【天心 令和七年巳二月三日】
まろやかで 豊かな甘味の 立春酒




はじめましてのお酒、天心さん。福岡県北九州市・
溝上酒造さんは弘化元年(1844年)創業。元々は大分県中津市にあったのですが、八幡製鐵所前に営業所があって、北九州で売れていたこともあり、清らかな湧水を求めて1931年に北九州に拠点を移すことになります。現在のお蔵さんがあるのは、新日本三大夜景のひとつ、皿倉山の麓。

(PhotoACより、皿倉山からの夜景)
新日本三大夜景とは、非営利団体「新日本三大夜景・夜景100選事務局」が2003年に発表したもので、選定の際に1位になったのがこの皿倉山の夜景でした。「皿倉山」で画像検索してみてもめちゃくちゃきれいです。
ちなみにあとのふたつは、奈良市の若草山と、ゆるキャン△でも有名な山梨市の笛吹川フルーツ公園。若草山ってマジ?今度行ってみようかな。
なお、一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローも2015年から「日本新三大夜景」を発表してますが、これは別もの。ややこしいですね。こちらは正式名称は「日本新三大夜景都市」で、都市ごとの集計。3年に一度更新しているのですが、こちらも現在のランキング1位は北九州市です。北九州市すごい!
ついでに、新じゃない元々の日本三大夜景は、函館山からの函館の夜景・摩耶山からの神戸の夜景・稲佐山からの長崎の夜景。でもこれ、いつ誰が決めたのかがわかっていません。函館は世界三大夜景にも入ってますが、こちらも同じくいつ誰が決めたのか不明。
ともかく、そんな皿倉山の麓にある酒蔵のメイン銘柄が、天心さん。今回のお酒は、兄ルーさんに送っていただいたお酒です。立春朝搾り、、、と聞いてた気がするんですが、ラベルは違うし、そんなこと書いてませんね。でも、ラベルに「立春に搾った」っとありますし、立春の日である「令和七年巳二月三日」も書いてます。
お蔵さんのインスタを見ると、「立春の朝に搾り、ご祈祷していただく、大変貴重なお酒です。」と書いてるので、やってることは立春朝搾りと同じですね。なお、ラベルの裏側にも「高見神社」の印がありました。

調べてみたら、公式サイトに一昨年2023年の1月23日付けで「ラベル変更のお知らせ」として「このたび大変急ではございますが諸事情により誠に勝手ながら商品(天心立春)の名称とラベル変更をさせていただきます。」という告知が出ていました。あっ、察し。インスタを遡って見てみると、変更前は大きく「天心立春」と書かれていました。
溝上酒造さん、立春朝搾りを企画している日本名門酒会には加盟してないんですよね。「立春朝搾り」とは名乗ってなくても、これは怒られてもしかたない。ふたつ前の春鹿さんでも解説しましたが、立春朝搾りは日本名門酒会が、時間とお金と手間をかけて統一デザインでブランディングしてきた企画ですからね。ちゃんと商標も取られています。企画にただ乗りされたらたまりませんし、ブランド価値の毀損にもつながります。参考までに、日本名門酒会の立春朝搾りの取り組みについては、日本酒メディア・SAKETIMESさんに記事がありました。
ちなみに法的には、天心さんは「立春朝搾り」と書いてたわけではないので、商標権侵害では訴えることは難しいと思います。天心さんもそういう判断だったんでしょう。ただ、不当競争防止法を使うならいける可能性があります。しかも、裁判になるだけで天心さんの客離れにもつながるかもしれません。2023年のときは時期的にラベルの印刷も既に終わってたっぽいですが、変更は真っ当な判断でしょうね。そして、今年も発売されているということは、この問題はもう解決しているのでしょう。
とまあ、いろいろあったようですが、気にせず飲んでいきましょう。
香りやわらかフルーティー。バナナと桃とマスカット。それにほんのりミネラル苦。ちょっと面白い組み合わせですね。めちゃくちゃ美味しそう。
口当たり、まろやかフルーティーな甘苦酸と、ピリピリ刺激の微炭酸。まろやかさと刺激が同居してるのが面白いです。そこから甘苦ぽわんと開き、魅力的な上立ち香がとのまま含み香になって、豊かにぽわあああ。うんまい!!
甘味はバナナと米シロップ。酸は乳酸・青バナナ。後味に、一瞬甘味がほわっと残り、じんわり苦渋気持ち良く。

初日は単体で飲んだけど、この感じはアテとも合わせたいですね。旨塩系が合いそう。
というわけで作ったのは「やみつき塩豚レタスのとろうま焼うどん」。うちの定番焼うどんです。お肉ぷりぷりレタスシャキシャキで、うどんもちもち。やさしい甘味と出汁塩味でウマウマ。お酒を合わせると、甘味も旨味もほわっとふくらみ、同時に奥深くなります。これは大当たり! お酒に苦味があるので、油もののアテと合わせるのも良いですね。アヒージョとか合わせたい。
ジブリで例えると「コクリコ坂から」の松崎良子さん。主人公・海ちゃんのお母さんです。しっかりした大人の女性で、めっちゃ美人さん。駆け落ちまでした旦那さんを亡くした悲しみはありますが、いまはもうだいぶ癒えています。落ち着いているのに、大人の色っぽさがにじみ出てる!
好き度:★★★★☆

【DATA】
蔵元:溝上酒造株式会社(福岡県北九州市)
造り:純米吟醸 無濾過生原酒
精米歩合:60%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
製造年月:2025年2月
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