こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

[ジブリ酒]十四代 > 菜穂子さん(風立ちぬ)

十四代じゅうよんだい 吟撰 吟醸酒

なめらかな 和梨の甘酸 極上香

十四代

十四代

 

大好き、というか、もはや崇拝している十四代様です。日本酒の銘柄は数千以上あるけど、その頂点はどれかと聞かれたら、多くの人は十四代様を挙げるでしょう。今回も、開栓したという情報を聞いて、十四代様を目当てにお店にやってきたんです。さあ、さっそく飲んでいきましょう。

香りは、恍惚とする梨の甘さとほの苦さ。ほんと素晴らしい。

口に含むと、最初から和梨の甘味酸味、そしてほのかな苦味がぽわぽわ。フルーティーでジューシーで透明感があります。でも、ジューシーというには上品すぎて、透明というには印象がしっかり。苦味もくっきりあるのに、とても美しいです。幸せ~。

その幸福感が口の中で溶けていき、口の奥にほんのり苦味を残しつつ、含み香がふわあああ。でも、喉は通りません。通らないというより、なめらかすぎて通った感覚がない。口の中には確かにあったはずなのに、いつの間にか消えてるんです。このなめらかさが十四代様の真骨頂。後味も、何も残らず、ただ幸せの余韻だけがふわふわ浮いている。

しかもこのお酒、生詰(1回火入れ)なんですよね。十四代様は、生詰でもめちゃくちゃ美味しいけど、やっぱり生酒が素晴らしすぎると思ってたんです。でも、この方は、生詰なのに感動的。むしろ、生酒とは違う魅力があります。凄いなあ。

そしてこの方、アル添です。アル添には否定的な人もいますが、ぜひこのお酒を飲んでほしい。アル添の素晴らしさが凝縮されています。特に含み香の立ち方が、あでやかで色っぽくて、しかも上品。アル添には技術が出るとよく聞きますが、ほんと、とんでもない技術です。

スペックは、
造り:吟醸酒 生詰
原料米:兵庫県特A畜産 山田錦
精米歩合:50%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:±0 ・・・ 普通
酸度:1.8 ・・・ 高い

ジブリで例えると「風立ちぬ」の菜穂子さん。ラストシーンで、二郎を迎えに来た菜穂子さんです。それまでの儚さは消えて、心からの笑顔を見せてくれています。
このシーン、菜穂子さんは二郎に「あなた、生きて」と言います。でもこの台詞、絵コンテ段階では「あなた、来て」だったそう。意味が180度違いますね。宮崎監督が最後まで悩んでいたことがよくわかる変更です。

満足度:★★★★★

十四代

十四代

 

関連記事:

 

ブログランキング・にほんブログ村へ←投票リンク踏んでいただけると、とても嬉しいです。

 

こるね酒店

「こるね酒店」でお勧めのお酒を販売中。
実際に飲んで美味しかったお酒だけを厳選して、わかりやすく紹介しています。