こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

[ジブリ酒]大七 > 黒川さん(風立ちぬ)

大七だいしち 純米生酛】

酸旨が しみじみ美味しく 燗も映え

大七

大七

生酛造りで有名な大七さんの本命純米酒です。このお酒、実は、買うときから後悔するのはわかってました。前に飲んだ大七の不倒翁がめちゃくちゃ美味しかったし、燗にもしてみたいから、180mlの小瓶で足りるわけがないんです。でも、家にはまだお酒のストックがいっぱい。まあ、この瓶に巡り会ったのも運命です。1合真剣勝負で味わい尽くすつもりで買ってきました。

なんとなく、大七さんは冷や(常温)が良さそうな気がするので、冷やさずにいただきます。

色は、ほんのり褐色が入った透明。
香りは生酛らしい乳酸と旨味と、熟成っぽさもある蜜甘です。

口に含むと、とろり穏やかな酸味と甘味と旨味。と思ったら、酸味と旨味がぐいっと広がります。
良いですねえ。しみじみ美味しいです。生酛らしい豊かな味わい。

で、もっと飲みたいところなんですが、やっぱり燗にもしてみたい! のこり半分しかないけど、お湯をわかして、燗にしていきます。

余談ですがこないだ、とある燗マスターの方が、燗をするときの容器について話されているのを聞きました。アルミとガラス瓶では味が変わるとのこと。なんでも、アルミ製の酒タンポでは味がシャープになり、ガラス瓶では甘くなるんだそうです。なにそれ、めっちゃ面白い! とは言え酒タンポなんて持ってないので、瓶をそのまま湯煎して温めます。

まずは、温度計を見ながら50℃の熱燗まで上げてみます。酒器は、お湯で温めておいた平杯。
おっ! 華やか! 冷やでは穏やかだった口当たりが、熱燗にするとだいぶ印象が変わります。乳酸の酸味と丸みのある甘味が、いきなりぽわんと弾け、冷やで感じたほんのり苦味も消えてる。
うっま!

燗付けるの、楽しいなあ。ほんとはもっといろいろ試したかったんですが、案の定、一瞬でなくなってしまいました。

スペックは、
造り:純米 生酛
原料米:五百万石
精米歩合:69% 超扁平精米
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:+2 ・・・ ちょい辛
酸度:1.6 ・・・ 高め

扁平精米とは、従来のお米を丸く削る球形精米とは違い、お米を平らに削る方法です。そのことで精米歩合を上げなくても効率的に雑味の元となる外側のタンパク質を除去できます。その理論をさらに進めたのが、大七酒造さん独自の超扁平精米。精米歩合70%で、球形精米の精米歩合51.3%と同程度になるんだそうです。今回のお酒が精米歩合69%ということは、実質精米歩合50%と、大吟醸クラスと同程度の磨きになるわけですね。凄い!
このあたりのことは、「超扁平精米」で検索するとトップに出てくる大七酒造さんのサイトで詳しく解説されています。

ジブリで例えると「風立ちぬ」の黒川さん。主人公・二郎の小柄な上司です。堅物っぽいけど、味わい深い、めっちゃ良い人。技術屋さんです。特高からかくまってくれたり、無理を聞いて仲人を引き受けてくれたり、二郎の生涯の恩人ですね。

満足度:★★★★

大七
大七

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