こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

有磯 曙 > ネコバス(となりのトトロ)[ジブリ酒]

有磯 曙(ありいそ あけぼの) 大吟醸 黒部ダム熟成酒 vintege 2022】

熟成の 蜜甘からの 辛ズバッ

有磯曙

有磯曙
有磯曙
有磯曙

はじめましてのお酒、有磯 曙さん。富山県氷見市・髙澤酒造場さんのお酒です。氷見港のすぐ側、海から250mほどのところにあるお蔵さん。

氷見と言えば、寒ブリが有名ですね。同じ富山湾で獲れたブリでも、氷見港で水揚げされるだけで他よりも高値で取引されています。ただ、これは氷見の漁師がぼったくりなのでも、氷見の寒ブリを買う人が騙されているのでもありません。氷見の寒ブリには、それを名乗るための厳格な基準があって、つい最近2025年11月にも基準が去年の7kg以上から8kg以上と厳しくなったばかり。そうやってブランド価値をマネジメントしていることが信用となり、結果として高値で取引されているんです。

話は戻って髙澤酒造場さん、お蔵さんがあるのは富山県の西の端、能登半島の付け根です。だから、2024年1月1日に発生した能登半島地震では大きな被害を受けてしまいました。その復興のためにクラウトファンディングを利用され、目標400万円に721万円の大成功をおさめられています。

さて、今回のお酒は、黒部ダムの施設内で熟成されたお酒。ダムの中は、年間を通して温度が10℃程度で安定していて、日光も入ってこないため、熟成に良い条件なんです。トンネル貯蔵と同じような感じですね。このお酒は、関西電力の協力で富山県酒造組合と北陸酒販が企画した「とやまダム熟成酒プロジェクト」の一環。富山県内の14蔵が参加し、2022年9月から2024年7月までの約1年9か月間熟成されました。黒部ダムがあるのは富山県の、髙澤酒造場さんがあるのとは逆側の東端。能登の地震でも大丈夫だったんですね。良かった。


こちらがphotoACからお借りした黒部ダムの写真。
黒部ダムは、1956年に着工し、1963年に完成した水力発電用のダム。戦後復興期の電力不足を解決するために建造されましたが、その工事は困難を極め、完成までに171名が亡くなっています。毎月1人以上は殉職者が出ている計算。その様子は、小説「黒部の太陽」に描かれ、映画化もされて大ヒットしています。

 

有磯曙
もうひとつ、今回は酒器にも触れておかなければいけません。このお酒をいただいたのは、大阪梅田の北陸アンテナショップ・HOKURIKU+さん。だからこの酒器も北陸の名産品。富山県高岡市の、高岡銅器のお猪口です。美しい!!
高岡銅器は、富山県高岡市で約400年にわたって受け継がれてきた、国指定の伝統的工芸品。加賀前田家2代目・加賀藩主前田利長公が城下の産業として鋳物師を招いたのが始まりです。国内でつくられる銅器の90%は高岡産なんだとか。外側をあえて腐食させて、緑青(ろくしょう)の色を出しているんですね。ちなみに緑青は、かつては猛毒だと言われていましたが、基本的に無害であることがわかっています。体重50㎏の人の半数致死量が675gですが、金属を675gも食べたら毒とは別の原因で死にそうですね。

それではようやく飲んでいきましょう。

上立ち香、ふんわり熟成、蜜と米。きれいで甘やかな熟成蜜が美味しそうです。

口当たり、はっきりやわらか蜜とろん。蜜のまあるい甘味がふくらみます。後半はその甘味が少しおだやかになって、アルコール由来の苦辛でズバっ。しっかり甘くてズバッと辛い! 面白っ!!

含み香は、ほんのり蜜甘アルコール。後味やさしい苦甘じわり。良い熟成ですね。

ジブリで例えると「となりのトトロ」のネコバス。やさしいけどちょっと怖い。でも、ジブリ作品で乗ってみたい乗り物ナンバーワンです。乗り物?

好き度:★★★★

有磯曙

有磯曙

【DATA】
蔵元:株式会社 髙澤酒造場(富山県氷見市)
造り:大吟醸 熟成酒
精米歩合:60%
アルコール度数:14~15% ・・・ 低め
日本酒度:+5 ・・・ 辛口
酸度:1.4 ・・・ 普通
製造年月:2026年2月

 

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