【三諸杉 斗瓶囲い 全国新酒鑑評会出品区分酒 大吟醸 袋しぼり】
大きくて 深い余韻が 上品に
プチ日本酒会4本目です。
実はこれの前の3本目に亀泉さんを飲んでるんですが、そちらは一旦後回し。あの後、もう一度亀泉さんを飲む機会があって、いろいろと発見があったので、そちらとまとめて後日投稿します。
で、この日のメインイベント。三諸杉の大吟醸です。三諸杉は、みむろ杉の地元銘柄ですね。僕は奈良在住だから時々見かけるんですが、他の地域ではあんまり見ないんじゃないかな、多分。
こちらは、日本酒情報サイト・SAKEdatabank さんの第6回キャンペーンでいただいた賞品です。見てください、このカッコいい木箱。全国新酒鑑評会に出品するための、超少量生産の限定品とのこと。とても貴重なお酒、ありがとうございます。
せっかくの凄いお酒、ひとりで飲むにはもったいないと思って、あえて日本酒初心者の後輩に飲ませてみました。日本酒に限りませんが、最初に安いだけの質の良くないお酒と出会うと、そのジャンル全体が嫌いになっちゃうんですよね。初心者の頃のお酒との出会いって、大事だと思うんです。
ただ、この日はなんせ少人数。順番的にこのお酒は後半になってしまったので、だいぶ余っちゃいました。もちろん僕が喜んで持って帰って、家でじっくり味わいます。
お!? これ、温度帯によって全然性格が変わります。
日本酒会で飲んだ雪冷え(5℃)くらいでは、上品な甘さのきれいなお酒。旨味も酸味も苦味も控えめで、すっきり甘ふわ。めっちゃ美味しいです。
でも、これはまだまだ序章。
温度が上がって涼冷え(15℃)くらいになると、全ての味が花開きます。甘味は、フルーツシロップのようなくっきりさ。この甘さが外側に広がって、アタックの上品な印象をさらに魅力的にしてくれます。一方旨味は、内側の奥深い方向に伸びていく感じ。味わいの広がりが立体的で大きい! その広がりを苦味がうまく締めてくれます。雪冷えではほとんど感じなかった酸味も、レーズンのように深く豊かで、口当たりから一歩遅れてぽわん。
そしてなにより余韻。余韻が、大きくて深くてくっきり。こんなに余韻の大きいお酒は珍しいです。そして、こんなに大きいのになぜか上品さを失わない。質の高さに圧倒されます。
これは、少量飲んだだけじゃわかりませんでしたね。四合瓶とじっくり向き合ったからこそわかった価値です。
スペックは、
造り:大吟醸 袋しぼり 斗瓶取り ・・・ なんとこれ、アル添です! アル添は技術力が如実に表れるらしいのですが、凄い技術ですね。
原料米: 山田錦
精米歩合:35%
アルコール度数:16% ・・・ ちょい高め。
日本酒度:+3 ・・・ ちょい辛口!? え? めっちゃ甘味を感じるんですけど!
酸度:1.3 ・・・ ちょい低め。でも、温度によって感じ方がかなり変わるので難しいです
アミノ酸度:0.8 ・・・ 低い。確かに、苦味はあるけど雑味はありません
ジブリで例えると「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」。きれいな歌声ときれいなメロディー。とても甘くわかりやすく外側に開きます。そして深い歌詞が、内側に広がる。
この歌、ジブリ主題歌の中でも屈指の名曲だと思います。こないだの文春オンラインに、この歌を作った木村弓さんのインタビュー記事が載っていたのですが、これが裏話がたくさんで、めっちゃ面白かった! 下にリンク貼っておきます。
満足度:★★★★★
私は「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」が大好きで、さよならの朝の静かな窓、ゼロになる体満たされてゆけ、すごい歌詞じゃない?生と死は表裏一体じゃない?とか語りたいのに変な漫画描いちゃう。 pic.twitter.com/N0oNBBIwt1
— イマイマキ (@koguma_kanoko) 2021年2月12日
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