【杉玉 純米酒】
穀物旨 昭和を感じる クラシック
杉玉というお寿司居酒屋さんをご存じでしょうか? 最近、やけによく見かける気がします。今回は、その杉玉さんに初めて伺って、杉玉というお酒を飲んできました。
(杉玉の写真はPhotoACより)
そもそもの杉玉とは、スギの葉を集めてボール状にしたやつ。酒蔵とか酒屋さんとかの軒先によくぶら下がってますね。その由来は、酒造りの神様として信仰を集める奈良の大神(おおみわ)神社。僕もこないだ「みむろ杉」の今西酒造さんに伺ったときに参拝してきました。
杉玉は、各地の蔵人が大神神社に参拝した時に、御神体である三輪山の杉の葉を持ち帰ってお守りにしたことが元になっています。江戸時代の中頃からは、その杉の葉を丸い形に整えて軒先に飾るようになり、酒蔵の象徴として定着しました。
お店の方の杉玉は、2017年にできた大衆寿司居酒屋。公式サイトで数えてみたら、全国各地に89の店舗を展開していました。凄い!
これだけ急速に店舗を増やせたのは、当然親会社の力があります。杉玉を経営しているのは、東京都千代田区のFOOD & LIFE INNOVATIONS。その親会社は、外食大手FOOD & LIFE CAMPANIESで、回転寿司のスシローなどを傘下に持っています。だからスケールメリットを活かした調達力があるんですね。メニューは、普通の寿司からちょっと工夫したおしゃれなものが多く、日本酒もなかなかそろっています。
その日本酒メニューから今回選んだのが、杉玉 純米酒。そりゃやっぱり飲みたくなりますよね。
こちらの杉玉さんは、青森県上北郡おいらせ町・桃川(株)さんのお酒。桃川さんと言えば、スーパーなんかでよく見る大手メーカーのイメージがあります。実際公式サイトの会社概要を見てみたら、従業員数は約70名とのことなので、酒蔵のなかではかなり大きいですね。
今回のお酒、お寿司屋さんのPBかと思って注文したんですが、桃川さんのレギュラーラインナップのお酒でした。
それでは、飲んでいきましょう。
香りは穀物旨アルクラシック。昔ながらの日本酒という感じですね。
口当たり、淡麗するっと入ってきて、穀物旨味と乳酸渋苦アルがふくらみます。味わいも、いかにも昔飲んだ感じの日本酒。
少し温まると、味には少し甘味が、香りには良くない意味での日本酒臭さが出てきました。冷酒推奨。
これは単体で飲むお酒じゃありませんね。アテが欲しい。
というわけで、注文したのは、塩ウニとイカと大葉のお寿司。美味しい! 合わせると、お酒の旨味がふわっと出てきます。
もうひとつ頼んだのはアヒージョ。濃い塩味のついた油がガツンとあって、ホタテの旨味も加わり、お酒の旨味とかすかな甘味を引き出します。ちょっと味が濃いけど、モダンなお酒にもクラシックなお酒にも合わせやすそうです。
今回のお酒は、残念ながら僕の好みではありませんでした。でも、メニューを見ると、魅力的な銘柄がいっぱい。今回の桃川さんと同じ、いちばん安い半合370円のラインにある紀土純米なんてめっちゃ美味しいし、ひとつ上の半合490円以上なら、どれも間違いのない銘柄です。メニューに味わいのチャート表が載っているのも、選びやすくて良いですね。日本酒は全部で13種類ありましたが、今回の杉玉と、白鶴さんの杜氏鑑以外は全て飲んだことのあるお酒でした。まあチェーン店だから、常に手に入るメジャーなお酒を選ぶ必要があるんでしょうね。
杉玉さんをジブリで例えると「おもひでぽろぽろ」のタエ子の父。昭和クラシックなお父さんです。
好き度:★★★
ここでも、ぐずるタエ子の話を何も言わず父がしっかり聞いていることがわかるカットが挟まれている。
— 齋藤 雄志 (@Yuusisaitou) 2022年6月12日
娘に甘いのだから出来る事なら贅沢をさせてやりたいだろうけどそうは出来ない事情が自分の肩にかかっている悲哀。
娘達はそれを分かっていないという残酷さ。 pic.twitter.com/Rh8eqBrVnU
【DATA】
蔵元:桃川株式会社(青森県上北郡おいらせ町)
造り:純米
精米歩合:65%
アルコール度数:14~15% ・・・ 低め
日本酒度:+1 ・・・ 普通
酸度:1.4 ・・・ 普通
製造年月:2024年8月
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