こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

わかむすめ > 月島雫(耳をすませば)[ジブリ酒]

【わかむすめ 花橘はなたちばな 純米吟醸 うすにごり 無濾過生原酒】

爽やかな 柑橘甘旨 やわらかく

わかむすめ

わかむすめ
わかむすめ
わかむすめ

今期最初のわかむすめさん。僕の超推し銘柄です。しょっちゅう飲んでますが、花橘は2年ぶりですね。

花橘
さて、この花橘も、わかむすめさんの他のお酒と同様に、平安装束のかさねの色目です。橘というのはミカン科ミカン属の常緑小高木で、この色目は、葉が新緑から濃い緑に変わり、白い花が咲いて、オレンジ色の実を付けるという色の変化を表しているんだとか。雅ですねえ。この色は、平安末期に源雅亮みなもとのまさすけが著した有職故実書「満佐須計装束抄まさすけしょうぞくしょう」によると「山吹濃き薄き二。白き一。青き濃き薄き。白単。青単」という組み合わせ。いつもは狩衣かりぎぬに用いられる表裏2色の組み合わせでカラーチップを作っていますが、今回は十二単で用いられる格式の高い五衣いつつぎぬの色目で作りました。
ただ、この青というのが厄介なんです。

そもそも古代の日本には、色を表す言葉は4つしかありませんでした。それが、「アカ(明)シ」「クロ(暗)シ」「シロ(顕)シ」「アオ(漠・淡)シ」。それが転じて、赤・黒・白・青になります。青というのは元々、赤でも黒でも白でもないという、非常に広い範囲の色を表す言葉だったんです。
ちなみにこの4色だけが、赤さ・黒さ・白さ・青さのように、後ろに「さ」を付けることができます。他の色ではできませんよね。また、他の色は「〇〇いろ」と、後ろに訓読みの「いろ」を付けることができます。それは、何か具体的なものの色を表しているからです。でも、赤黒白の場合は、赤色せきしょく黒色こくしょく白色はくしょくのように音読みになります。まあ、これには「青色申告」みたいな例外もありますが。

平安時代になると、色を表す言葉もとても多くなります。でも、緑という言葉が現れるのは平安末期。それまでの緑は、青に含まれていました。その名残は、実際には緑なのに青と呼ぶ言葉が多いことにも残っています。青竹・青虫・青葉・青リンゴ・青汁など。また、新緑のような若さを表す言葉にも青って使いますね。青二才とか青春とか。

ということで、花橘の色も緑です。最初に言ったように橘の葉の色。今回は「伝統色のいろは」というサイトの「平安の色」というカテゴリを参考に、山吹は#F8B400、緑は千歳緑ちとせみどりの#335719に設定。薄い色は、実際の十二単の写真を参考に調整しました。

なお、この橘という植物、実はみなさんの身近で見ることもできます。お手元に500円玉があれば見てみてください。500という数字の両脇にあるのが橘です。


さて、前置きが長くなってしまいましたが、今期最初のわかむすめさんをいただきます。

上立ち香、おだやかやわらか にごりの苦さと柑橘乳酸。やさしくて、それでいて爽やか。

口当たり、ほのかな甘味がやわらかく。そこからピリッと微炭酸。味わい全体ふわっと広がるけれど、やさしくやわらか爽やかです。にごりの苦味も気持ち良い。
はああああ、美味しい!!


アテは、ローストビーフとポテサラ。肉の旨味とポテサラのマヨ味で、お酒の甘ほの苦がさらに魅力的になります。でもやっぱり最強はいつものレモン。レモンをかじってからお酒を飲むと甘味がほわああああ。

なんとなく、これまでのわかむすめさんよりも1段階やわらかく感じます。なのに、爽やかでかわいらしいところは失ってない。やっぱり大好き。今期もたくさん飲めますように。

ジブリで例えると「耳をすませば」の主人公・雫。甘くてかわいらしい。抱える苦味もフレッシュです。

好き度:★★★★☆

わかむすめ

わかむすめ

【DATA】
蔵元:新谷酒造(山口県山口市)
造り:純米吟醸 無濾過生原酒 うすにごり
原料米:雄町50%、山田錦50%
精米歩合:60%
アルコール度数:15.5% ・・・ 普通
製造年月:2024年10月


関連記事:

 

←投票リンク踏んでいただけると、とても嬉しいです。

ブログランキング・にほんブログ村へ