【初孫 出羽燦々45 生酛純米大吟醸 ふなまえ直詰生】
華やかで 鮮やかきれいな モダン酒



しばらくぶりの初孫さん。山形県酒田市・東北銘醸さんのお酒です。酒田市は、日本で唯一「酒」の字が入る市なんだとか。
東北銘醸さんは、明治26年(1893年)に回船問屋を営んでいた初代佐藤久吉さんが創業。当初は屋号の「金谷久吉商店」から採った「金久」(きんきゅう)という銘柄を造っていました。その後、昭和のはじめに、初代佐藤久吉さんの息子・二代目佐藤久吉さんに長男が生まれます。それが初代の初孫だったことを記念して、銘柄を「初孫」としたと、公式サイトには載っています。よっぽど嬉しかったんでしょうね。ちなみにこの初孫・佐藤久一さんは後に、映画評論家の淀川長治さんが「世界一」と絶賛した映画館「グリーン・ハウス」の支配人にもなっており、その生涯が「世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか」という本で描かれています。Wikipediaにも記事がありますね。
と、ここまでならただの良い話なんですが、ちょっと調べてみたら「それは違うのでは?」という説も出てきました。
「あなたの知らない過去の酒田」というサイトでは、2019年4月30日の記事で「初孫の由来」について取り上げています。このサイトによると、佐藤久一さんが生まれる7年前・大正12年(1923年)の酒田新聞に、金谷久吉商店さんが「初孫」の銘の入った広告を出しているのを見つけたそう。記事にはこの広告の画像も掲載されています。二代目佐藤久吉さんは1905年生まれで、1923年は18歳ころ。酒田商業学校を卒業した年で、『「初孫」という商品名は佐藤久一の出生との関連は時代的にありえない』と述べられています。
いや、別に僕は何が真実でも構わないんです。正確な記録が残っていないことなんて普通にありますしね。でも、わざわざ大正時代の新聞を探してくるというこの姿勢がめちゃくちゃ面白かった。
なんにしても、「初孫」ってなんかクラシックな感じのする銘柄名ですよね。東北銘醸さんの公式サイトにはCM映像も載ってるんですが、映像自体はそんなに古くはなさそうなのに、昭和の香りのするクラシックなテイストでした。しかも全量生酛にこだわっているという酒造り。
でも、前に飲んだ2本の初孫さんは、どちらもめっちゃモダンなお酒だったんですよね。そしてめちゃくちゃ美味しかった。今回はどうなのか、楽しみです。
それでは飲んでいきましょう。
上立ち香、ぽわっとメロンが華やかに。
口当たり、やわらかいけど華やかな、甘ほの酸の美人さん。それがぽわっと鮮やかに、大きくなりつつ苦旨じわり。最後は華やか苦アルコール。
含み香ぽわんとアル甘飛んで、後味ほんのり甘苦じわわ。
これは派手で美しい。めちゃくちゃ美味しいです。そしてやっぱりモダンでした。

アテは、だしまかず。こちらのお店の定番ですね。スキレットで焼いた、巻かない出汁巻き。だから、だしまかず。玉子と出汁のやさしい旨味が、お酒の甘味を引き立てます。
ジブリで例えると「紅の豚」のジリオラさん。フィオのお姉さんです。華やかな超絶美人さん。でも、フィオが出発するシーンで、はしゃいで手を振って見送ってるのがかわいい。絵コンテには「フィオの5年後」と書かれています。
好き度:★★★★☆

【DATA】
蔵元:東北銘醸株式会社(山形県酒田市)
造り:純米大吟醸 生酛 直詰 生酒
原料米:山形県産 出羽燦々
精米歩合:45%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
製造年月:2025年1月
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