こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

[ジブリ酒]19 > リン(千と千尋の神隠し)

19じゅうく Riccio ubriacoリッチョ ウブリアーコ

爽やかな 甘酸苦味の 青リンゴ

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ラベルがかわいいことに定評のある十九さん。今回は、去年飲んで美味しかったリッチョの続編かな? さらにかわいくなってる! 蔵元ブログによると、これ、「素敵ラベルもふもふシリーズ第2弾」なんだそうです。ちなみに第1弾は「Le chat botte -長靴をはいた猫」。
で、リッチョさん。「Riccio」はイタリア語でハリネズミの意味。ヨーロッパでは背中に幸運をのせて運んでくる縁起の良い動物なんだそうです。「Riccio ubriaco」は、酔っぱらいハリネズミ。去年はすましていたハリネズミくん。今年はめっちゃ楽しそうです。
なぜもふもふなのかと言うと、このハリネズミくんの針の部分がもふもふ仕様になってるんだそうです。何っ! 気付かなかった! しまったーーー! 触りたかったーーーー!

気を取り直して。
香りはほんのり青リンゴ。
口に含むと、青リンゴの甘酸っぱさと爽やかな苦味がしゅるん。そこから、旨味と苦味が舌の上でほわっと広がり、優しい甘アルコールの含み香が鼻に抜けます。良いですねえ。この苦味が食事に合いそうです。


アテに合わせたのは、椎茸タルタル。カサの裏にひき肉を詰めた椎茸のフライにタルタルソースがかかっています。大葉の風味も効いててめっちゃ美味しい! そしてその旨味たっぷり椎茸がお酒とばっちり合って、美味しさがさらに広がります。幸せ~。

スペックは、
造り:純米 蒸し燗火入れ ・・・ 蒸し燗火入れについてはちょっと面白いので後述します
原料米 麹米:長野県産雄町、掛米:長野県産しらかば錦,ひとごこち
精米歩合 麹米:59%、掛米:65%
アルコール度数:15.52% ・・・ 細かっ!
日本酒度:マイナス4.5 ・・・えっ?そんなに低いの!? 確かに甘味はあるけど、甘ったるくはありません
酸度:2.3 ・・・ 高い! なるほど、この酸度でバランスを取ってるんですね。
酵母自社培養酵母

この蒸し燗火入れというのは、蔵元ブログの2016.9.27の回で詳しく説明されていました。通常の瓶燗火入れはお湯で加熱するんですが、蒸し燗火入れでは蒸気で加熱するんだそうです。それによって、お酒から水分やアルコール香気成分などが逃げにくく、焦げ臭なども全くつかないんだとか。なるほど。

ジブリで例えると「千と千尋の神隠し」のリン。油屋で働いている千尋の先輩です。一人称が「オレ」の姉御肌。この人、苦いこともいろいろあるだろうけど、なんだかんだ楽しそうに働いてるんですよね。笑顔多いし。
ちなみに、前回登場した松竹梅・澪の時にも書いたんですが、リンの正体は白狐。で、慶應義塾高校の古川晴彦先生という方は、「ジブリの授業」という本の中で、リン(燐)とは狐の鬼火のことであるとおっしゃっています。千尋を箱舟のような丸い樽木に乗せてギーコギーコと漕ぎながら、6番目の駅に行くのを助けるシーンなど、彼女には死をイメージさせる符丁がいくつか見られますし。この6番目の駅というのも、仏教で言う六道(りくどう)に通じ、海を渡って彼岸・ニライカナイに行くことを意味するのだとか。真偽のほどはわかりませんが、宮崎監督のことだからそれくらいのことは考えてそうですね。少なくとも6番目という数字には何か意味があるんでしょう。

満足度:★★★★

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