こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

[特集]魔女宅のここが好き!

魔女の宅急便

本日2026年5月8日、「魔女の宅急便」が金曜ロードショーで放送されます。それを記念して、先週の「耳すまの細かすぎる雑学」に続いて魔女宅特集です。

このシリーズ企画は去年からはじめていて、これまでに「君たちはどう生きるか」考察記事と、「紅の豚の細かすぎる雑学」「カリ城の細かすぎる雑学」「ポニョの細かすぎる雑学」「もののけ姫の細かすぎる雑学」「千と千尋の細かすぎる雑学」「かぐや姫の細かすぎる雑学」を書きました。どれもなかなか面白い記事になっているので、よろしければそちらもどうぞ。

で、今回も「魔女宅の細かすぎる雑学」を書いてたんですが、魔女宅は好きすぎて雑学以外に書きたいことが山のように出てくるんです。そんなわけで今回は、雑学は少なめにして、魔女の宅急便の好きなところをひたすら語る特集です。今回限りは、映画本編を見てからの方が絶対に楽しめるので、まだ魔女宅を観たことのない幸せな方は、必ず観てからこの先を読んでください。

では、映画の時間軸に沿って、進めていきます。

 

魔女の宅急便

「西北カリキア地方の天気予報をお送りします」
宮崎駿監督によると、魔女宅の舞台は「二度の大戦を経験しなかったヨーロッパ」とのことです。でも、それを知らなくても観客はなんとなくヨーロッパっぽいと思わされます。その原因がまずは「カリキア」という架空の地名。「-ia」という地名接尾辞の効果です。
「-ia」はラテン語の形容詞語尾だから、ラテン語の流れをくむイタリア語・フランス語・スペイン語・英語などの圏内では-iaが付く地名が山のようにあります。イタリア・ルーマニア・ナイジェリア・インドネシアなどの国や、カリフォルニア・パタゴニア・アジア・ユーラシアなどの地域名もそうですね。
同様に、ペルシャ語由来の「-stan」が付く地名は西アジアっぽいし(アフガニスタン・カザフスタン等)、スラヴ語由来の「-grad」が付くとロシアっぽく感じるわけです(ベオグラード・旧レニングラード等)。

 

 

魔女の宅急便
魔女の宅急便

開始5分で、もう涙腺にくるシーン。ここ、子どもを持つと感じ方が変わりますよね。
旅立ちのシーンも、涙をぬぐうコキリさんに目が行って気付かなかったけど、ドーラさんの表情も良いですね。ドーラさんにとっては、コキリさんが娘のようで、キキを送り出したコキリさんの成長が感慨深いんでしょうね。



魔女の宅急便

このタイトルバックへの入りも大好き。ユーミンの曲に新生活へのワクワク感が加速されます。歌詞の内容は、、、まあ置いときましょう。

 

 

魔女の宅急便

この時、キキは東に向かって飛んでいます。
それがわかるのは、工場の屋根の形から。このギザギザの屋根は「のこぎり屋根」と呼ばれ、産業革命期のイギリスから広まった、工場内の壁から遠い場所にも均等に日光を届けるための工夫です。そして、窓が付いている垂直面は、原則的に北を向いています。南向きの方が日光は採り入れやすいですが、時間帯によって明るさがかなり変化してしまうのが不都合だったんですね。窓が北側に付いているということは、それと直角方向に手前に飛んでくるキキは東に向かっているというわけです。

 

 

魔女の宅急便

このシーンは、岡田斗司夫さんの考察が凄いんです。赤い風車から先輩魔女さんの苦労を推測する洞察力の鋭さに感服します。このシーンの意味が完全に覆されました。このシーンの解説部分からのリンクを貼っておくので、見たことない方は5分だけでも見てみてください。

 

 

魔女の宅急便

この車、ほんとボロボロなのが好き。このボロボロにみんなで乗ってることでしか得られない輝きがありますよね。

 

魔女の宅急便
魔女の宅急便
魔女の宅急便
魔女の宅急便

ジジのリアクション芸も好き。そして、ジェフくんめっちゃかしこい!!

 

 

魔女の宅急便
魔女の宅急便

フクオさんかわいい!

 

 

魔女の宅急便

バーサもかわいい!

 

 

魔女の宅急便
魔女の宅急便

ジジのリアクション芸さらに2連発。だんだん芸に磨きがかかってきます。

 

 

魔女の宅急便

奥に見える車は、T型フォードですね。初めて大量生産された車として名高い名車です。この車があるところから、トンボの親がどんな人なのか妄想してみましょう。
魔女宅の世界ではレトロな車がいっぱい走っていますが、T型フォードは初の大量生産車というだけあって、この世界でもかなり古い車。それをかなりきれいに残しています。当時の車は今よりずっと壊れやすいので、こんな旧車に乗り続けるには、自分である程度機械をいじれる腕が必要なはず。自転車の向こうに見える工具はお父さんのものでしょう。お母さんはトンボに「空ばっかり見てないで勉強しろ」って言ってるけど、お父さんの方は相当な趣味人ですね。トンボは見事にその血を引いてるっぽいです。

 

 

魔女の宅急便

「豪雨のため, 当市に不時着した飛行船・自由の冒険号は、このほど修理を済ませ, 本日南極探険の旅を再開することになりました」
現実世界では、飛行船で南極を冒険した例は、探しても見つかりませんでした。飛行船は嵐には弱いので、南極での運用は難しいんでしょうね。でも大陸がない北極なら飛行船で行った例があります。初めて北極点を飛行船で通過したのは、ノルウェーの探検家・アムンセン。その界隈では有名人ですね。初めて南極点に到達した人です。

 

 

魔女の宅急便
魔女の宅急便

電話ボックス、最近見かけなくなりましたね。公衆電話の数自体が、携帯電話の普及によって、1985年の約93.5万台をピークにどんどん減っています。2025年3月末時点で約9.6万台だから、10分の1になっています。ちなみに2枚目はうちの近所の公園にあった電話ボックス。珍しいから写真を撮ったんですが、めっちゃ怪しい写真になりました。

 

 

魔女の宅急便

「市民は落ち着いて行動してください。飛行船のヘリウムガスは爆発しません」
というアナウンスが流れるということは、この世界でも飛行船事故はあったといことですね。現実世界の飛行船事故と言えば、1937年のヒンデンブルク号の爆発事故。ヒンデンブルク号の場合は水素ガスを使っていたので爆発してしまいました。

 

 

魔女の宅急便
魔女の宅急便
魔女の宅急便
魔女の宅急便

静寂 → ブラシの毛がバッ!! → 土埃ぶわっ → 飛べ
ここの演出、ほんと緊張感ありますよね。全宮崎作品の中でも屈指の名シーンです。



そしてエンディング。
エンディングは、全てのカットに意味があって、本当に素晴らしいです。その中から特に好きなカットだけ。

魔女の宅急便
魔女の宅急便

1枚目の自転車で海に向かうシーンと、2枚目の完成品。かなり改良されていますね。1枚目のやつ、どう考えても危ないです。左のおっさんは笑ってるけど、このプロペラに当たったら胴体でも軽く切断されそう。前側にプロペラがあるのも、外れて搭乗者に当たったら終わりです。しかも、坂道を降りて車道に出るのに、ブレーキすら付いてない。こんなのに好きな子を乗せたら絶対にいけません。

そしてここでも、アニメのエンディングで左に走る法則が守られています。アニメのエンディングって、よく左に向かって走ってるイメージありません? あれ、実はちゃんと理由があるんです。前にそれを解説した特集記事も書いたので、気になる方はぜひ。

この記事の中では、僕の知ってる限り唯一右に向かって走っている作品も紹介しています。その掟破りをやっている作品はZガンダムで、監督はアニメの演出を熟知しているはずの富野由悠季監督。その意味も考察しています。

 

 

魔女の宅急便
魔女の宅急便
魔女の宅急便
魔女の宅急便

このあたり、1カット1カットがもう宝物。ほんの数秒の間に、語りきれない物語が詰まっています。キキがあの後もずっとデッキブラシで飛んでいて、それがアイコンになってるのも素敵です。

 

魔女の宅急便
魔女の宅急便
魔女の宅急便
魔女の宅急便

そしてこれですよ! 最初はよそよそしかったり、キキを怒ったりしていた人が、クライマックスではキキを応援してて、エンディングでは笑顔で挨拶してる。凄い構成です。

 

魔女の宅急便
魔女の宅急便
魔女の宅急便
魔女の宅急便

最初は壁を作ってて、2回目も素直になれない。でもエンディングでは楽しくおしゃべりしてる。これ、この女の子たちもおばさんもお巡りさんも、何も変わってないんです。変わったのはキキ。こういう風に少女の成長を描けるのって、ほんと凄い。僕がこの映画ていちばん好きなカットです。

 

というわけで、魔女宅のここが好き特集でした。実はほかにもまだまだ好きなところあるんですけどね。久石譲さんの音楽も全部名曲だし。でも、今日はいったんここまで。「私もここ好き」とか「このシーンも好き」とかあったら、ぜひコメントください。好きを語ると幸せになれるので、みんなで幸せになりましょう。

 

最後に宣伝です。

このブログは、一応日本酒ブログです。日本酒に興味のある方は、2025年で最も面白く書けた記事BEST10 をお勧めします。美味しいお酒を知りたい方は、2025年で最も美味しかったBEST10 をどうぞ。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。感想やコメント、違う意見などをいただけるととても嬉しいです。


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