【あらあらざけ 黒麹 2024】
芋くさい クセがたっぷり 芋原酒
今日は焼酎回。鹿児島県霧島市・佐藤酒造さんの あらあらざけ です。佐藤酒造さんと言えば、佐藤という焼酎の酒造さん。芋の方が有名だと思うんですが、僕は飲んだことがありません。でも、麦焼酎の方はめちゃくちゃ美味しかった。去年やった「短期集中企画! 香りぷんぷん麦焼酎飲み比べ」という企画で、香りの高い麦焼酎を9種類飲み比べたんですが、その中でもかなり上位の美味しさでした。
ただ、今回のお酒はちょっとわけが違います。なんせ原酒。加水してなくて、アルコール度数は38度もあります。
実は芋焼酎のできたて原酒は、アルコールが37〜40度くらいあります。普通は、それに加水して度数を下げてるんですね。
加水後の度数は、多くが20度か25度のどちらか。この度数にも理由があって、以前の酒税法では、26度未満は税率が一律だったんです。それ以上になると税率が上がるから、みんなギリギリの25度に合わせていました。その後、2003年に酒税法が改正され、20度まで一律に変更。そんなわけで、ほとんどの焼酎は一定税率ギリギリの20度か、それ以前の味を変えない25度になってるんです。
ちなみに焼酎の原酒では、前に「龍宮」という8年熟成の黒糖焼酎を飲んだことがあります。強いアルコール感の裏に、樽感と草っぽさと、なぜかほんのり塩味も感じる面白いお酒でした。今回も楽しみ。それでは、いただきます。
香りからしてなんだこれ? 芋っぽさ全開のクセウマと、原酒のくっきりアルコール。においの強い芋焼酎もそれなりに飲んできたけど、ここまでのクセははじめてです。さすが原酒。
口当たり、とろんとなめらか、くっきりアルコール。それに乗って芋くささが口いっぱいにぼわん。
わずかなに甘旨があるような気もするけど、気配だけかも。酸は最初に少しだけ。その酸は、芋の含み香に気を取られてるうちに消えます。でも最後にまたぽわっと出てきて、強いアルコールがカツーン。芋のクセもたっぷりです。美味しい!
最初は加水しようと思ったんです。ウイスキーも同じなんですが、ほんの少しの水を足すと、逆に香りが立つことがあるんです。でも、この強さは、加水がもったいない生きている実感。結局ストレートで全部いただきました。
アテは、大根の天ぷら。出汁がしみしみ大根に、衣をつけて揚げたやつです。カリカリの香ばしい衣を歯が破ると、大根の香りと出汁の旨味がじゅわっ!!激ウマ!!!
マスターの料理はどれも美味しいんだけど、その中でも飛び抜けてる。そしてこの激ウマ大根とお酒が驚くほど合わない(笑)。と言うより全く調和しない。
でもその分、お酒の個性が際立って、これはこれで良いペアリングかもしれません。
ジブリで例えると「もののけ姫」の乙事主(オッコトヌシ)様。力のある猪神だけどクセがすごい。乙事主様、昔は犬神のモロと良い仲だったんだそう。猪と狼のカップルって意味が分かりませんが、モロを演じる美輪明宏さんの声に女を匂わせるために宮崎駿監督自身が話した内容だから、公式裏設定です。
好き度:★★★★
『もののけ姫』の裏設定。
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) 2015年11月28日
山犬のモロと乙事主は、かつて良い仲になったことがある。しかし、100年前に別れている。https://t.co/QjhzdfjVVC pic.twitter.com/l8PZXtZZLV
【DATA】
蔵元:佐藤酒造有限会社(鹿児島県霧島市)
造り:本格焼酎(芋) 黒麹 原酒
アルコール度数:38% ・・・ 高い!
製造年月:2024年10月
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