【積善 純米吟醸 カーネーション】
酸中心 意外にドライに 華やかに
こないだ牡丹の花酵母のお酒を飲んだ積善さん。長野県長野市・西飯田酒造店さんのお酒です。本老の松の東飯田酒造店さんのお隣さんですね。比喩ではなく、ほんとに隣接してます。ちなみに2蔵とも蔵元は飯田さんですが、親戚ではないそうです。なんで???
積善さんといえば花酵母。とあるサイトに「県内唯一全量花酵母の仕込み蔵」とあったんですが、そんなの全国を見てもほとんどありません。ぱっと調べた限りでは、西飯田酒造店さんと、「元文」の岐阜県・布屋原酒造場さんしか見当たりませんでした。他にもあるのご存じの方がいらっしゃったら教えてください。
花酵母というのは、花から微生物を採取して分離した酵母のこと。だから、花とは直接関係ない可能性もあります。同じ花から分離した酵母でも全く違う性質を持っている場合もありますね。でも、バナナ酵母で造ったお酒が、どう考えてもバナナだったりして楽しいです。
さて、そんな積善さんのお酒で、今回はカーネーションの花酵母です。製造年月が5月なので、母の日に合わせたお酒なのかな?
さっそく飲んでいきましょう。
香りほのかにマスカットとフローラル。カーネーションっぽさはわかりませんね。そもそもよく考えたらカーネーションの香りを知りません。
口に含むと酸ぽわん。それがふわっとふくらみ、自然に消えていきます。甘味はほんのり出たを思ったらひっこんで、香りのわりには意外にドライ。苦味もなくて渋味がじわん。
酸が華やかで、とてもきれいなお酒ですね。
ふと裏レベルを見てみると、精米歩合は49%。精米歩合50%なのに純米吟醸を名乗ってるお酒はまあまあありますが、49%なのに純米吟醸というのは意味がわかりません。素直に純米大吟醸にしておけばいいのに。ちなみに積善さんの純米大吟醸を見てみたら精米歩合は40%でした。ここまで磨かないと大吟醸は名乗らないというお蔵さんのこだわりでしょうね。
アテは、赤魚の西京焼き。日本酒のアテとしてはもう間違いないですね。お酒を合わせると、フルーティーさはそのままに、旨味がほわっとふくらみます。うまっ!
ジブリで例えると「紅の豚」のラウラちゃん。フィオの従姉妹4人組のひとりで、2番目に歩いてくる子。フレッシュでかわいくて、キリッとした表情が魅力的。将来絶対美人さんになりそう。人見知りっぽい先頭のソフィアちゃんの背中をそっと押してあげます。
好き度:★★★★
【DATA】
蔵元:株式会社 西飯田酒造店(長野県長野市)
造り:純米吟醸
原料米:長野県産 ひとごこち
精米歩合:49%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:+1.0 ・・・ ちょい辛
酸度:2.0 ・・・ 高い
酵母:カーネーションの花酵母(東京農大分離株)
製造年月:2024年5月
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