【ヤマノコトブキ グッドタイムズ ウインターセレクション】
甘そうで 爽やかドライな にごり酒
お久しぶりのヤマコトさん。福岡県久留米市・山の壽酒造さんのお酒です。前回は、去年の酒(しゅ)学旅行で広島・福岡・山口を巡った際に、兄ルーさんにお土産でいただいた2本でした。
山の壽さんは、お蔵さんのストーリーが面白いから、再掲します。
山の壽酒造の社長は片山郁代さん。蔵元の第二子として生まれたけど、蔵を継ぐ気は全くなかったそうです。
小さい頃から「お嫁にいきなさい」と育てられ、大学卒業後はブライダル業界に就職。その後、酒蔵が経営不振で廃業の危機になってしまい、「私が継ぐ」と2006年に実家に戻ります。
でも、家族は反対するし、当然酒造りのことは知らないし、スタッフにも受け入れられないし、杜氏には「現場には入ってほしくない」と言われる始末。
郁代さんはそれでもめげず、酒販店を100軒回る営業に奔走します。そして、その中で紹介された方とともに、日本酒ベースのリキュールを開発。それが「フルフルーティ ダブルマンゴー梅酒」という商品で、これが大ヒット。なんと楽天の梅酒ランキングで1位になって注文がどんどん入ります。
その後、杜氏の退職を機に、それまで杜氏の指示通りに動くだけだった蔵人が自律的に考える酒造りに体制転換します。2017年には37歳で社長に就任。そして2019年には全国新酒鑑評会で金賞を受賞。
おおお!!めちゃくちゃ熱い展開!!
現在は、2人の息子を育てつつ、蔵人として酒造りもしながら、社長をされています。カッコいい!!
この経緯は、いろんな記事になっていて、どれを読んでも面白いです。「片山郁代」で検索したらいっぱい出てきます。僕が読んだ中でいちばん面白かったのが「事業継承ラボ」というサイトの記事。酒蔵に戻るまでや、その後の苦労もたっぷり語られていて、読んでてワクワクします。超おすすめ!
さて、今回のお酒は、カタカナ表記のヤマノコトブキさん。冬酒ですね。イラストはナカイタマキさん。京都出身のイラストレーターで、「今ある環境が変わらんでも、考え方で生まれかわる」をテーマに「コトバと女の子」の作品を作られています。インスタを見てみたら、どれもとても素敵。夏酒のサマーセレクションもあるようで気になります。
それでは飲んでいきましょう。
上立ち香、米旨ほわわん、かすかにライム。
口に含むと乳酸と、ピリシュワ炭酸爽やかに。酸がぽわっとふくらんで、それを米旨追いかける。甘味は控えめドライなお酒。甘えてはこないんだけど、どこかかわいい。
後味も残さずスパッと切れます。
このイラストの女の子のよう。こたつでまったりする姿を見せるくらいだから
付き合ってそうなんだけど、甘そうに見えてベタベタせず、さっぱりかわいい。少し猫っぽさもあるかわいさですね。
アテは、なんにでも合いそうな良い子。でも今日のところはやっぱりライムがめっちゃ合います。
ジブリで例えると「魔女の宅急便」のジジ。主人公キキの相棒の黒猫です。キキに寄り添うけどベタベタしてない独立した猫です。
好き度:★★★★☆
「魔女の宅急便」のジジに似てる猫pic.twitter.com/iIyrqqOglh
— シカゴっち@かわいい動物たち (@MatsumotoH873) 2024年8月21日
【DATA】
蔵元:山の壽酒造株式会社(福岡県久留米市)
造り:にごり酒
精米歩合:55%
アルコール度数:14% ・・・ 低め
製造年月:2024年11月
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