こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

[ジブリ酒]利他 > 絹さん(風立ちぬ)

利他りた 純米大吟醸

奥ゆかし 味わいおだやか 香りほわっ

利他

利他

珍しいお酒、東京都東村山市・豊島屋酒造の利他さんです。豊島屋酒造と言えば、屋守おくのかみが有名ですね。

豊島屋酒造は、元々は1596年に江戸・神田に始まった酒屋兼居酒屋・豊島屋が起源です。1596年ですよ! 江戸幕府ができる7年も前。徳川家康が江戸に入城したのは1590年ですが、その頃の江戸は、湿地の寒村に過ぎませんでした。そこから家康は、低湿地を埋め立て、治水を行い、利根川の流れまで大きく変えて、江戸の町を作っていきます。そのあたりは、「家康、江戸を建てる」という小説に描かれていて、これがまためちゃくちゃ面白い。ともかく、入城から6年経っているとは言え、まだまだインフラの整備も不十分だったでしょうね。その頃から江戸の歴史をずっと見てきたお店。凄いなあ。ちなみに、酒樽の上蓋(鏡)を割る「鏡開き」の慣習を始めたのは豊島屋さんだそうです。

その後、明治後期になって、豊島屋さんは自社での酒造りを開始。昭和初期に酒造り部門を分社化して、東村山市に豊島屋酒造が設立されます。現在では、豊島屋グループとしていくつかの会社に分かれ、豊島屋酒造が「屋守」、豊島屋本店が「金婚」、そして神田豊島屋がこの「利他」というブランドを持っています。裏ラベルを見ると、製造は豊島屋酒造で、販売が神田豊島屋となっています。

ちなみにこの「利他」を売っているのは、神田にある豊島屋Rita-Shopともう1社のみ。しかも、通販はしておらず、価格すら非公開。激レア!! 

それではいよいよ、飲んでいきましょう。

香りは、ごくおだやかな乳酸米旨。

口当たりは、きれいでやさしい酸甘。そこから旨味もほんのり出てきます。味わいは、とてもおだやかなんだけど、バランスが良いですね。そして含み香が芳醇かつ上品にほわあっとふくらみます。美味しい! ほわほわ気持ち良い!

スペックは、
蔵元:豊島屋酒造(東京都東村山市)
造り:純米大吟醸
原料米:広島県産 八反錦
精米歩合:50%
アルコール度数:13% ・・・ 低い
日本酒度:+1 ・・・ 普通
酵母:M-310
製造年月:2022年10月

ジブリで例えると「風立ちぬ」のお絹さん。序盤の関東大震災のシーンで、主人公・二郎に助けられた女中さんです。奥ゆかしくて美しい女性。
この出会いから菜穂子さんとの再会まで、二郎は菜穂子さんよりもお絹さんを意識していました。でもそれは仕方ないと思うんです。だって、田舎育ちの童貞男子が、はじめて女の人をおぶって、体が密着したんですよ。しかも美人さん。そんなの、意識しない方がどうかしてます。

満足度:★★★★☆

利他

利他

 

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