【吾有事 純米大吟醸 雲の上】(わがうじ)
ほんのり優しい甘味と上品な旨味の、にごり純米大吟醸
前に純米大吟醸無濾過生原酒を飲んでめちゃくちゃ美味しかった吾有事。シリーズの中で最も高いスペックと価値だから「雲の上」なんだそうです。廃業寸前だった奥羽自慢(株)さんが、楯の川酒造さんの若手蔵人の協力で立ち上げた再出発ブランド。にごりで純米大吟醸って、ちょっと珍しいですよね。
「吾有事」とは、曹洞宗開祖・道元禅師の言葉で、「自分という存在と時間が一体となること」。そこから、時間や自分という存在を忘れて酒造りに没頭するという気概を込めたんだそうです。かっこいいなあ。
色は透明感のある白。濁々ではなく、上品なにごりですね。
香りはほんのかすかにお米の甘旨。
口に含むと、微ピリ炭酸と優しい甘みがほんのり。そこから甘味は引っ込んで、上品な旨味苦味が現れます。優しいけどしっかりとした味わい。
含み香は、ぽんっとひと立ちだけお米の旨さ。でも、それも趣があります。
ジブリで例えると「魔女の宅急便」の、キキのお父さん。名前はオキノさん。原作設定では、魔女や妖精の研究をしている民俗学者で、研究対象である魔女のコキリさんと結婚しちゃってます。優しく落ち着いた感じの、いかにもな良いお父さん。娘が急に旅立つことになっても(あまり)動じず、しっかり送り出してあげられる芯の強さも持っています。13歳の娘が今夜急に家を出るって言うんですよ。よくあんなちゃんと送り出せるなあ。
満足度:★★★★
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