【華鳩 夏の純吟 パイナップルラベル】
やわらか甘 苦味で締める パイナップル?
お久しぶりの華鳩さん。広島県呉市・榎酒造さんのお酒です。2年ぶりですね。
榎酒造さんは、明治32年(1899年)創業。「華鳩」という銘柄名は、お蔵さんのある鳩岡という地名と、昔の国語の教科書で最初の文章が、「ハナ、ハト、マメ、マス、...」だったことに由来しているそうです。
そして華鳩と言えば貴醸酒が有名。僕も、華鳩さんを最初に飲んだのは、8年貯蔵熟成古酒の貴醸酒でした。
貴醸酒というのは、仕込み水の一部をお酒に代えて造ったお酒。この製法だと、醪(もろみ)のアルコール度数が高くなって、糖分をアルコールに変えるという酵母の力が弱まるため、糖分が残って甘くなりやすいという特徴があります。
その貴醸酒を初めて製品化した酒蔵が榎酒造さん。貴醸酒自体は、1973年に国税庁醸造試験所の佐藤博士らによって開発・命名さました。それを榎酒造さんが翌年1974年に、醸造試験所の製造特許をもとに製造に挑戦されたんだそう。さすがですね。
今回のお酒は、パイナップルラベルの夏酒。前回飲んだのがスイカラベルの「夏の特別純米酒」、その前は、ブドウラベルの「秋の純米吟醸」だったから、果物続きですね。
それでは飲んでいきましょう。
上立ち香、わずかな苦さと脂肪感。悪くはないけど、ちょっと惜しい。
口に含むとやわらか酸甘。パイナップルっぽさもあるけれど、意外に全く派手じゃない。そこから旨苦現れて最後に苦味でじゅわっと締める。
苦味がしっかり出るけれど、その裏に柔らかい甘味があって気持ち良いです。
ただ、ラベルの印象ほどはパイナップルが強くありません。とある販売店さんのサイトにも、「甘い完熟パイナップルと言われると、そうかも?」と書かれています。歯切れ悪いけど、気持ちはよくわかります。
アテの中で合ったのは、スナック菓子に乗ったフムスっぽい何か。スナックのサクサク塩味とのコントラストが良くて、じんわり美味しいです。そしてその控えめスパイスが、お酒のやわらかい甘味を少しだけ目立たせてくれます。うんま!
でもやっぱり最強はレモンでした。めっちゃ合う!
ジブリで例えると「天空の城ラピュタ」の冒頭、パズーが買う肉団子スープの屋台のおじさん。やさしそうなおじさんです。派手さはないし、活躍もしないけど、肉団子スープがめっちゃ美味しそう。
好き度:★★★☆
今週の金曜ロードショーは「天空の城ラピュタ」です!
— どんぐりごろごろ (@donguri560560) 2024年8月27日
小さい頃、肉団子はパズーの夕食だと思っていましたが、英語版では親方のものという表現になっており、よく見ると「残業はなしだ」といって容器を持って帰るシーンがあって衝撃を受けました pic.twitter.com/85TqCw59w4
【DATA】
蔵元:榎酒造株式会社(広島県呉市)
造り:純米吟醸
精米歩合:55%
原料米:広島県産 千本錦
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:-1 ・・・ 普通
酸度:1.4 ・・・ 普通
酵母:広島もみじ
製造年月:2024年5月
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