こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

七郎兵衛 > アリエッティのお父さん(借りぐらしのアリエッティ)[ジブリ酒]

七郎兵衛(しちろべえ) 純米酒 秋田酒こまち七拾五】

旨苦酸 やさしくふくらむ 熟成酒

七郎兵衛

七郎兵衛
七郎兵衛
七郎兵衛

はじめましてのお酒、七郎兵衛さん。青森県北津軽郡板柳町・竹浪酒造店さんのお酒です。クラシックっぽいんだけど、このデザインなんか良いですね。デザインのバランスとかセンスを感じます。

竹浪酒造店さんは、正保年間(1644~1647年)の創業。青森最古の酒蔵です。はっきりとした創業年がわかってないってあたりがさすがの老舗ですね。津軽富士とも呼ばれる岩木山の東側のふもとにあり、メイン銘柄の「岩木正宗」と、特約店限定の「七郎兵衛」を作られています。七郎兵衛というのは、竹浪家が代々襲名していた名前。でも近代になり、12代目からは襲名をやめちゃったんだそう。

現在の杜氏は、17代目の竹浪令晃(よしあき)さん。この方の経歴も面白いです。なんせ、竹浪酒造店さんは一度倒産しちゃってるから。

令晃さんは酒蔵の息子として生まれ、後継者推薦で東京農業大学醸造科に進学します。うん、普通ですね。ただ、蔵を継ぐ気はなくて、食品会社に就職。でもそこはいろいろあって2年足らずで退職して実家に戻ります。そして家でニートしてるうちに、営業の手伝いをするようになりました。そのうちに、杜氏さんが歳で来れなくなって、「じゃあ俺つくるか」って酒造りをはじめたのが、27,8歳の頃。しかも日本酒はあんまり好きじゃなかったんだそう。でもそれを変えたのが、埼玉の「神亀」。神亀の燗を飲まされたら、それがめちゃくちゃ美味しかった。実際に神亀酒造にも教えを請いに行き、竹浪酒造店さんのお酒も青森にはめずらしく燗酒指向になりました。蔵を継いだときには借金が多かったものの、経営状態も徐々に上向きになります。

しかし、そんなときに世界を襲ったのが2020年のコロナ禍。竹浪酒造店さんも債権者から建物の明け渡しを要求され、創業依頼370年以上酒造りを続けていた板柳町を離れ、つがる市稲垣に移転を余儀なくされます。かつて「明ケ烏(あけがらす)」を造っていた長内酒造店の跡地を借りることができ、そこで仕込みに向けて準備をしていたんですが、再起の希望はかなわず債権者から破産申立をされて3月に倒産してしまいます。

でもそこで話は終わりません。倒産が報じられた翌々日、竹浪酒造店さんの倒産をYahoo!のトップニュースで知った千葉県の不動産関係会社が出資を申し出ます。それが今のオーナー。令晃さんとは面識がなかったのに「どうしても竹浪酒造店を残さなければ」という想いで、伝手を探して連絡してくれたんだそう。めちゃくちゃ愛されてるやん!!
そこから話しがまとまって、新生竹浪酒造店が設立されたのが6月。新しい酒造免許が下りたのが12月。よそで余っていた酒米をかき集めることができたのが翌2021年2月。ようやくお酒を造ることができました。でも世の中はまだコロナ禍まっ最中。
そんな苦労をなんとかしのいで、今の竹浪酒造店さんがあります。書いてて、竹浪酒造店さんがめっちゃ好きになりました。

というわけで、どんなお酒か、飲んでいきましょう。
(例によって飲んだ時にはこんなエピソード知らなかったんですけどね)

 


色はきれいに澄んだ黄色。
上立ち香、ほんのり熟成酸コクと、ふんわり蜜の甘さと旨。

口当たり、すっときれいに入ってきて、乳酸コク旨、熟苦ぽわん。そこからじんわり旨味と苦味やさしくだんだんふくらみます。甘味はほとんどないけれど、やわらかいから飲みやすい。
含み香は、口の中いっぱいに熟苦ふわん。後味は熟苦渋が少し残るけど、ふわっとおだやか消えていく。
美味しい!

きれいでするする飲める熟成酒でした。これは、燗が合いそう。
実際お蔵さんの公式サイトを見ると、燗をめっちゃ推しています。全ページの一番下に「当蔵酒の燗付のコツ」というコーナーがあるし、「熱燗の入れ方」という特設ページも用意されています。そのページには湯煎でもレンジでも燗の付けかたを書いている他、ブランド別特定名称別の合う温度帯の表まで載ってます。

でも、今回は燗にはできなかったから、手で常温まで温めました。これは買って家でいろんな温度で試したい!

 

アテは、引き続きの酒粕おでん。もうこんなの間違いない。めっちゃ合いました。

ジブリで例えると「借りぐらしのアリエッティ」のポッド。アリエッティのお父さんです。甘くはないけどやさしくて、渋くてカッコいいおじさん。なぜか不思議な色気もあります。

好き度:★★★★

七郎兵衛

七郎兵衛

【DATA】
蔵元:株式会社 竹浪酒造店(青森県北津軽郡板柳町)
造り:純米 無濾過 熟成
原料米:秋田酒こまち
精米歩合:75%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:+7 ・・・ 辛口
醸造年度:2023年
製造年月:2025年11月

ちなみに、なんで青森のお酒で秋田酒こまちなんだろうと思ってたんですが、その理由も倒産からの復活劇にありました。酒蔵が復活したとき、ほとんどのお米は既に売り先が決まっていました。そりゃ免許が下りたのが12月ですもんね。そんな中、大学の同級生の伝手でなんとか集まったのが秋田のお米。その後もその系統でお米を仕入れているそうです。

そして、復活してつがる市で酒造りをされていた竹浪酒造店さんは2024年、旧竹浪酒造店の建物を改修できる見通しが立って、元の板柳町に再移転されました。おめでとうございます!!!

今回の記事は、つがる市移住支援サイト「つがるさこいへ」のインタビュー記事と、ハンドメイドガラスの「津軽びいどろ」サイト内の記事などを参考にさせていただきました。ありがとうございます。めっちゃ面白かった!

 

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