こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

[ジブリ酒]甲子 > おソノさん(魔女の宅急便)

甲子きのえね 完熟きのえねアップル】

濃密な リンゴの蜜の 甘味じゅわっ!

甲子

甲子

お久しぶりの甲子きのえねさん。前に飲んで、リンゴ感バリバリだった夏酒・きのえねアップルの、ひと夏越した火入れタイプです。完熟!? なにそれ気になる! マスターにおススメされたのもあって、この日の1杯目にいただきました。

酵母は、リンゴ酸をドバドバ出す協会77号。77号と言えば、きのえねアップルの他に、りんごぽむぽむ阿櫻りんごちゃん鏡山 林檎酸酵母仕込み仙禽かぶとむしを飲んできましたが、その中でいちばんリンゴだったのが甲子さんでした。その完熟タイプ。完熟と言ってもひと夏越しただけで、何年も熟成させたわけじゃありませんが、爽やかなきのえねアップルからは違ってそうです。どんなことになってるのか楽しみ。

でもその前に、そもそも甲子って知らなきゃなかなか読めないですよね。
甲子というのは、60年を1周期とする十干十二支じっかんじゅうにしという年の数え方のうちのひとつです。十二支は馴染みがありますよね。子・丑・寅・卯・辰・巳、、、ってやつ。
十干は、中国の五行思想を基にした考え方。木・火・土・金・水にそれぞれ兄・弟がかけあわされた10種類があります。木兄きのえ=甲、木弟きのと=乙、火兄ひのえ=丙、火弟ひのと=丁、土兄つちのえ=戊、土弟つちのと=己、、、。そう、契約などでよく使われる「甲は乙に対し云々・・・」の「甲・乙・丙・丁、、、」ってここからきてたんですね。

十干十二支はその十干と十二支の掛け合わせ。十二支が毎年ひとつ進むように、十干も毎年ひとつ進みます。歴史で習った戊辰戦争は、つちのえの年とたつ年が組み合わさった戊辰(つちのえたつ=ぼしん)の年(1868年)に起こったから戊辰戦争なんです。
10×12なら120通りありそうなものですが、両方とも1年にひとつ進み、両方とも偶数なので、絶対に現れない組合せもでてきます。甲丑きのえうしとかは何年経っても絶対に出てこない。だから60年でひとまわりします。ちなみに年齢で言う「還暦」も、十干十二支がひと回りして暦が還ってくるという意味ですね。

甲子園球場は甲子の年(1924年)にできたことが由来ですし、壬申の乱 (みずのえさる=じんしん、672年) とか庚午年籍(かのえうま=こうご、670年)とか辛亥革命(かのとい=しんがい、1911年)とかも十干十二支が由来です。

お酒の甲子は、十干十二支のトップバッターで縁起が良いから付けられた名前です。というわけで、やっお酒に戻ってこれました。では、味わっていきましょう。

香りは、リンゴの蜜と旨ぽわん。おっ、リンゴだけじゃなくて旨味もしっかり凝縮してそうです。

口に含むと、リンゴの爽やかな酸甘。と思ったら、リンゴの蜜の甘味がじゅわっ! おおっこれは濃い! そこからさらに旨味と苦味もじわん。
なるほどこれは完熟。甘旨濃縮リンゴです。うっま!

スペックは、
造り:純米吟醸
原料米:山田錦、五百万石
精米歩合:55%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:-17.4 ・・・ 大甘口
酸度:2.7 ・・・ 高い!
アミノ酸度:1.6 ・・・ 高め
酵母:協会77号

ジブリで例えると「魔女の宅急便」のおソノさん。やさしくて、おおらかで、笑い方が豪快なのが魅力的。自然体で人助けができる、良い人です。魔女宅には魅力的な女性がたくさんいますが、結婚していちばん幸せになれるのはおソノさんじゃないかな。ちなみに、おソノさんは26歳。意外に若い! 昔は暴走族だったという説もあるくらいだから、人生経験積んでしっかりしてるのかもしれません。

満足度:★★★★

甲子

甲子

 

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