紀土＞アームストロング姉弟(鋼の錬金術師)

【紀土無量山純米酒】(きっどむりょうざん)

強烈な上質さと力強さ

先月「刈穂」と「水芭蕉」をいただいた日本酒情報サイト「SAKEdatabank」のキャンペーン。なんと第2回も特別賞をいただいてしまいました。めっちゃ嬉しい！しかも今回は、あの「紀土無量山」の純米と純米吟醸のセット！凄い！このお酒がどれくらい凄いのかは後でゆっくり語ります。

「SAKEdatabank」は、日本酒居酒屋「夢酒」など4店舗を経営されている(株)ALL GRACEさんが運営されている日本酒情報サイトです。お酒の個別データが充実。僕がこないだ投稿した地元限定のマイナーなお酒にも、いつのまにか精米歩合などのスペック情報や、お蔵さんの情報などが追加されていました。担当の方が人力で調べて追記されたんだと思います。ありがとうございます。
それとびっくりしたのが、今回のお酒についてきたお手紙。ありきたりの定型文かと思ったら、明らかに僕の投稿を読んで書かれた文章。こういうの、ほんと嬉しいです。今後も応援します！

さて、この「紀土無量山」です。
紀土と言えば、和歌山を代表する銘酒。僕もいろいろ飲んできた、大好きな銘柄です。そしてこの無量山は、その中でも特別。特A地区の山田錦を使い、造りにもこだわった、紀土の最高ランクのお酒です。
しかも今回いただいた2本の青い方・純米吟醸は、世界最大級の品評会、IWC・インターナショナルワインチャレンジのSAKE部門最優秀賞「チャンピオン・サケ」を受賞したお酒です。同時に、日本酒酒蔵No.1に与えられる「サケ・ブリュワリー・オブ・ザ・イヤー」を2年連続受賞。つまり、世界一の日本酒。これはもう、期待しかありません。

でもまずは赤い方、純米酒から飲んでいきます。紀土は通常品の純米酒もめちゃくちゃ美味しいんですよね。
お、裏ラベルにはVINTAGE2018と書いてありますね。製造年月は2021年3月。お蔵さんで2~3年熟成させているみたいです。
冷やすの待ちきれなかったので、まずは常温でいただきます。

色はきれいに澄んでいます。でも、熟成だからと思ってよーく見てみたら、ほんのわずかに黄色いです。糖分が黄色くなるので、やっぱり甘いのかな。まあ、紀土だから甘味は期待しますよね。

香りは、乳酸の酸味を中心にお米の甘味旨味と青いバナナ感。その一瞬後に、くっきりアルコール感。熟成しているとは思えないくらい、アルコールの輪郭がはっきりしています。奥にはかすかにフレッシュなミントもある。ほんとに熟成？もしかしたらお米が2018年なだけ？

口に含むと、柔らかい酸味とそれよりは控えめな甘味がズドン。その後ろから旨味と甘旨アルコールの含み香がズズズズドドドドーン。甘旨な余韻も長いです。
めっちゃ力強い。でもこの、上質なお酒を飲んでる感はなんだろう。

正直に言うと、あんまり好きな方向性ではありません。でも、どこからか上等なお酒であることがひしひし伝わってくる感じ。くやしい…！でも…美味しい！ビクンビクン。
アルコール15%？どう考えてももっと度数高そうな感じです。

ついでに、あんまり合わないだろうなと思いつつ、ちょっとだけ燗にもしてみました。こちらはちょっとアルコールの香りと酸味がきつくなって、やっぱり好みではありませんでした。燗付けの上手な人がやったら美味しくできるのかもしれませんが、僕の腕ではまだまだです。

2日目は、キンキンに冷やしてみました。そしたら印象が全然違う！

香りは、乳酸の酸味とアルコール感は同じだけど、常温より穏やかで爽やか。
味わいも、柔らかい酸味と控えめな甘味が、ズドンではなくストン。そして、後味の立ち方が、くっきり立体的。舌の上でくくくっと立ち上がったと思ったら、旨アルコールの含み香に変化してきれいに吹き抜けていきます。
美味しい！

すっきり上質。思わず背筋が伸びます。アルコールの刺激も常温よりだいぶ落ち着いています。
これは、僕は冷酒の方が好き。それも、雪冷え(５℃)よりもうちょっと冷やしたぐらいが良いですね。

ジブリじゃないけど例えるなら、常温では「鋼の錬金術師」のアレックス・ルイ・アームストロング少佐。ザ・マッチョ。どう考えても好みのキャラクターではないんだけど、荒川弘先生のマジックで後半どんどんカッコよく感じちゃう。Twitterで「アームストロング少佐」で検索したら、コスプレやってる人が似すぎてて大笑いしました。凄い！
それが、雪冷えになったら、お姉さんのオリヴィエ・ミラ・アームストロング少将。セクシーな唇。名門貴族。苛烈な上司の印象はあるけど、実は人情にも篤くて部下の信頼も絶大。めっちゃカッコいい！

満足度：★★★★☆(雪冷え時).