【玉川 TimeMachine Vintage 】
複雑な 甘旨酸苦 どどどどど
京都・木下酒造さんの玉川。日本初にして唯一の海外出身杜氏・フィリップ・ハーパーさんのいるお蔵さんです。その木下酒造さんが、江戸時代の製法で造ったお酒がTimeMachineシリーズ。その中でこのVintageは、さらに3年間の瓶貯蔵を経た長期熟成酒なんだそうです。
ん? 2016BY(2016醸造年度=2016年7月1日~2017年6月30日)のラベルが貼ってあるけど、製造年月は2021年12月。ということは、少なくとも4年半は熟成されてますね。
TimeMachineは、そもそも新酒の段階から、通常の日本酒の約7倍のアミノ酸が含まれてて、5~10年物の古酒のような琥珀色をしてるんだそうです。それが4年以上の熟成ですからね。どうりで、凄い色です。紅茶って言われた方が信じられるくらいの、濃い褐色。
香りも凄いです。焦がした醤油とカラメルの旨甘苦と干し椎茸。もう笑うしかない。完全に異次元です。楽しい!
なのに!
口当たりは意外にするり。
と思ったのは最初の一瞬だけで、複雑な味わいが一気に押し寄せてきます。うっま! 甘味、旨味、酸味、苦味が全部どどどどど。その濃い味わいの中でも、序盤は酸味、中盤はドライフルーツのような甘味、後半が旨味苦味と、味わいの中心が変化していきます。面白っ! そして、どの味わいもめっちゃ主張して、一歩も引きません。
でも!
飲み込んだ後は、すうっと引いていって、後味はきれい! なんで!?
ちびちび飲みながら、開栓から1週間くらい経ったら、クセが落ち着いて、甘味が豊かになってる! 4年も寝てたのに、まだ成長するんだ! 凄っ! そして、めちゃくちゃ美味しい!
アテに合わせたのは、チェダーチーズ。濃厚なチーズの旨味と、全然違うお酒の甘味旨味がぴったりハマってる。幸せ!
他にも、チョコレートやバニラアイスとも合わせてみました。うんまーー!
燗にもしてみました。甘味と酸味がぽわんとふくらんで、これも美味しいです。
スペックは、
造り:純米酒
原料米:兵庫県産 北錦
精米歩合:88% ・・・ めっちゃ低精白
アルコール度数:14~14.9% ・・・ 低め
ちなみにこちらのラベル、江戸時代の酒造りの様子が描かれているんですが、その中に、顔が玉川ロゴになったロボットが隠れてます。こういう遊び好きなんですよね。
ジブリで例えると「紅の豚」の、ピッコロ工房のお婆ちゃんズ。歳は取ってるんだけど、実に楽しそう!
ちなみに、お婆ちゃんズがポルコに合ったときに言ってるのは「ポルチェリーノ(子豚ちゃん)」。中年のおっさん捕まえて子豚ちゃんなんて言えるのはお年寄りの特権ですね。
満足度:★★★★☆
美味しかったし、体験としてもめっちゃ面白かった!
紅の豚で好きなキャラは
— りく (@Saaaariiimandes) 2022年1月14日
「わくわくするね」のおばあちゃん pic.twitter.com/QOviTeSXRd
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