
本日2026年1月2日、「千と千尋の神隠し」が金曜ロードショーで放送されます。それを記念して、今回はこの映画を観ていて気付いた雑学特集です。
このシリーズ企画は去年からはじめていて、これまでに「君たちはどう生きるか」考察記事と、「紅の豚の細かすぎる雑学」「カリ城の細かすぎる雑学」「ポニョの細かすぎる雑学」「もののけ姫の細かすぎる雑学」を書きました。どれもなかなか面白い記事になっているので、よろしければそちらもどうぞ。
そんなわけで今回は千と千尋の神隠しの特集です。知らなくても楽しめるけど知ったらもっと楽しい千と千尋の神隠しの雑学をお届けします!
千と千尋の神隠しの映画公開は2001年。テレビ放送は4年ぶり11回目です。初回の2003年の放送時の視聴率は驚異の46.9%。ジブリ歴代1位です。もう視聴率でこれを超えることはないんじゃないかな。
そういうわけで、もうネタバレを気にせずいきますが、ネタバレを踏みたくない方は映画を見終わってから続きをご覧ください。
では、映画の時間軸に沿って、進めていきます。
■多摩ナンバーじゃなくて、、、

お父さんの車のナンバー、多摩ではなくて广(まだれ)の中にカタカナの「マ」が書いてある略字です。ただ、「魔」の略字も同じく广マなので、実はこのナンバーは「多魔」なのかもしれません。
多魔市と言えば「まちカドまぞく」で舞台になっています。
こんなに可愛い市民がいる多魔市、強すぎるだろ#まちカドまぞく pic.twitter.com/B6Z6AvwNm9
— Kashiwa (@applechildren_x) 2025年8月14日
実はこの「广マ」という字、国際的な文字コード規格・unicodeに登録が検討されていました。
こちらのサイトで、登録するかどうかの議論を垣間見ることができます。この議論の中では、この文字が実際に世の中で使われている証拠(Evidence)として #千と千尋の神隠し の画像も使われています。
他にも、
・多摩センターのイルミネーション看板
・アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』第11話のテロップ
等がエビデンスとして挙げられています。
ただ、2025年10月14日に「The UTC agrees to withdraw this character per #11547.」(UTC・Unicode技術委員会がこの文字の取り下げに同意する)とコメントしているので、「广マ」がunicodeに登録されることは当面はなさそうですね。
■お父さんの車は高級車


お父さんの車はアウディA4の4輪駆動モデル。
ちなみにA4の後継機A5の4駆モデルの価格を見ると、最も安いもので726万円でした。高級車ですね。
エンドクレジットにはしっかりアウディジャパンも載っています。
■

無精髭に長髪の喫煙者30代男性「あー、あの祠、捨てちゃったの?それじゃもうダメだね。」
よく分からん村の爺さんに「あの祠を壊したんか!もうダメじゃ!」って言われるよりも、
— 文町 (@machi_trpg) 2024年10月9日
無精髭に長髪の喫煙者30代男性から「あー、あの祠壊しちゃったの?それじゃもうダメだね。君、たぶん死ぬ」って言われる方が無理。
■両面の像



この像、前後に顔が2つあります。このような像は広島県三原市の両面地蔵などがあります。海外の例では、ローマ神話のヤヌスも有名ですね。両面宿儺も有名。両面宿儺も有名ですが、両面宿儺の像はなぜか2つの顔が同じ方向に向いています。日本書紀には反対側を向いていると書かれているんですけどね。
■最強に怖い階段

千と千尋の神隠しに登場する最強に怖い階段はこのシーンですが、現実世界にも「最強に怖い階段」があります。ちょうどこないだ、以下の記事で紹介したばかりです。写真の撮り方のせいですが、ほぼ垂直!
■大福帳の表紙から大企業へ

画面左側の「大福帳」は昔の和式帳簿です。現在は総合文具・オフィス機器メーカーとなったコクヨは、1905年の創業当初は、この大福帳の表紙だけを作る仕事から始まりました。
■豚足

豚は指が4本ある偶蹄目の動物だということがよくわかるシーン。牛や鹿は2本指でやっぱり偶蹄目。一方、馬は1本指・サイは3本指だから奇蹄目。ややこしいのはバクで、指は前肢4本・後肢3本。どっちやねん!?って思いますが、奇蹄目と偶蹄目の分類は後肢の指で判断するので、バクは奇蹄目です。
ちなみにもののけ姫に登場するヤックルは偶蹄目で、シシ神は奇蹄目。


■式神


この式神のシーンは、「君たちはどう生きるか」でもセルフパロディされていました。




このあたりの描写は、明らかに宮沢賢治「銀河鉄道の夜」のパロディです。つまり、向かう先は死の世界ということを暗示しています。
■饒速日命

「私の本当の名は、ニギハヤミコハクヌシだ」
この名の元ネタは、古事記・日本書紀に登場する神様・饒速日命(ニギハヤヒノミコト)。天孫降臨伝説のニニギノミコト(神武天皇の曽祖父)の兄とも言われる神様です。ニニギと同じく天照大神の孫で、ニニギの天孫降臨よりも先に河内国に降臨し、物部氏の祖先になったとも伝わっています。
めっちゃ大物やん!
ただこの神様、これだけ大物にもかかわらず古事記にも日本書紀にも記述は少なく、謎に包まれてるんですよね。記述があるのは、ニニギより先に大和に鎮座していて、神武天皇の東征に際してその軍門に下ったあたりこのとが書かれているくらい。
まあ、このあたりは古事記・日本書紀編纂当時の政治状況が絡んでいるんでしょうね。政治闘争に敗れた物部氏由来の神だから扱いたくはないけど無視はできないくらいには大物って感じでしょう。ちなみに、ニギハヤヒの墳墓は、奈良県生駒市にあります。墓があるんかい!しかもウチの近所やん!
■リアルな豚


この豚、無駄にリアルですね。さすがジブリ、ちゃんと養豚場にも取材されていて、エンドロールにはしっかり「屋久町養豚家の皆さん」とクレジットされています。なぜ屋久島!?
「千と千尋の神隠し」の前作「もののけ姫」の制作前には、宮崎駿監督とジブリスタッフが屋久島を訪れて取材しているので、その時の記憶と縁があったのかもしれません。
■両面像の意味



行く前と帰った後で、トンネルの様子も違いますが、両面あった石像の顔もなくなっています。ローマ神話のヤヌスの2つの顔は未来と過去を見ていますが、僕はこの像は、こちらの世界とあちらの世界を見ていたのだと解釈しています。あちらの世界に行けなくなったから像の顔も消えたということですね。
以上、いかがだったでしょうか。千と千尋の神隠しは民俗学的にもいくらでも掘れる箇所がありそうなんですが、そこは僕の知識が足りなくて今回は見送りました。でも調べててめちゃくちゃ楽しかったし、またやりたい!!
最後に宣伝です。
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ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。感想やコメント、違う意見などをいただけるととても嬉しいです。
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