【白鹿 すずろ】(はくしか)
するする飲める酸甘夏酒。ロックもOK
春鹿、夏しか、秋鹿と続けてきた「鹿くらべ」企画、4つめは辰馬本家酒造さんの「白鹿」です。冬鹿というお酒は無かった。残念!
辰馬本家酒造さんは1662年創業。灘五郷と呼ばれる古くからの酒処・兵庫県西宮市にあります。従業員数180名、売上高ランキング13位(2017,帝国データバンク)の超大手酒蔵。奈良の春鹿→大阪の秋鹿と来て、兵庫の白鹿。だんだん西に移動してきました。
実はこの白鹿、たぶん僕が人生で一番たくさん飲んでるお酒です。大学の頃、週2で通ってた居酒屋さんに置いてあったのが白鹿。僕の日本酒体験はここから始まりました。
当時はお酒のことなんか全然わかってなかったし、出てくるときも3合くらいのでかい徳利に入ってたので、スペックはわかりません。まあ安いやつだと思うんですけどね。でも時々噂に聞く、罰ゲームとして嫌々飲む日本酒ではなく、ちゃんと好きでしたよ。まあそこは若気の至り、失敗も数々ありましたけどね。
今回いただく「すずろ」は、春夏限定のお酒。ついこないだ6月4日に発表された「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2021」のメイン部門で最高金賞を受賞しています。261社1000種ぴったりのエントリーから選ばれた最高金賞。メイン部門の最高金賞入賞率は5.5%。みんな自信のあるお酒をエントリーしている中での上位5.5%だから凄いことですよね。
ちなみにこのアワードは、銘柄を隠したブラインド審査。40名の審査員で1000種類のお酒を7段階評価するそうです。公式サイトに審査の様子が出ていたんですが、審査は1時間40品を目安に、1人あたり120品程度を担当するそう。これは大変だ。グラスはリーデルの大吟醸グラス(プレミアム純米部門のみ純米グラス)なんですが、グラスの準備だけでもえらいことです。
さて、前置きが長くなりましたが、飲んでいきましょう。「冷やして美味い」と書いてあるのでキンキンに冷やします。
香りはほんのりリンゴっぽい酸。これは酸味ありそう。ちょっとオイリーな感じもありますね。
口に含むと、まずは爽やかフルーティーな酸味。やっぱりリンゴ酸かな? 香りから予想した通り、酸で爽やかさを演出するタイプですね。そして1歩遅れてジューシーな甘味がじゅわっ。後半になると苦味も出てくるけど、それも爽やか。めっちゃ飲みやすくて美味しい!
爽やかタイプだけど、意外に味がしっかりしているので、氷を浮かべてみました。そしたらさらに爽やか度が上がって、くいくい飲めちゃいます。これは危険! いつもは2日に分ける300ml瓶があっという間に空きました。
公式サイトにはスペックが載っていました。
アルコール:14~15度 ・・・ 少し低めではあるけど、しっかりお酒感あります。飲みすぎ注意。
日本酒度:マイナス2 ・・・ 甘め。酸味の後ろに甘味もしっかりあります。
酸度:1.4 ・・・ 意外に普通。もう少し酸度高いかと思ってました。
ジブリで例えると「魔女の宅急便」のキキ。爽やかでかわいくて真っすぐな、正統派ジブリヒロイン。甘くてフレッシュな感じが魅力ですね。特に旅立ちのシーンなんか希望にあふれてて大好き。後半になると苦みも出てくるけど、それも爽やかです。
満足度:★★★★
次回、鹿くらべ最終回です。
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