかったんですが、さすがに500mlとか900mlとかのパックを買うのはちょっとね。っと思ってたら、やっと見つけました、1合カップ! ギンパックを買った時は恐るおそるだったけど、今回はもう躊躇なく購入。商品名は、キンパックのネオカップ(菊正宗の1合プラカップ容器)だからキンカップだと思うんだけど、ややこしいので以降はキンパックで統一します。ギンパックはアル添だったけど、キンパックは純米です。

パックのアルミラベルを開けてみると、カップの9割5分くらいまでなみなみ入っています。色はギンパックよりは明確に黄色いですね。さすがキンパック?

菊正宗

香りはリンゴ系のフルーティーな酸味がほんのり。ちょっとケミカルな感じと、かすかにオイリーさもあります。精米歩合70%にしては香りが立っていますが、ギンパックほどではないですね。

口に含むと、まずはリンゴジュースの甘味部分がするっと。その後ろから、旨味と、一歩遅れて苦みがぐいぐい迫ってきます。甘味もさらに膨らむ。ギンパックより濃い! 濃厚な味わいは余韻にもたっぷり残ります。ちょっと苦雑味が舌に残るかな。
アルコール度数はギンパックと同じ「14%以上15%未満」なんですが、アルコール感はこちらの方がありますね。

ギンパックとの味の差は、こないだ飲み比べた菊正宗樽酒の純米/アル添の差に似てますね。純米の方が濃くてアルコール感も強いです。

キンパック、悪くはないんです。ギンパックを飲む前にこれを飲んだら、コスパの高さにびっくりしたかも。ただ、やっぱりギンパックが衝撃的すぎました。ふたつ並んでたら、やっぱりギンパックを買うなあ。そのあたりは菊正宗さんもわかってるようで、オフィシャルサイトを見てみたらギンパック激推しでキンパックはその下にちょっと載せてるだけという感じでした。
でも、ギンパックはすっきり過ぎるという方や濃厚甘口が好きという方にはキンパックも良いと思います。

ジブリで例えると「天空の城ラピュタ」のアンリ。ドーラの三男です。末っ子でちょっと甘えんぼっぽい感じの、かわいいヤツ。目立つ活躍はあんまりしないけど、実はファンの人が結構いるんですよね。

満足度:★★★

菊正宗

菊正宗

ここから先はちょっと専門的な内容になりますので、オタクな人だけ読んでください。
酵母はギンパックの「キクマサHA14酵母」とは違うみたいですね。「特許酵母」とだけ書いてあります。特許番号も載っていたので、せっかくだから調べてみました。

特許は、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で特許番号「6119881」を検索すれば簡単に見ることができます。
特許公報の【発明の名称】は「カプロン酸エチルの産生能が高い酵母、及び当該酵母を利用した発酵物の製造方法」となっていますね。【要約】には「本発明の目的は、低精米した原料米を使用してもカプロン酸エチルを高産生できる酵母を提供することである」とあります。酵母の特許なんて初めて読んだんですが、工学系の特許とお作法が違いすぎて面白い。

酵母の開発方法も載ってました。簡単にまとめると、まず既存の酵母に化学物質を添加して変異させます。この段階ではいろんな変異がランダムに起こってるので、それをちょっとずつ分離して、お米の糖化液を加えて発酵。その後、検査を行って目的の性能に近いものをだけ選択する。これを繰り返すことで性能の高い酵母を得るというわけです。

想像ですが、この方法で良い酵母が得られる確率は、かなり低そう。だから何度も何度も実験を繰り返す必要がありそうです。こりゃ、大手じゃないと手を出せないわ。
ただ、改良された酵母の遺伝情報は元の酵母と比較されているみたいです。この情報がたまってきて、遺伝子操作の技術が向上すれば、比較的簡単に性能の良い酵母を得ることができるようになるかもしれません。楽しみです。

 

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