【太平山 艸月 別誂 ひやおろし 純米】
うすにごり 酸味ふわ旨 ひやおろし
はじめましてのお酒、秋田・小玉醸造さんの大平山です。
大平山という名前には、実はすごく思い入れがあります。小学校の頃、秋田市に住んでたんです。家の裏の田んぼの、はるか向こうに見えていたのが大平山。かっこいい山です。懐かしいなあ。
この別誂シリーズは、「無圧取り」という圧力をかけずに絞る方法で作っているんだそうです。袋吊りとかしずく取りとかと同じかな?
首ラベルには、「秋田流生酛造り」と書いてあります。これは生酛造りの一種で、小玉醸造の創業者の孫・小玉健吉さんが考案された方法。お米をすりつぶす「山卸し」という作業を電動ドリルで行うんだそうです。それだけ聞くと「え?」って思いますが、そうすることで空気に触れる箇所が少なくなり、雑菌が入るリスクが減るのだとか。僕はこういう、ちゃんと理由のある機械化や合理化には賛成です。そういえばこないだ飲んだ秋田の北鹿さんも、秋田流生酛って書いてました。
話しは戻ってこちらのお酒、アテに頼んだ「秋刀魚の梅紫蘇焼き」に合わせて選んでもらいました。どんな感じになるのか、さらに楽しみです♪
色はほんのり白くうすにごり。うすにごりでひやおろしって、珍しいですね。
香りはほとんど感じません。
口当たりは控えめな甘旨を連れた優しい酸味がじゅわわ。うすにごりっぽい、コクのある酸味甘味旨味です。飲みこんだ後の余韻は、すうっと引いてきれいに消えます。
少し温度が上がってきたら甘旨が開いてさらに美味しくなりました。
アテの「秋刀魚の梅紫蘇焼き」は、秋刀魚の身で梅肉と紫蘇をくるくる巻いた、ちょっと珍しい料理。その梅の酸味と紫蘇の風味と塩味と秋刀魚が絶妙に絡み合って、めっちゃ美味しい!
それに対して、お酒の甘味と、梅とは違う乳酸の酸味がうまく混ざり合います。これは素晴らしいチョイス!
ジブリで例えると「となりのトトロ」のサツキとメイのお母さん。草壁靖子さんです。この人、映画の中では優しさと病弱さが目立ってますが、実はけっこう面白い人なんじゃないかと思います。「早く退院して、お化けに会いたいわ」とか言っちゃいますしね。退院したら、優しい甘さと旨さが開いてさらに楽しくなりそう。
満足度:★★★★
トトロでお母さんがサツキの髪をといて「くせっ毛ね、私の小さい頃みたい」的なこというシーンあるけど、どう見ても「父さんが〜残した〜熱い癖毛〜、母さんがくれた〜あの前髪〜♪」な件。 pic.twitter.com/LQwq950cej
— しゅん吉AF(0.0%) (@shun_kichi) 2021年5月2日
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