【吉野杉の樽酒 】
杉樽感 やさしく甘く しっかり辛く



はじめましてのお酒、吉野杉の樽酒さん。奈良県北葛城郡広陵町・長龍酒造さんのお酒です。奈良ではけっこうよく見かけるお酒なんだけど、飲んだことなかったんですよね。
長龍酒造さんは、奈良広陵町だけじゃなく大阪府八尾市にも酒蔵を持ち、日本酒だけじゃなくクラフトビールも造られているお蔵さん。広陵町には長龍ブリューパークという施設を2022年に作り、休日にはそこでお酒やビールを飲んだり食事をしたり芝生広場で遊んだりできます。春には高田川の桜並木を一望しながらお花見もできるそう。めっちゃ良さげ!
長龍酒造さん、元々は大正12年(1923年)、現在の大阪府八尾市に酒販店・飯田商店として創業されました。創業者は、飯田弟一さん。生家の飯田酒造場から独立しての開業でした。飯田酒造場というと千葉にもありますがそちらではなく、奈良県天理市にあって、飯田本店に改名後2015年に廃業されたお蔵さんです。
飯田商店さんは戦時中、お酒の販売が制限されたことから経営を多角化。現在では飯田グループとして、長龍酒造や綾菊酒造、酒販店、物流、食品製造、原料米販売、精米機械の販売、自在派遣業、飲食業、コンビニ経営までされています。これだけ見ると節操がないようにも見えますが、軸足はお酒です。
飯田グループについては、長龍酒造さんの公式サイトを見てもあんまり書いてないんです。でも、日本酒メディア・SAKE Streetさんの「酒米、製造、海外展開。日本酒業界で唯一無二の多角的経営に挑む飯田グループの哲学とは」という記事に詳しく解説されています。めっちゃ面白い記事ですし、飯田グループ・長龍酒造さんのことが好きになりました。
そんな長龍酒造さんは、1963年に設立。翌1964年には日本初の瓶詰め樽酒として今回の吉野杉の樽酒が誕生しました。まあ、スーパーやコンビニでもよく見かけるお酒。今回いただいたお店も、特に日本酒に力をいれている感じではない普通の居酒屋さんです。さて、どんなお酒なんでしょうか。
それでは、いただきます。
温度はちゃんと雪冷えで。
香りはほんのり杉樽の、芳しい木の香り。フレッシュさもありつつ懐かしさも奥深さもあります。良い香り。ちゃんと杉を感じるけれど、食事やお酒自体の邪魔はしない、ほど良い香りです。美味しそう。
口当たり、するっとやわらかシロップ甘。やさしい甘味はすぐに消え、旨味苦味がじんわりと、ふくよかふわっと広がります。そして爽やかしっかりな、アルコール感でズバっと切る。
前半は甘さもあって飲みやすく、後半に切れ味鋭いアル辛です。一気に切ってきた。これは辛口。その辛口感が、食事にめっちゃ合わせやすそう。
いや、正直そこまで期待してなかったんですが、めっちゃ美味しい!!
アル添っぽいアルコール感が強いけど、それも魅力になってます。単体でもちゃんと美味しいし、食中酒としても優秀です。


実際、注文したアテ、出汁巻きを筆頭に、焼き鳥にもチキン南蛮にも焼きおにぎりにも、和洋問わず幅広く合いました。
ジブリで例えると「もののけ姫」のエボシ御前。やさしさと苛烈さの両面を持っている優秀な経営者・戦略家・カリスマリーダーです。
好き度:★★★★☆
エボシ御前 pic.twitter.com/kOvxu3g3rJ
— 夢子 (@yumeyana_g) 2025年8月29日


【DATA】
蔵元:長龍酒造株式会社(奈良県北葛城郡広陵町)
造り:樽酒
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月:2025年7月
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