こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

SAKE HUNDRED > 銭婆(千と千尋の神隠し)[ジブリ酒]

SAKEサケ HUNDREDハンドレッド 礼比らいひ

複雑で 濃くて豊かな 熟成感

SAKEHUNDRED

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宴友会のお酒、いちばん凄かったのがこちらの礼比さん。
何が凄いかと言うと、まずは値段。500mlで定価165,000円 (送料別)の超高級酒です。え?桁間違ってないですよ。16万円。いやもう送料なんてどうでもいいよ。当然、僕が飲んだ中での最高額です。

SAKE HUNDREDは、日本酒メディア・SAKETIMESを運営する(株)Clearさんがプロデュースするラグジュアリー日本酒ブランド。ラグジュアリーなだけあって、ほとんどのお酒は四合瓶で3万円くらいします。でも礼比さんはやっぱり別格ですね。まあ、このシリーズには、「現外」という29年熟成で266,200円のお酒もあるんですが。

この礼比も熟成酒。公式サイトの説明によると、
『礼比は、累乗仕込みで醸造した日本酒を、14年もの間-5℃の氷温環境で熟成させ、うち3年はフレンチオーク樽での「樽熟成」を行うことで誕生した、唯一無二の個性をもつ氷温熟成酒です』
とのこと。まあ、手間とお金がかかっていますね。
ラベルには、CHERISHEDSAKEと書いてあります。cherishとは大切にするという意味。本当に大切に熟成されたんでしょうね。ちなみに、結婚式ソングとして有名な「てんとう虫のサンバ」を歌う夫婦デュオ・チェリッシュも、元をたどればこの言葉に行きつきます。

このお酒を造るのは、「水芭蕉」を醸す群馬県利根郡川場村・永井酒造さん。前に飲んだ水芭蕉さんは、優しい酸味とほんのり蜂蜜の美味しいお酒でした。

ご提供いただいたのは、またもや神崎鉄斎さん、本当にありがとうございます。500mlを全員で分けるので、量は少しですが、しっかり味わっていきましょう。

香りは甘さと複雑さ。カラメル甘を中心に、穀物キノコとシロップ・土・糠。いろんな要素が入り混じっています。でも、甘さがそれを包み込んでいて、かぐわしい。

口に含むと最初からインパクトたっぷり。甘味苦味を中心に、酸も旨味もアルコールも複雑に絡み合いつつしっかり主張。
甘味はカラメル・シロップ・糖と米。旨味はお米・穀物・木質感。酸味は乳酸中心に、やわらか米酢とかすかにリンゴ。苦味は甘さを抜いたカラメルと、焦げ感・土・糠くっきりと。渋味もたっぷり後味に。

複雑で濃くて豊かな熟成感。
年月を経ることで、いろいろな経験が蓄積し、深みを増しています。

ジブリで例えると「千と千尋の神隠し」の銭婆。千尋に対してはやさしいお婆ちゃんだけど、とても強い力を持つ魔女。性格も複雑で、底が見えません。ハクに瀕死の重傷を負わせたのも銭婆ですしね。
ちなみに、慶應義塾高校の古川晴彦先生が書かれた「ジブリの授業」によると、湯婆婆と銭婆は、「銭湯」から分かれた名前を持つ双子の姉妹。湯婆婆は名前から「銭」がなくなったから、水には不自由しないけど銭に執着する。一方銭婆は、銭には執着しないけど、水を追い求める。だから川の神であるハクを追い狙い、「沼の底」に住むんだとか。うーん、なるほど。

好き度:★★★★☆

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【DATA】
蔵元:永井酒造株式会社(群馬県利根郡川場村)
造り: 累乗仕込み 氷温熟成酒 樽熟成
原料米:山田錦・国産米
精米歩合:60%
アルコール度数:16.3% ・・・ 高め
日本酒度:-46 ・・・ 大甘
酸度:2.5 ・・・ 高い

 

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