【大関 純米大吟醸】(おおぜき)
きれいな薄酸ほの旨食中酒
普通の青いワンカップ(以降「青ワンカップ」)、ワンカップ大吟醸と飲み比べてきた大関。いよいよ本丸の純米大吟醸です。見せてもらおうか、大手メーカーの大吟醸の実力とやらを。って、ごめんなさい。そんな上から言えるほど偉くないです。言ってみたかっただけです。
色はきれいな透明。スーパーの常温棚に並んでたのでもちろん火入れのはずですが、きれいに澄んでいます。
香りはワンカップにあった穀物感はありません。青いバナナのような吟醸香とアルコール感。アルコールの感じも、ワンカップよりだいぶ高級になってます。甘さは控えめほんのりだけ。
口当たりは水のようにすっと入ってきて、薄酸と柔らかな旨味がじわり。後半は苦みも出てきますが雑味はなく、きれいです。甘味は奥の方にほんのり見えるだけ。そして飲み下すと同時にアルコール中心の含み香が立ち上り、鼻に抜けていく。
うん、きれいです。
1日目は味見程度に、お酒単体でいただきました。でもこのお酒は食事に合わせた方が圧倒的に良さそうな気がします。
ということで、2日目はアテにごぼう天を用意。これはハマりました。ごぼう天の油がお酒の風味を引き出して、お酒の酸味がごぼう天の油を流してくれます。1日目よりも、控えめだけど甘味も現れて、苦みは穏やかになっています。美味しい!
ごぼう天も良かったですが、これは合わせる食事の幅が広そうです。特にちょっと上品な和食との相性は良さそう。お刺身やお寿司は、淡白な白身から脂の乗ったトロまでなんでもOK。天ぷらなんかもいけますね。ぜひ塩でいただきたい。
スペックは、
精米歩合:50%・・・普通の大吟醸の値です。
アルコール分:15度以上16度未満・・・こちらも普通。飲んだ感じもこれくらいでした。
日本酒度:±0・・・甘くも辛くもない。飲んだ感じはもう少し辛口よりかと思いましたが、それほど違和感はありません。
酸度:1.6・・・まあだいだい真ん中。酸味ははっきり感じますが、尖ってはいません。
数値的には、全て中庸。つまり、とんがった特徴を持たせるのではなく、王道の大吟醸を目指した造りということでしょう。確かにそういう味わいでした。
ちなみに価格は、300mlで定価税抜597円。青ワンカップの300mlは税抜217円だから約3倍、ワンカップ大吟醸は300mlがないので単純比較はできませんが、だいたい倍くらい。
確かにそれくらいの価値はあります。
美味しかった~。
ジブリで例えると「風立ちぬ」の主人公・堀越二郎。とても優秀で、どこか上品。特に物語前半の、まだ大きな苦味を知る前の二郎です。
満足度:★★★★
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