【Tsuchida バナナK 2026】
濃厚な 再現バナナと コクどかん





かなりお久しぶりの土田さん。群馬県利根郡川場村・土田酒造さんのお酒です。なんと5年ぶり。全然会えないんですよね。
このお酒、めっちゃバナナということを聞いて飲んでみたかったところ、たまたま取扱店の近くに行く用事があったので買ってきました。
このお酒は、蔵元の土田さんがバナナを食べていた時、「この味、もしかしたら日本酒で再現できるんじゃない!?」と思い立って、それを杜氏の星野さんに無茶ぶりしたことが開発のきっかけ。
星野さんはそれに応えるために奮闘します。『もはや「うまい酒」を造ることよりも「うまいバナナ」を再現することに注力したと言っても、過言ではないかもしれません』と言ってるあたり、ほんとおつかれさまです。
バナナを実現するために星野さんがしたことは、まずは貴醸酒の造り方をすること。仕込み水の代わりにお酒を使うという方法です。ただし、土田酒造さんは貴醸酒協会に入っていないので「貴醸酒」という名前をつかうことができません。こないだの十六代九郎右衛門さんと同じですね。というわけで、この造り方を「K」という名前にして、バナナに近づけるために酸を抑えたのが今回のお酒です。
それでは飲んでいきましょう。
上立ち香、ふんわりバナナもあるけれど、その前に土壁のようなぶ厚い酸コクが立ってます。土田さんらしいですね。
口当たり、いきなりどどんと酸甘コク。
うっわ、濃い!
酸は生酛の野性味がある乳酸と、青バナナ。このバナナ、今の品種改良されたバナナじゃなくて、原種に近い自然のバナナな感じがします。いや、そんなのもちろん食べたことないんですけどね。そしてコクも野性味を感じます。
甘味はいかにも糖分たっぷりの重厚感。原種のバナナって今より甘くないと思うんだけど、こちらは逆に今のバナナよりもずっと甘いですね。糖が凝縮されていて、舌にダイレクトに甘味が浸透する感じ。これ、日本酒度-50を超えてない?って思って調べてみたら、案の定-54.2の大甘口でした。
口当たりからもうインパクト抜群なんだけど、その糖甘コク旨はさらにババンとふくらみます。
味のインパクトが強くて、含み香を忘れそうになるけど、含み香もしっかり乳酸バナナと、ツンっとアルコール。後味は、酸が一瞬残ってすぐ引いて、コク苦旨がじんわり残ります。濃いわあ。

ラベルには、「おすすめ料理:卵料理全般、ハイカカオチョコ(70%前後)」と書いてあります。だから72%の高カカオチョコを買ってきました。実は僕、甘いものに日本酒を合わせるのってあんまり得意じゃないんですよね。いろいろスイーツに合うって言われてるペアリングもあるけど、お酒の甘味がどうしても消えちゃうんですよね。このチョコも、カカオ72%とは言えそれなりに甘いです。果たしてどう合うのか?
チョコをかじるとほろ苦と、やっぱり砂糖の甘さがあります。そこにお酒を入れると、
おっ!!!
お酒の甘味もコクも、ついでに酸すら抑えられて、ほど良いコク苦がほんわり広がります。美味いやんけ! たしかにこれは合います。あえてお酒の甘味を抑えるという想像の逆の方向の合わせ方でした。なるほどこうきたか!

卵料理も作ってみました。チーズをたっぷり入れた塩が強めの玉子焼き。これも合う! あと、写真は無いけど、カレーにも合いました。カレーに合わせる日本酒としては、これが僕のベストアンサーです。
ついでにいくつかお遊びを。


牛乳割り:バナナなんだから、当然牛乳にも合います。
ソーダ割り:すっきりして美味しい!! 酒3:ソーダ2くらいが好みでした。
上燗(45℃):酸甘がさらに強くなります。面白っ!
バナナMiQs:土田バナナの濃厚な甘味が薄まらずに爽やかになります。ちょっと笑っちゃうくらい美味しかった!!
ちなみにバナナK+レモンというのは杜氏の星野さんも推奨している遊び方です。
ジブリで例えると「猫の恩返し」のナトル。主人公・ハルを猫の国に連れていくためにやってきた、猫王第二秘書の能天気ネコです。正直、ちょっとくどくてウザいです。でもかわいい。
好き度:★★★★
ナトルもちもちしたい…🐱 #猫の恩返し pic.twitter.com/ZMOVnbDgao
— .suke (@sukemyon_443) 2018年8月24日


【DATA】
蔵元:土田酒造株式会社(群馬県利根郡川場村)
造り:純米 生酛 1回火入れ
原料米:群馬県産 あさひの夢
精米歩合:70%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
グルコース:11.0
日本酒度:-54.2 ・・・ 大甘口
酸度:2.8 ・・・ 高い
アミノ酸度:2.2 ・・・ 高い
麹歩合:15%
種麹:白夜、焼酎用黄麹
酵母:協会901号酵母
製造年月:2026年4月
さすが土田さん。めっちゃ詳しいところまで公開されています。
裏ラベルの「ツチダ味わい指標」というチャートが載っているの良いですね。ただ、見ていくと、「甘辛度:最も甘口」→わかる。「味わい:最もリッチ」→わかる。「酸味:最もおだやか」→これで? 「後味:すっきりと余韻長いの中間」→これで? さすが土田さんやで。
最後にバナナ対決。バナナを前面に出しているお酒としては、他にもいろいろあります。それをバナナ度でランキングにしてみました。
優勝:天吹 バナナ酵母 純米大吟醸
2位:天吹 恋するバナナ
3位:Tsuchida バナナK
4位:ハツユキソウ まろやかバナナ香る
5位:七水 バナナの呼吸
いちばんバナナなのは、天吹バナナ酵母。同じくバナナ酵母の天吹さんに続いて、土田さんは惜しくも3位。来年、さらにバナナになることを期待します。
ちなみにハツユキソウは日本酒じゃなくて、ほんとにバナナを使ったリキュール。上位陣は本物のバナナを超えています。凄いわほんと。
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