【SAKE HUNDRED 弐光 】
軽快な フルーティーさが すっと引き
なまおコメ呑み会のお酒③は、お久しぶりのSAKE HUNDRED。そりゃそうです。こんなのめったに飲めるお酒じゃありません。
SAKE HUNDREDは、日本酒メディア・SAKETIMESを運営する(株)Clearさんがプロデュースするラグジュアリー日本酒ブランド。ラグジュアリーなだけあって、ほとんどのお酒は四合瓶で3万円以上します。その中で、今回の弐光は9,900円(税込)だから、お安いですね。もちろん僕は買えませんが。
これまでのSAKE HUNDREDが「徹底して特別」を追求しているのに対し、弐光は、その価値をより多くの人々に届ける“第二の光”とするという戦略なんだそう。そのため、これまではブランドサイトでのEC販売が売上の9割を占めていたのに対して、弐光は小売店および飲食店限定販売となっています。
ちなみに僕はこれまで、SAKE HUNDREDフラグシップの「百光」と「百光 別誂」はいただいたことがあります。どちらも精米歩合18%の超高精白。でも、18%まで磨くということは、82%は米糠となるわけです。まあ、通常その米糠は捨てるわけではなく、米菓や家畜の飼料などに利用されています。でも、風味を損なうため、日本酒に再利用されることはほとんどありません。その百光の米糠を使ったのが、今回の弐光。これ、たぶん再利用したからと言ってコストは下がらないやつですね。通常とは違う造りになるから、コストは逆に上がりそう。だから、これはサステナブルな日本酒造り・サステナブルな地域環境への貢献へのチャレンジということだと思います。さすがラグジュアリーブランド。
弐光を造ったのは、新潟県南魚沼郡の白瀧酒造さん。上善如水のお蔵さんですね。飲みやすいお酒を造ることには定評があります。スタンダードな上善さんも淡麗辛口で飲みやすいけど、季節のお酒ではモダンフルーティーで美味しいものもたくさんあります。いろんなチャレンジをしているお蔵さんだからこそ培われた技術に期待されたんでしょうね。
白瀧酒造さんが、米糠を使ってラグジュアリーブランドにふさわしいお酒に仕上げるために採ったのが、白麹四段仕込みという造り方。
白麹は、日本酒で通常使われる黄麹よりも、柑橘の酸味を感じるクエン酸を多く生成します。そのため、甘酸っぱいお酒によく使われていますね。
四段仕込みというのは酒造りの手法のひとつ。通常のお酒は、酒母を造った後、3回に分けてお米と水を足していきます。それが三段仕込み。それをもう1回追加するのが四段仕込みで、糖分が残って甘口になりやすい造り方です。
今回は、その四段目の仕込みの際に、甘酸っぱい甘酒のようにした米糠と白麹を投入したんだとか。それがどう活きているのか楽しみです。
なお、裏ラベルを見ると、品目は日本酒になっています。お米以外の原材料を使うと日本酒表記はできないんですが、米糠なら副原料とはみなされず、日本酒と表記できるようですね。
こちらを持ち込まれたのも、ふたつ前の楯野川 極限と同じで神崎鉄斎さん。本当にありがとうございます。感謝しつつ、いただきます。
香りはかすかにラムネとアルコール。ん? 米糠入ってる? 糠くささは全く感じないきれいさです。
口当たり、シャインマスカットのフルーティー。一瞬遅れてグレープフルーツの酸甘も感じ、それがふわっとふくらんだと思ったら、すっと引いて消えます。ほんのわずかに旨渋は残るけど、わずかすぎて見逃してしまいそうなくらい。アルコール感もわずかで、軽快です。
美味しいですね。上品でかわいらしいお酒でした。
ジブリで例えると「猫の恩返し」のユキちゃん。猫の国で主人公ハルを導いてくれる、きれいな白猫です。品があって白くてきれい。
好き度:★★★★
猫の恩返し🐈も20周年おめでとう💕
— rin (@r_h0410_891000) 2022年7月20日
3Dラテアートのユキちゃん🎀#猫の恩返し #ユキちゃん #ラテアート pic.twitter.com/gNBLMMM0jr
【DATA】
蔵元:白瀧酒造株式会社(新潟県南魚沼郡)
造り:白麹四段仕込み
原料米:新潟県産五百万石、山形県産出羽燦々 有機栽培米(糠)
精米歩合:糠使用のため記載なし
アルコール度数:13.4% ・・・ 低い
日本酒度:-18 ・・・ 大甘口
酸度:1.7 ・・・ 高め
アミノ酸度:1.3 ・・・ 普通
製造年月は、たぶん「R09AH」の部分だと思うんですが、読み解くことはできませんでした。
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