こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

奈良萬 > ドーラ嬢(天空の城ラピュタ)[ジブリ酒]

奈良萬ならまん 純米生酒 おりがらみ】

力強い くっきり乳酸、米旨アル

奈良萬

奈良萬
奈良萬
奈良萬

お久しぶりの奈良萬さん。福島会津喜多方の夢心酒造さんのお酒です。

夢心酒造さんは、明治10年(1877年)に東海林家6代目の東海林萬次郎さんが創業。「夢心」という会社名・銘柄名の由来は7代目の東海林萬之助さんです。あるとき萬之助さんの夢枕に朝日稲荷の神様が現れ、酒造りの方法を教えてくれたんだそうです。そしてその通りに造ると、美味しいお酒ができました。その後、萬之助さんは朝日稲荷が福島県須賀川市にあることを探し当てて、お酒を奉納します。すると、また夢枕に朝日稲荷の神様が現れて「夢心と名付くべし」と告げてくれました。そうして生まれたのが夢心というブランドです。

一方今回の奈良萬は、高品質な食中酒を目指して1998年に誕生した特約店限定酒。なんで福島のお酒なのに奈良なのか不思議ですよね。僕は奈良在住で、福島にも住んでたことがあるので余計に気になります。

こちらは夢心酒造の屋号・奈良屋が由来。奈良屋の東海林萬次郎さん。屋号を付けて奈良屋萬次郎さん。略して奈良萬。「萬」の字は、東海林家の当主に伝わる通字だったんだそうです。享保元年(1716年)に亡くなった初代から6代目までが東海林萬次郎さんで、6代目が酒造りを始めました。7~8代目が萬之助さん。9代目以降は襲名されていません。このあたりややこしくて、記事や酒屋さんの説明によっては、萬之助さんが創業者になってたり、萬次郎さんが夢のお告げを聞いてたりします。そこで、夢心酒造様の問合せフォームからお聞きしたところ、快く教えていただきました。夢心酒造様、ありがとうございました。

ただ、なぜ奈良屋なのかもはっきりとは不明です。「1600年代に奈良から喜多方に移住してきた人がいたらしく、それが由来かもしれない」いう蔵元さんのお話しを載せているブログが以前あったんですが、久しぶりに見ようとしたら消えてました。

でも実は、奈良と喜多方の関係って古くて深いんです。前回奈良萬さんを飲んだ時にはわからなかったんですが、改めて調べると新たな事実がわかってきました。

まず、古いつながりとしては、平安時代初期の僧・徳一とくいつにまで遡ります。徳一は、最澄とも議論を交わした間柄。空海も徳一に送った書簡の中で「徳一菩薩は厳重に戒律を守っていて、珠にたとえると氷の玉のようであり、その智恵の深く澄みきったさまは大海のごとくと承っています」と書いています。徳一は奈良で学んだ後に会津をはじめとした奥州で仏教を広め、慧日寺(現・恵日寺)・勝常寺・円蔵寺など一説には160もの寺院を建立しました。慧日寺は、こないだ飲んだ磐梯酒造さんのお酒・乗丹坊でも登場しましたが、開基の明らかな寺院としては東北地方で最古という古刹。乗丹坊の時代には、寺僧300・僧兵数千・子院3,800を数えるほどの隆盛を誇っていました。
そのような事情もあり、DIAMOND ONLINEの「新日本酒紀行 奈良萬」という記事では、(徳一の)「縁あってか会津には奈良屋という屋号が多い。」と書かれています。ただ、屋号というものが文献に現れ出したのは室町時代以降なので(Cf.岡野信子/家号語彙研究の構想)、僕は直接の関係はないと考えています。ただ、喜多方の方が奈良に親近感を持っていたということはあるかもしれませんね。

そして時代は下って江戸時代。奈良の大和川周辺にルーツを持つ人々が喜多方周辺に移住してきて、奈良に由来した名前で酒造りを始めます。例えば、「大和川」を醸す大和川酒造店さん、そしてその本家から分家した、「大和錦」の(有)大和錦酒造場さん(現在は廃業)と「香久山」の香久山(資)さん(現在は酒造業からは撤退)。さらに大和錦さんからの分家では、峰の雪酒造場さんが日本酒ベースのリキュール・ハツユキソウや、創業者の名前を冠した「大和屋善内」を造られています。地名では、喜多方にも奈良にも同じ「押切」という地名がありますし、やはり関係は深そう。

このあたりの事情、もしご存じの方がいらっしゃったらぜひお話しを聞かせてください。

さて、だいぶ前置きが長くなりましたが、今回のお酒は、奈良萬さんのおりがらみ。それでは飲んでいきましょう。

上立ち香、乳酸米甘アルぽわわん。おっ、アルコールが強そう。

口当たり、くっきり乳酸、米甘旨。
甘旨ぽわっとふくらんで、アル旨酸がさらにぽわわ!
くっきり強くてめちゃくちゃ美味しい。酸旨アルが大きいけれど、苦味も甘味もしっかりあります。
含み香は、甘アル乳酸ぽわんと抜けて、後味ほんのり甘苦残し、すうっときれいに溶けていく。

この日のにごり4種のなかでいちばん強くて華やかなお酒でした。めっちゃ美味しい!

 


アテは、コク旨 黒チャーハン。見た目は濃そうだけど、味わいはやさしくて、確かにコク旨が豊か。それが、お酒の味わい全体をぱああっと華やかに開きます。うっま!! ちなみにこの黒い色、マスターに聞いてみたら、ココナツミルクを煮詰めたものなんだとか。面白い!

ジブリで例えると「天空の城ラピュタ」の、若き日のドーラ嬢。タイガーモス号のドーラの部屋には若い日のめっちゃかわいいドーラちゃんの肖像画がありますが、ジブリ美術館に行くと、赤ちゃんを抱いたキャプテンドーラ嬢と、その乗艦らしい「動く女海賊島 アマゾネス号」のポストカードが売ってます。お母さんにはなっていますが、溌剌としていて若くてきれいでカッコいい。

好き度:★★★★☆

ドーラ
ドーラ

奈良萬

奈良萬

【DATA】
蔵元:夢心酒造株式会社(福島県喜多方市)
造り:純米 おりがらみ 生酒
原料米:五百万石
精米歩合:55%
アルコール度数:17% ・・・ 高い
製造年月:2025年12月

 

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