こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

男山 > キキのお父さん(魔女の宅急便)[ジブリ酒]

男山おとこやま 純米生貯蔵缶】

クセのない おだやかやさしい クラシック

男山

男山
男山

お久しぶりの男山さん。北海道旭川市・男山(株)さんのお酒です。いただくのは3年ぶり2度目なんだけど、前回は低アルスパークリングだったから、実質はじめましてみたいなもんですね。

男山さんは、明治20年(1887年)創業。元々は山崎酒造という社名でしたが、1968年に男山の名を継承して社名変更しました。改名したの、意外と最近なんですね。

男山が付くお酒は、Wikipediaに載っているだけで全国に20以上もあります。僕が飲んだだけでも、北から順に、今回の男山、陸奥男山(青森/八戸酒造・代表銘柄:陸奥八仙)、陸前男山(宮城/男山本店・代表銘柄:蒼天伝・美禄)、会津男山(福島/男山酒造店)、越乃男山(新潟/阿部酒造・代表銘柄:あべ)、知多ねのひ蔵 男山(愛知/盛田・代表銘柄:子乃日松)、男山(山口/永山本家酒造場・代表銘柄:)。どちらかというと、代表銘柄を他に持っているお蔵さんの方が多いですね。それに対して北海道の男山さんは男山ブランドを前面に出しています。

元々の男山は、寛文元年(1661年)に伊丹(現在の兵庫県伊丹市)で生まれた、造り酒屋・木綿屋山本本家のブランドでした。ネタ元は、現在の石清水八幡宮の旧称・男山八幡宮。しかしそれが大人気となったことで、それにあやかって男山と表示するお酒が横行します。その後、明治初期に木綿屋山本本家が廃業したことで、さらに各地に男山を冠する銘柄が乱立。明治17年(1884年)に制定された商標条例によって日本の商標制度が始まりますが、男山を冠する銘柄が多すぎたために、「男山」は普通名称として商標登録は認められませんでした。「正宗」と同じ流れですね。

時は流れて1968年、山崎酒造蔵元の3代目山崎與吉さんは木綿屋さんの子孫を訪ね、正統を伝承する印鑑ならびに印鑑納め袋を受け取ります。木綿屋さんの廃業は明治初期ということなので、1868年の明治維新からのそれほど経ってはいないとすると、廃業から100年近く後のことですね。

もちろん、その印鑑は法的には何の効力もありません。「男山」の商標も取れないままです。でも新生男山酒造さんは「男山の銘柄を使う以上は良い酒を造る」という精神で酒造りをされています。そういう意味で、印鑑を継承したということは、単にブランドを使用する以上の意味があるのでしょうね。

今回は、いただきものの1合缶。缶って瓶より軽いし紫外線は通さないし、デザインの自由度が高いのも良いですね。今回のお酒のデザインは、絵本作家・あべ弘士さんの描くクマゲラ。味がありますね。あべ弘士さんは、名作「あらしのよるに」の絵を描いた人。この方なんと、旭川にある旭山動物園で25年間飼育係をされてたんです。その中で、飼育員達の間で話し合った行動展示の夢を絵として残し、それが旭山動物園復活の鍵となったんだとか。絵本作家として独立するきっかけも、動物園の機関誌などに描いていたイラストが注目されて、福音館書店から声がかかったんだそうです。凄い人やった!!

さて、それでは飲んでいきましょう。

上立ち香、米甘旨がやわらかく。
口当たりも、とろんとやわらかく入ってきて、旨酸じんわり現れます。お米の旨味とクラシックな酸。甘味はほとんどなけれど、やわらかいから飲みやすい。
含み香ほんのり乳酸アルが、やさしくふんわり鼻から抜けて、後味じんわり酸渋味。美味しい!

燗にもしてみましょう。少量だから簡単にレンジ燗で。熱燗(50℃)くらいに上げると、かなりすっきり。酸味中心ほのかな旨味。これはこれで美味しいんだけど、個人的には常温の方が好みです。

おだやかやさしいクラシック。晩酌酒ですね。クセもないから単体でも飲みやすいけど、食事に合わせた方が映えそうです。

 

アテは、大根と厚揚げの煮物。薄味なんだけど、いただきものの能登の魚醤を使ったからか、風味が豊か。お酒を合わせると、お米の旨味がほわあああっと一気に広がります。凄い!! ビンチョウマグロの漬けにも、当然のように合いました。

煮物の出汁が良い感じだから、出汁割りにもしてみましょう。すると味わいがさらにやさしくなって、後半に出汁とお酒の合わさった旨味がほわわん。
こないだ菊姫の素晴らしい出汁割りをいただいてから、自分の中の出汁割りの扉がちょっと開かれた感じ。奥が深そうで楽しいです。

ジブリで例えると「魔女の宅急便」のオキノさん。主人公・キキの優しいお父さんです。

好き度:★★★★

男山

男山

【DATA】
蔵元:男山株式会社(北海道旭川市)
造り:特別純米 生貯蔵
精米歩合:58%
アルコール度数:13% ・・・ 低い
製造年月:2025年6月

 

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