【本紀土 純米吟醸酒】
低アルで 薄酸ほの甘 余韻ほわぁ
大好きな紀土さんの新シリーズ・本紀土です。「本」は、本質という意味を持つとともに、これからのスタンダード酒にしたいとの願いをこめているのだとか。それを13度の低アルで出してくるのが面白いですね。
低アルがスタンダードかあ。確かに、他のお蔵さんを見ても、低アル化への流れというのは確かに感じます。こないだ読んだ雑誌・dancyuの日本酒特集でも、それが現れていました。お蔵さんへ行ったアンケートで、回答した419蔵のうち、去年リリースした新製品でいちばん多かったのが低アルだったんです。
僕個人としても、こないだ会社の後輩と行ったプチ日本酒会で、「このくらいでもアルコールきついって感じるんだ」というのは実感しました。僕はもともとウイスキーでも焼酎でもストレートが基本な人なので、日本酒の度数なんてきついと感じることがなくて、気付かなかったんです。
ただ、低アルの新商品のネーミングとして、大事な「紀土」というブランドの前に「本」を付けるというのは、かなり本気ですね。
こちらも心して飲んでいきましょう。
しっかり冷えた雪冷え(5℃)からいただきます。
香りは、ごくおだやかに柑橘の酸味。ただの水とは違う爽やかさがあるんですが、ほんのわずか。香りというより気配に近いですね。
口当たりは、するり水のよう。こちらも味というより気配に近い爽やかさで、全く抵抗なく入ってきます。その後、軽く酸味と甘味、さらに遅れて旨味と苦味も追いかけてきますが、全て薄口きれい。
ただ、透明感のある薄口なのに、確かにそこにいるんです。体は透けてるけど、存在感があるみたい。
そして、きれいな印象のまま、喉を通っていきます。
と、本番はここから!
飲み込んで、お酒はもうそこにはいないはずなのに、旨味がじゅわっとふくらむんです。ほわあああー--。なにこの優しく豊かな余韻! 気持ちいい! 甘味と酸味と、ほんのり苦味も入った独特の爽やかな余韻です。
これが温度が上がって、涼冷え(15℃)くらいになると、味わいもだいぶしっかりしてきます。酸味と苦味が2倍になった感じ。美味しいです。
普通に飲むなら涼冷えくらいの方が飲みごたえありますね。でも、雪冷えの、味わいと余韻のギャップは美味しかったし楽しかった! これがギャップ萌えというやつか!
2日目、ちょっと甘味が増えてます。そして豊かな余韻はそのまま。3日目4日目も味が乗ってきて美味しいですね。そこで飲み切ってしまいました。
スペックは、
造り:純米吟醸
原料米: 五百万石
精米歩合:麹米50% 掛米55%
アルコール度数:13% ・・・ 低アル。でも、2合くらいで気持ち良く酔っぱらいました
日本酒度:非公開
酸度:非公開
アミノ酸度:非公開
酵母:協会1001号、1401号
ジブリで例えると「思い出もマーニー」のマーニー。透明感のある美しさ。物語が進むと、味わいが出てきます。
満足度:★★★★
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