【二狼 2025】
甘辛口 何兎を得るのか 意味不明







一応はじめましてのお酒、二狼さん。まあ、見るからに愛知県岡崎市・丸石醸造さんの二兎の派生商品ですね。
似てるお酒に、
二狼は、「兎の皮をかぶった狼が兎のふりをしてお酒を造る」というコンセプトで、毎年違うスタイルのお酒を、通常の二兎とは違う設計で造るという秋の限定品です。
二狼2025のテーマは「秘密」。お米、精米歩合、酵母、数値など全てが非公開です。
秘密なら、飲む前に考えてもしかたありませんね。さっそく飲んでいきましょう。
開栓は、プシュとも言わずおだやかに。ん? おとなしい子なのかな?
上立ち香、爽やか鮮やかフルーツミント。桃とミントと青リンゴ。すぅっと入ってめっちゃ良い香り。なのに甘さは控えめっぽいのが不思議です。この爽やかさはアルコールの効果も大きいんだけど、それも魅力的。
口当たり、なめらかぽわんと酸甘味。バナナとライチと赤リンゴ。なめらかなのに酸も立ってて、輪郭がしっかりしています。その酸甘がふくらんだかと思ったら、固い苦味が現れて、甘味はすっといなくなり、一気にズバッと辛口感。苦アルコールの辛さでぶった斬ります。
甘口かと思ったらめっちゃ辛口。でもフルーティーさはそのままで、上立ち香と同じフルーツミントの含み香が鼻からすぅぅっと抜けていき、後味は、しっかり苦味とアルコール、かすかに残る甘さの残滓。
面白っ!!!
もちろん美味しいんだけど、ダイナミックな味の変化がめっちゃ面白いです。

どんなお酒かが秘密だったから、アテに何を用意したら良いのかわかりませんでした。だから、用意したのは、秋刀魚のお造りと、鶏レバーのワイン煮。和食と洋食、魚と肉の両方を用意しました。まあ、どっちかは合うでしょ。
秋刀魚を合わせると、青魚の生臭さをお酒の酸苦アルで切りつつ、お米の甘旨がふわああっ。おおお!めっちゃ合う!!
鶏レバーは甘辛い味付けで、お酒の甘味を消して、お酒の苦アルが際立ちます。なのに、なぜかその苦アルがめちゃくちゃ気持ちいい!!
もはや意味不明なんだけど、全然方向性の違うアテが両方めちゃくちゃマリアージュ!
なんで!?!?

開栓から5日目、味わいはあんまり変わっていませんね。
合わせて作ったアテは「なぜか美味しいチーズなめろう」。生魚とチーズという、一見全く接点のなさそうな食材だけど、これがなぜか合うんです。たぶん、チーズとも魚とも相性が良い味噌が仲立ちをしてるんじゃないかな。ただでさえ美味しいなめろうにチーズのコク塩が加わって、めっちゃ美味しい料理です。そしてそのアテの旨塩が、お酒をさらに華やかにしてくれる。苦渋はなくなって、甘酸がふわああ!
この1年の中でもかなり上位に入る素晴らしいマリアージュでした。
チーズなめろうのレシピはこちら↓
温度帯は、花冷え(10℃)でも常温(20℃)でも同じく美味しいです。雪冷え(5℃)でも良いんだけど、花冷えくらいの方が少しふっくらしますね。
せっかくだから燗にもしてみました。そしたら酒質がやわらかくなって、甘酸ふんわり美味しいです。ただ、アルコール感がちょっと刺さるので、やるなら飛び切り燗でアルコールを飛ばしてからの燗冷ましがおすすめです。
二兎と言えば、「二兎追うものしか二兎を得ず」をコンセプトに、「味と香」、「酸と旨」、「重と軽」、「甘と辛」、「入りと後味」、「複雑と綺麗」…など、一見すると二律背反する二つのコトガラが最高のバランス・味わいになるように造るというお酒です。
この二狼さんはまさに甘口と辛口の二兎を得てる。さらに、単体でも美味しいし食中酒としても優秀。和食にも洋食にも合う。
もはや、兎が何羽いるのかわかりません!
正直、アルコール感も苦味も強いし、得意なタイプじゃないんです。でも、お酒の力でわからせられちゃった。悔しいけど問答無用で美味しいです。ビクンビクン。
誰にでもおすすめできるお酒じゃありません。でも僕にはぶっ刺さりました!!
ジブリで例えると「もののけ姫」の主人公・アシタカ。ストイックなのにセクシーさもあるし、ひとりで生きる力があるのにモテモテだし、そもそもタタラ場に居てサンにも会いに行くって、そりゃ二兎を得すぎでしょ!! モロの息子たちの2頭の狼にも信頼されてるっぽい。
好き度:★★★★☆
赤ずきんは狼に食べられるんだよね。
— いくよし (@ikuyoshi) 2017年8月20日
アシタカは赤いずきん被っていて、サンは山犬だよね。てことは、アシタカはサンに食べられるのか。色んな意味で。 pic.twitter.com/PXXU2IXLFx


【DATA】
蔵元:丸石醸造株式会社(愛知県岡崎市)
アルコール度数:16% ・・・ 高め
製造年月:2025年9月
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