【大井川畔 鰍 特別純米酒】
熟成の 優しい甘旨 ふわうんまあ
はじめましてのお酒、静岡・大村屋酒造場の大井川畔 鰍です。アテにおすすめされた筍の煮つけに合わせて選んでもらいました。
どうやら、大井川畔というお酒があるわけじゃなくて、鰍まで含めてひとつの銘柄っぽいですね。
大井川は、南アルプス・日本第3位の高峰・間ノ岳に発して静岡を縦断し、駿河湾に注ぐ1級河川です。「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と詠われたことでも有名な東海道の難所ですね。このお酒は、その大井川の激流にも負けない力強い川魚・鰍から命名されたんだそうです。
製造は2021年3月で、それを半年寝かせて9月に出荷。そこから酒販店でさらに半年熟成されたお酒。どんな感じでしょう?
香りは、いかにも味が乗ってそうな、ほのかに熟成感のある甘アルと、かすかに酸。これは美味しそう。
口に含むと、熟成ほわ甘ほの酸旨。優しいけれど、豊かな年月の積み重ねを感じます。そこから、まず甘味が、次いで旨味がふわっと広がって、最後はしっかり旨。
ふわうんまあ。
力強さがありつつ、そのカドが取れてやさしくなっています。
選んでもらったから当然なんですが、筍にはとても合ってますね。こういう優しい煮物を中心に、和食全般に合いそうです。
スペックは、
造り:特別純米
原料米:誉富士
精米歩合:60%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
日本酒度:+4 ・・・ ちょい辛
酸度:1.3 ・・・ 低め
アミノ酸度:1.3 ・・・ 低め
ジブリで例えると「コクリコ坂から」の松崎花さん。主人公・海ちゃんのお婆さまです。上品で背筋がピッとしていて、おばあちゃんじゃなくてお婆さまという感じ。この人、たぶん昔はめちゃくちゃ厳しかったと思うんです。海ちゃんのお母さんが駆け落ちしちゃうくらいですしね。今でもその雰囲気はありますが、年月がそのカドを丸めて、優しくなっています。
満足度:★★★★
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