【奥の松 大吟醸雫酒 十八代伊兵衛】
美しく やわらか豊かな 甘ふわり




唎酒師が100本から選んでくれる日本酒テーマパーク・Yodobloom SAKE。この日の5杯目は、またまた奥の松さん。前回の Yodobloom SAKE でも奥の松さんの純米大吟醸をいただきました。
Yodobloom SAKEについては、こないだ特集記事も書いたので、気になる方はそちらをご覧ください。
奥の松さんと言えば、めちゃくちゃ美味しくて、受賞歴もかなりたくさんあるのに、リーズナブルな価格という凄い酒蔵。前に飲んだ「あだたら吟醸」なんて、国際的なお酒の鑑評会・IWC(インターナショナルワインチャレンジ)2018で、チャンピオン・サケ、つまり世界一に選ばれたお酒なのに、お手頃価格でスーパーにも売ってるんです。
でも、今回のお酒は佇まいから違います。見るからに凄そう。スペックは、アル添大吟醸の原酒で、雫酒。雫酒とは、雫取り・袋しぼり・吊るししぼり・斗瓶取りなどとも言う、お酒を搾る方法。とても手間がかかる方法ですが、圧力をかけずにしたたり落ちる雫だけを集めるため、雑味のないきれいな酒質になります。まあ、通常は本気のお酒にしか使わない方法ですね。公式サイトの受賞一覧には「全国新酒鑑評会 金賞」と書いてあるから、おそらく鑑評会出品酒でしょう。
伊兵衛というのは、よくある創業者の名前、、、じゃなかった! 二代目の方の名前だそうです。初代のお名前は、金之丞さん。奥の松さんは伝統的に、初代と二代目の名前を交互に襲名していたんだそうです。ってことは、もちろん金之丞というお酒もあって、そちらはさらにお高い純米大吟醸雫酒。いつかは飲んでみたいですね。でもまずは、今回の伊兵衛さん。
奥の松酒造さんの創業年は、享保元年(1716年)となっています。ただ、創業家・遊佐家の歴史をさらに100年ほど遡ると、江戸時代初期に二本松で菜種油を扱っていた商人・初代 遊佐金之丞さんに行きつきます。享保元年から酒造りも手掛けるようになったということのようですね。
その初代金之丞さんの定めた掟が「遊佐家の跡取りは、金之丞を実子、伊兵衛を養子として、この入替えを代々繰り返すこと」。これは珍しい。優秀な人材を婿に取ることで、無能なボンボンが家を潰すことを避けたんですね。なんで違う名前を襲名してるのかと疑問だったんですが、思った以上に深い理由がありました。
ただ、この襲名制は、現社長・19代目の遊佐丈治さんの父・遊佐栄一さんの代で終わっています。だから、十八代伊兵衛というのは実際に名乗っていたわけではないんですね。でも栄一さんが無能なボンボンかというと全く逆。探究心旺盛で様々な改革を実施する優秀な経営者だったそうです。
で、その伊兵衛さんの名を冠したお酒に戻ります。
このラベルの文字は、型に捉われない自由な生け花が特徴の華道・草月流の第三代家元にして映画監督、陶芸・舞台美術・オペラなど様々な分野も活躍した勅使河原宏さんによるもの。地酒蔵元会さんの「蔵元紀行 お宝紹介」というサイトによると、勅使河原宏さんは遊佐勇人専務が敬愛する人物で、揮毫を依頼したんだそう。情報量多すぎるんよ。(実はこの文章、さらに大きな情報が隠されています)
それではようやく、飲んでいきましょう。
香りやわらか米シロップ。はああああ、もう間違いない。ふくよかできれいで艶やか。なのにやさしいです。
口に含むと美しく、やわらか豊かな甘味がふわり。その後に全体ほわっとふくらみ、最後は甘味がふんわり引いて、バランスが良くまとまります。
うんまあああああ。
含み香も、やさしい米甘アルほわん。
黒糖&和三盆の上品でやさしい甘味が、まさに甘美。アルコールは17度の高アルなのに、全くアルコール臭くはありません。でもアルコール感は気持ちよくふわり。
きれいでやさしくて豊か。なのに色っぽい。雫酒の良さをめいっぱい感じます。
含み香、ほわわん米甘アル。後味に、適度な渋味はあるけど雑味は全くありません。そしてその渋味のおかげで食事にもめっちゃ合いそう。
付いてくれた唎酒師さんによると、この日、女性3人組がこれ飲んで、3人とも買って帰ったそうです。いやいや、これけっこうお高いですよ。でもその気持ちはめっちゃわかります。僕は正直なところ、鑑評会系のお酒って、凄いとは思うけどそれほど好みというわけではないんです。でもこの子は別格。美味しすぎる!!
ジブリで例えると「コクリコ坂から」の松崎良子さん。主人公・海ちゃんのお母さんです。やさしくて落ち着いた大人の女性で、めっちゃ美人さん。そして、あの時代に女性で留学するくらい超優秀!
好き度:★★★★★
海の母親は、松崎良子といいます。年齢は38歳。大学時代に海を身ごもり、澤村雄一郎と駆け落ちした行動力のある女性。英米文学の大学助教授で、夫の死後は実家に戻り、アメリカに単身留学しています。
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) 2023年7月14日
声優は、風吹ジュンが担当しています。ジブリ作品には、『ゲド戦記』以来の参加です。 pic.twitter.com/4JRVBEz8Tq


【DATA】
製造者:東日本酒造協同組合(福島県二本松市)
加工者:奥の松酒造株式会社(福島県二本松市)
造り:大吟醸 原酒 雫取り
原料米:兵庫県産山田錦
精米歩合:40%
アルコール度数:17% ・・・ 高い
日本酒度:+3 ・・・ ちょい辛
酸度:1.3 ・・・ 普通
アミノ酸度:0.8 ・・・ 低い!
製造年月:2025年4月
奥の松さんは、製造者と加工者が別会社になっています。これは、昭和49年(1974年)からのこと。当時の日本は大量生産大量消費の時代。国の中小企業近代化政策で、中小企業では共同製造による生産・販売の集約が進んでいました。その中で、奥の松酒造さんも近所の酒蔵数社と共同組合を設立。それが「東日本酒造協業組合」です。ちなみに東日本酒造協業組合さんがあるのは、奥の松酒造さんから道のり10km、車で15分ほどの山間部。しかしその後、奥の松酒造さん以外は酒造りを休止。奥の松酒造だけが残って、奥の松ブランドの酒造りを続けられています。つまり、別会社ではあるけど、造っているのは奥の松さんということです。
奥の松酒造さんの歴史については、地酒専門サイト・地酒蔵元会さんの「蔵元紀行」の記事を参考にさせていただきました。記事ではさらに正平元年(1346年)まで歴史を遡っています。めちゃくちゃ面白い記事でした!! こちらもぜひ読んでみてください。
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