こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

[ジブリ酒]香住鶴 > 月島靖也さん(耳をすませば)

香住鶴かすみつる 山廃仕込 但馬の誇り】

じわ旨で すっきり優しい 山廃酒

香住鶴

普段行かないスーパーで見つけました、兵庫の香住鶴さんのカップ酒です。お蔵さんがあるのは、兵庫県の北の方。日本海まで車で10分ほどの山あいです。写真を見たら、とてもきれいなお蔵さん。総出荷量の59%は地元で販売されているとのことで、地元に愛されているお酒なんですね。

これは、なんとなく常温が一番合いそうなたたずまい。常温でいただきます。

香りはほんのり乳酸の酸味とお米の旨味。山廃っぽくて良いですね。アル添ということもあって、そんなに荒々しくはありません。じわ旨を期待させる香りです。

口に含むと、とろっと優しい酸味と、期待通りのじわ旨味がほわんと広がります。そしてそれが、霧が晴れるようにふわあっと消えていきます。アル添が上手く効いて、後味はすっきり。喉にちょっとだけ引っ掛かりがありますが、そんなに気にはなりません。
甘味は控えめだけど、通奏低音のように常に奥で響いていて、全体の印象を優しくしてくれます。目立ちはしないけど、影のムードメーカー。

面白いのは、お酒だけで飲むと優しいんです。でも食事に合わせると、旨味がぐいっと膨らむ。そして食事の魅力も引き出してくれます。渋い名脇役ですね。そのまま飲むのも食事に合わせるのも、どっちも魅力的です。じわじわ美味しい。

残念だったのは、これ、燗も合いそうなんですよね。でも美味しくてするする減って、気が付いたらなくなっちゃいました。また買ってこなきゃ。

ジブリで例えると「耳をすませば」のお父さん・月島靖也さん。主人公・雫のやりたいことに理解がある優しいお父さんです。でもそれだけじゃない。図書館の司書として働きながら、郷土史の研究もされています。自分のやりたいことを大事にして、その苦労も知っているからこそ出てくる優しさ。だから「人と違う生き方は、それなりにしんどいぞ。何が起きても、誰のせいにもできないからね」という台詞に重みがあります。

満足度:★★★★

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香住鶴香住鶴

 

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