【生粋左馬 純米吟醸 生原酒 中取り直汲み】
フレッシュで 最後にぽわっと シロップ甘





しばらくぶりの生粋左馬さん。福島県白河市・有賀醸造さんのお酒です。
白河と言えば、奈良時代の昔から東北地方(奥州)の玄関口ですね。古来より白河の関を超える=奥州に足を踏み入れるということでした。高校野球においても、東北の高校が優勝する=優勝旗が白河の関を超えるということが長年の悲願となっていて、ようやくそれが叶ったのが、2022年夏の仙台育英高校優勝でした。
実は僕は白河にはちょっとなじみがあって、数年前までは仕事で年に数回は白河に出張していました。新白河駅の近くに定宿があって、前に飲んだ廣戸川 純米吟醸の1合瓶なんかは新白河駅前のイオンで買ってきたものです。
でも、有賀醸造さんは、新白河から東に15kmほど離れていて、当時は場所も知りませんでした。残念。今だったらタクシーで行ってきたのに。
さて、有賀醸造さんの創業は、公式サイトによると安永3年(1774年)。でも同じページに、「江戸時代末期(文化年間)、(中略)ここから有賀醸造が創業しました」ともあります。文化年間というと安永の4つ後の元号で、1804~1818年。商売を始めたのが1774年で、酒造りを始めたのが文化年間ということでしょうか? ついでに「三百年間守り継がれてきた伝統」とも書いていますが、1774年から計算しても252年。よくわかりません。まあ、細かいことは気にしないことにしましょう。
銘柄名・生粋左馬の左馬とは、左右反転した「馬」の字のこと。

PhotoACからお借りした左馬の写真がこちら。山形県天童市の、将棋の駒に左馬が書かれている商売繁盛の縁起物が有名です。「天童市の観光ガイド」というサイトにその説明があったので抜粋要約すると、左馬の由来は、
①「うま」を逆から読むと「まう」=「舞う」となり、縁起がよい
②「馬」の字の下の部分が財布のきんちゃくの形に似ている。お金が逃げていかないから、富のシンボルとされている。
③馬は人がひくものだが、逆になっているため、馬が人をひいてくる(=招き入れる)となり、商売繁盛に繋がる。
④馬は左側から乗るもので、右側から乗ると落ちてしまう。だから、左馬を持つ人は競馬に強い。
だそうです。
だいぶこじつけですね。でもまあ縁起物ってだいたいこんなもの。お酒に話を戻しましょう。
今回のお酒は、新酒第1弾の直汲みのしぼりたて生原酒。
直汲みとは、搾ったお酒をタンクに移さずに直接瓶詰めすること。普通は一度タンクに移してお酒を落ち着かせるんですが、それをしないことで、できるだけフレッシュな状態で出荷することができます。
中取りとは、お酒を搾るときの中間部分のこと。搾りはじめて最初に出てくるのが「あらばしり」。そして中間部が「中取り」で、最後に醪に含まれる液体部分が少なくなってからさらに圧力をかけて搾るのが「責め」。一般的に、あらばしりはピチピチフレッシュでちょっとワイルド。中取りが一番きれいで上質。責めは醪の成分が凝縮されるので、雑味もあるけど複雑で濃醇になります。
今回のお酒は、要するにフレッシュで上質ということですね。それでは飲んでいきましょう。
上立ち香、固めの米旨アルコール。おお、フレッシュですね。
口当たり、くっきり酸の青リンゴ、ほんのり細かい微炭酸。炭酸と、酸味苦味がしゅわっと広がり、バナナの甘味とお米の旨味もふんわりやさしく現れます。甘味は控えめかと思ったら、最後に豊かなシロップ甘が、ぽわっと大きくふくらみます。
含み香は、ごくおだやかで、バナナと苦。後味ほんのり甘苦味。
最初はちょっとカドの残るフレッシュさでしたが、最後の豊潤な甘味がやさしいお酒でした。

アテは引き続き、団子と春雨の煮込み。鶏の旨味ときのこの旨味と七味のパンチが絶品です。その旨塩味に、お酒の米甘旨がほわんとふくらみます。うっま!!
ジブリで例えると「思い出のマーニー」の主人公・杏奈。フレッシュで、最初はカドのある酸苦が広がるけど、最後にはやさしさで物語を締めます。
好き度:★★★★
#映画の中の超絶大好きな顔
— オクターヴ (@TreeTre93040406) 2023年10月26日
「思い出のマーニー」の杏奈は美しい pic.twitter.com/A5ymWpIFjE


【DATA】
蔵元:有賀醸造合資会社(福島県白河市)
造り: 純米吟醸 生原酒 中取り直汲み
原料米:福島県産 夢の香
精米歩合:55%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月:2025年12月
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