【La Jomon Malo 純米酒】
なまおコメ呑み会のお酒④は、はじめましてのお酒、La Jomonさん。タイムラインにはよく出てきて気になってたんだけど、全然会えなかったんですよね。それもそのはず、このお酒は普通のお酒とはちょっと出自が違います。
La Jomonというのは、山形県山形市にある酒販店、そしてそのお店がプロデュースするプライベートブランドの銘柄名です。
代表の熊谷太郎さんの経歴も面白いです。熊谷さんは法政大学を卒業後に一般企業に就職されたものの、蔵人になるために東京農業大学短期大学部醸造学科へ社会人入学。その後、東北の3つの蔵で計18季の酒造りを経験。2008年に純米酒専門店「正酒屋六根浄」を開業されます。ただ開業当初は、冬は蔵人、春から秋にかけて酒を売るという生活だったそう。そして2017年、移転とともに店舗名を「La Jomon」に変更されました。
La Jomonという名前の由来は縄文時代の「縄文」。日本のお酒の歴史は縄文時代にまで遡ることから、根本的な視点から発酵文化を伝えたいという想いを込めたのだそうです。
ただの酒屋ではなく、お酒以外に食品も小売・卸売・輸出、お酒や食品のプロデュース、日本酒イベントの開催、酒テイスティングセミナー開催など幅広く活動されています。また、熊谷さんは一級酒造技能士・清酒専門評価者も持たれていて、全国6号酵母サミットの実行委員長もされています。
そんな方のプロデュースだから、ただのプライベートブランドのわけがない。きっといろんなこだわりが詰まっているのでしょう。
今回のお酒は、秀鳳酒造場さんの製造で、マロラクティック発酵(malolactic fermentation , MLF)のお酒。
MLFとは、醸造過程でリンゴ酸が乳酸に変わる反応のこと。鮮烈で鋭い酸味のリンゴ酸を、同じ酸でも穏やかな酸味の乳酸に変えることで、味わいがまろやかになって複雑味が増すそうです。
MLFは元々はワインで行われていた発酵手法なんですが、山形県工業技術センターが日本酒への応用方法を研究。それを基に、今回の醸造元である秀鳳酒造場さん、楯の川酒造さん・出羽桜酒造さん・山形正宗の水戸部酒造さん・あら玉の 和田酒造さん・天弓の 東の麓酒造など、山形のいろんなお蔵さんがMLFを用いたお酒造りに挑戦されています。
さて、初La Jomonで初MLF。どんなお酒なんでしょうか。
こちらは、ぽんきち。さんが持ち込まれたお酒です。ありがとうございます。
それではいよいよ、いただきます。
香りはやわらかフルーティー。奥におだやかアルコール。
口当たり、やわらか甘酸ぽわっとふくらみ、奥からお米の旨コクほわり。アルコール感も、しっかりだけどやわらかく、後味にもフルーティーな甘酸と渋苦がじわり。
このやわらかさがマロラクティック発酵の効果でしょうか。フルーティーなのにやわらかいです。美味しい。
ジブリで例えると「コクリコ坂から」の悠子。主人公・海ちゃんの友達の、アンパンが好きな子です。かわいくて、物腰やわらか。でも芯はしっかりしていて、クライマックスの合唱シーンでは、堂々とソロで歌い出します。カッコいい!
好き度:★★★★
「コクリコ坂から」松崎海・信子・悠子 pic.twitter.com/L6iDCJ4ou3
— Sakaya (@sakaya_ya) 2016年12月22日
【DATA】
蔵元:有限会社 秀鳳酒造場(山形県山形市)
造り:純米 山廃 マロラクティック発酵
原料米:出羽の里
精米歩合:66%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:-15 ・・・ 大甘口。え!?
酸度:2.0 ・・・ 高い。ええ!?
酵母:協会601号酵母、山形酵母YK2408
製造年月:2024年8月
確かに甘酸っぱかったけど、こんなに派手なスペックだとは思いませんでした。
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