【櫻正宗 朱稀 協会一号酵母 本醸造酒】
酸旨で ほの甘レトロな 晩酌酒
前に1合瓶の「蔵べる」シリーズを飲んだ櫻正宗さん。桜正宗じゃなくて櫻というのがなんか好き。昨日のかたの桜さんからの桜繋がりです。春ですしね。
飲んだのは、桜が満開の頃。せっかくこの時期に桜の名前の入ったお酒を飲むんだから、夜だったけど夜桜ロケをしてきました。
こちらの櫻正宗さん、来歴がめちゃくちゃ面白いお蔵さんなんです。
まずはなんと言っても、元祖正宗。「正宗」が付いている日本酒はたくさんあります。正宗の一覧を載せているサイトによると、正宗の名を冠する日本酒は、全国で149種類もあるそう。その元祖、最初に正宗の名を付けたのが、櫻正宗さんの6代目蔵元なんです。
そもそもなんで日本酒の名前が正宗なのか。
時に天保11年(1840年)。当時「薪水」という銘のお酒を造っていた蔵元の6代目山邑太左衛門さんが、京都の瑞光寺で「臨済正宗」という経典を見て思いついたんだそうです。「正宗、、、セイシュウ、、、セイシュ、、、清酒!!! お酒の名前を正宗にしよう!」 って、ダジャレやないかい!
ちなみにこの話にはオチもあります。明治時代になって商標制度ができました。蔵元は当然「正宗」を商標登録しようとします。でも、あまりに正宗という名前をマネしたお酒が多すぎて一般名詞扱いされていまい、なんと商標が取れなかった。だからしかたなく櫻正宗にしたんだそうです。
そして、お蔵さんがあるのは日本三大酒処のひとつ、兵庫の灘。灘と言えば名水として名高い灘の宮水。これを発見したのも櫻正宗さんの6代目なんです。凄っ!
そして今回のテーマ・協会1号酵母の発祥のお蔵さんもこちらなんです。
この酵母は櫻正宗の酒母から分離され、当時最も優れた酵母として、大正5年から昭和10年(1916~1935年)までの間、日本醸造協会から頒布されていました。
しかし次第に使われなくなっていき、一時はもう存在しないと思われていたそうです。ところが、それが協会で保管されていたことが判明。櫻正宗さんの元に60年ぶりに帰ってきたのだとか。おかえりなさい! そんなストーリーのあるお酒、楽しんでいきましょう♪
香りはほんのり、乳酸とお米の旨味とアルコール。良い感じにレトロですね。アルコール感は強くはないけどツンとします。
口に含むと、酸味を中心に甘旨苦。やっぱりレトロで良いですねえ。中盤からは、旨苦がじんわりふくらんで、旨アル含み香がほわわわあ。
これは食中酒。というより晩酌酒ですね。普通の晩ごはんとの相性が良い感じ。特に焼き魚や煮物なんかにはばっちりです。
温度帯は、雪冷えから常温までどこでもOK。個人的には、キンキン雪冷え(5℃)くらいが、酸が穏やかになって好きです。
スペックは、
造り:本醸造
原料米:兵庫県産 山田錦
精米歩合:70%
アルコール度数:15~16% ・・・ 普通
酵母:協会1号酵母
ジブリで例えると「風立ちぬ」の加代さん。主人公・二郎の妹です。終盤の洋服姿ではなく和服の時。レトロでツン成分が多めだけど、それはお兄ちゃんが大好きなことの裏返しです。
満足度:★★★★
#風立ちぬ#金曜ロードショー
— 会澤重倶 (@bakasazu) 2021年8月27日
加代さん。
ほんとうに普通の目線と立ち位置で考え行動しているので、この人がいなかったら、あそこまでこの作品や登場人物に深く感銘を受けなかったかもしれない。 pic.twitter.com/z9qZR6OwCT
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