【久米桜 カルシス】
人は何故 ”最強”二文字に 憧れる
1ヶ月ちょっと前、カルシス(ロットVer.2)をいただきました。
率直に言って、とんでもないお酒。酸度は16.3で、味わいチャートで、酸味に初めて5が付きました。キツかったなあ。
でもその時のカルシス、実は最強ではなかったんです。記事中にも書きましたが、初回ロットVer.1の酸度は18.3。最強を飲んでみたい気持ちはあったんですが、入手できないからと、まあ諦めていました。
そしたらその後、通販で出てたVer.5の酸度がなんと18.8!!
買うかどうか、悩みました。そもそもこのお酒、そこそこのお値段がするんですよね。送料を足したら、もう高級酒の価格帯。しかも、前回あんなにキツかったお酒、たとえ四合瓶でも飲み切れる気がしません。
でもやっぱり、「最強」の二文字の誘惑には勝てませんでした。
飲み切れないなら、誰かに飲んでもらえばいいやん。というわけで、お酒をいつものお店に預けて、常連の方々におすそ分け。常連さんは猛者の方が多いので、きっと喜んで(?)くれるでしょう。
というわけで久米桜さん、改めて紹介します。鳥取県西伯郡伯耆町・久米桜酒造さんのお酒。出雲富士とも呼ばれる名峰・
日本酒の銘柄は、久米桜・八郷・だいせん等。原料米のほとんどが半径3km以内で作られたものという、地元にこだわるお蔵さんで、2020年からは全量生酛造りに取り組んでいるんだそう。全量生酛はかなり気合入ってますね。
杜氏の三輪智成さんは、アパレル会社経営、証券会社勤務を経て鳥取に移住し蔵人になったという気異色の経歴です。
ちなみに、前回のカルシスは一升瓶で普通のラベルでしたが、四合瓶のものは、プラ段ボールのシートにラベルを貼って、それがひもで下げてあります。
それではいよいよ覚悟を決めて、飲んでいきましょう。
とその前に、まずは開栓。澱がたっぷりで上澄みがほんのわずか。いかにも爆発物な澱の割合です。裏ラベルにも「吹き出し注意」って書いてますしね。これは開けるのに時間がかかりそう。おそるおそるスクリューキャップを開けていきます。
・・・え?
泡も立つことなく、無言のままですんなり開いちゃいました。なんで?
でもそのおかげで、上澄みを飲むことができます。せっかくだから上澄みからいただきましょう。ただ、グラスに1杯注いだだけで、上澄みはほとんどなくなりました。
香りはもう、酢。果実酢ですね。健康に良さそうです。僕は酸がそんなに得意じゃないので、まあぶっちゃけ、そんなに飲みたいと思わせる香りじゃない。
口に含むと、、、なんだと!?
めちゃくちゃ酸っぱいけど、普通に飲めます。わずかにピリッと微々炭酸で、酢酸乳酸クエン酸の酸味が強烈。なのに甘味もあって飲める。健康酢飲料が飲める人ならこの子も問題なく飲めそうです。
お次は本命のにごり。上澄みなんてもうほとんど残ってないけど、一応まぜておきます。
香りは変わらず酢酸だけど、上澄みよりはおとなしくなりました。
口に含むと強烈酸。でもほんのり甘いし、やっぱり普通に飲めます。むしろ、もしかしてこれ、美味しいんじゃない? 酸度16.3の前回より、ずっと飲みやすいです。意味わかんない。アルコール度数が前回の10%に対して今回は6.7%なのは関係あるかもしれません。日本酒度も-43→-76と、さらに甘くなってますしね。
上澄みだけより酢酸感は減ったけど果実酢みたい。そして、ヨーグルトの乳酸とほんのりクエン酸と、前は感じなかったリンゴ酸もたっぷり。酸味オールスターズですね。
うん、感動とまでは言わないけど、美味しい。普通におかわりもできるし、リピート購入だってアリです。
ちなみにお店のお姉さんは「これはムリ」って言ってました。でもバイトの子は逆に「めっちゃ美味しい」という感想。完全に人を選ぶお酒です。面白っ!
アテは、まずはグリーンカレー。前回の経験で、強烈な酸味に対抗するにはスパイス効かせた料理だろうと思い、予約しておきました。そんなに辛くはなくて、ココナツ甘味があって、その後ろから複雑なスパイスがピリピリ気持ちいい激ウマカレーです。そして、カルシスさんが意外に飲みやすかった分だけ、予想以上に合います。
アテ2は、タコス。やさしい甘旨辛がめちゃくちゃ美味しい。そしてお酒にも普通に合います。
レモンに合わせたら甘味も引き立って美味しいです。ほんと意味不明。
ジブリで例えると「風の谷のナウシカ」のクライマックス直前、酸の湖の小島に降りるシーン。めっちゃ酸だけど、王蟲の幼生がちょっとやさしい。
カルシスさん、しばらくお店に残ってたから、8日目にも飲みましたが、あんまり変わりませんね。やっぱり酢とほの甘で健康になれそう。
そして、最後は15日目。お!? まろやかになってる。もちろん酢酸中心だけど、甘味も少し増えて飲みやすいです。でも、このお酒を飲むなら一日の最後ですね。これの後に何を飲んでも味覚が酸に塗られてしまっています。
好き度:★★★★
「王蟲とナウシカ」(バンダイ 1/20)
— YoshiMaru (@YoshiMaru_009) 2020年6月8日
やっと完成〜。キットは王蟲に少し触手?を足したくらいで、ほぼ素組みです。
…酸の湖は黄色っぽく振ってみました。原作の表紙イラストの様な夕方のイメージでしたが、溶けそうなヤバイ感じもある…かなぁ(^^;;) pic.twitter.com/U9ldv2TpNt
【DATA】
蔵元:久米桜酒造有限会社(鳥取県西伯郡伯耆町)
造り:純米 生酛 にごり生原酒
原料米:鳥取県八郷産 山田錦
精米歩合:60%
アルコール度数:6.7% ・・・ 低い
日本酒度:-76 ・・・ 激甘口のはず
酸度:18.8 ・・・ 意味不明
酵母:野生酵母
製造年月:2024年6月
というわけで、僕の飲んだ最強スペックのお酒が更新されて、以下のようになりました。
日本酒度(+)・・・山法師 爆雷:+28
日本酒度(-)・・・舞美人 MYVY:-154
酸度・・・久米桜カルシス:+18.8
アミノ酸度・・・千代の松イタリア・土田 研究醸造15:4.0
仕込み段数・・・千代の松 神仏習合の酒:八段仕込み
精米歩合(低精白)・・・千代の松 神仏習合の酒:95%
精米歩合(高精白)・・・来福超精米:8%
なお、仕込み段数・精米歩合については、これ以上のスペックのものがまだあります。それらもいずれ飲んでみたいですね。
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