【不動 純米超辛 生 RED】
超辛口 だけどきれいで 飲みやすい





お久しぶりの不動さん。千葉県成田市・
日本酒蔵なのに鍋店ってちょっと面白い屋号ですね。この名前は、江戸時代の、金貨を作る金座、銀貨を作る銀座などと同じ「鍋座」に由来するそうです。蔵元のご先祖様が幕府から鉄類の製造権利を与えられていて、鍋のお
座というのは、中世の商工業者や芸能者が作っていた同業者組合のこと。ギルドみたいなもんですね。座には原材料や流通の一括管理などのメリットがあったんですが、反面、独占による価格吊り上げや新規参入を阻害するなどのデメリットもありました。そのため、織田信長は座の特権を認めない経済政策・楽市楽座を行い、豊臣秀吉もそれを継承したので、中世の座は解体されました。
ただ、全ての座がなくなったわけではなく、芸事の世界では芸能プロダクションとしての座が残ります。これが、歌舞伎の江戸三座(中村座・市村座・森田座)などであり、現在の劇場や映画館の〇〇座という名前につながります。
そしてそれとは別に、幕府が管理する重要な経済資源については、幕府が管理する座が作られます。金貨の鋳造や鑑定を行ったのが金座。同じく銀貨鋳造の銀座や、銅座、銭座もありました。東京の地名・銀座の由来ですね。さらに、鉄も武器製造につながる重要資源なので、その製造権利は幕府が管理して地方の資産家に権利を与えていました。それが「鍋座」です。
というわけで鍋店さんも元は鉄製品を作っていたんですが、元禄2年(1689年)に酒造りに参入します。町人文化が花開いた元禄文化の時代で、暴れん坊将軍・徳川綱吉の治世。この年に、松尾芭蕉が奥の細道の旅に出発し、京都では聖護院で八ツ橋が発売されます。個人的には、小説「天地明察」で描かれた、囲碁棋士で天文暦学者の渋川春海が江戸で天文台を設置したというのも熱いですね。
一方、銘柄名・不動の由来は、成田山新勝寺の本尊である不動明王。お正月の三が日だけで毎年約300万人もの参拝客が集まる、超人気スポットですね。鍋店さんの本店は、その参道にあるんです。それも、総門から50mほどの、ほぼお隣さん。Googleマップのストリートビューで見たら、石畳の道の両側にお店が並ぶ、まさに参道という趣。これは観光ついでに行ってみたいですね。できれば混んでない時期に。
前回飲んだのは、ピンクのラベルのおりがらみ。お米の甘旨と含み香の鮮やかさがめっちゃ美味しかった!
そして今回は、超辛。派手な瓶ですねえ。超辛口ってあんまり得意じゃないんですが、不動さんなら飲んでみたい。というわけで、いただきます。
香りすっきりお米の旨さ。
口当たり、するっととろっと入ってきて、やさしい米旨酸苦ほわん。
生酒の超辛口だけど意外となめらかですね。後半は、米旨ゆる苦なめらか酸。その全体がふくらんで、旨アル含み香鼻からふわわ。後味は、きれいな酸苦じわっと残り、それがいつの間にか溶けている。
とても澄んでいて、きれいなお酒です。超辛口と言うだけあって、甘味は全くありません。なのにとっても飲みやすい。まあ、ビギナーさんにはちょっと勧めにくいですけどね。


辛口だからアテには合うだろうと思ってました。でも、これがなかなか難しかった。
太刀魚の唐揚げ にんじんあんかけに合わせると、苦味が出ちゃった。牡蠣キムチでは、酸が出ます。これはこれでありなんですが、僕はあんまり酸が得意じゃないんですよね。いつも鉄板のレモンをかじった後にお酒を飲むと、酒質がさらさらになりました。面白っ。でも甘味は全く引き出せません。
苦戦はしましたが、タコの頭のオリーブ醤油和えに合わせると、香りがふわあっと立ってお酒もアテも美味しくなりました。お刺身なんかも良さそうです。
正確にはジブリじゃないけど例えると「カリオストロの城」の斬鉄剣。五ェ門の愛刀です。 切れ味がめちゃくちゃ鋭いですが、美しいですね。ただ、五ェ門ほどのかわいげはありません。
好き度:★★★★
カリオストロの五右衛門の台詞といえば、
— えるぷ (@elp_17) 2020年11月20日
「またつまらぬものを斬ってしまった」
「今宵の斬鉄剣は一味違うぞ」
少ないながらもこの二つが唯一無二であり、至高だよなぁ
#ルパン三世カリオストロの城 pic.twitter.com/ArNDgMs84M


【DATA】
蔵元:鍋店株式会社(千葉県成田市)
造り:純米 生酒
原料米:秋田県産 美山錦
精米歩合:65%
アルコール度数:17% ・・・ 高め
日本酒度:+17 ・・・ 超辛口
酸度:2.0 ・・・ 高い
酵母:協会701号酵母
製造年月:2025年1月
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