今回は特集記事。赤い日本酒やピンクの日本酒、飲んだことはありますか? 日本酒ってたいては透明か、白いにごり。赤やピンクってちょっと珍しいです。でも飲んでみるとこれがまた面白いんですよね。今回はそんな、色のついたお酒のお話しです。
どうやって色を付けている?
食紅などの着色料を入れたら、そりゃカンタンに色付きのお酒ができます。でも、ほとんどのお酒はそんなことはしてないんです。色の付け方は大きく分けて次の5+1種類。
①酵母によるもの
②お米によるもの
③副原料・着色剤によるもの
④製法によるもの
⑤熟成によるもの
⑥その他
以下、それぞれの特徴とどんなお酒があるのかを紹介します。
①酵母によるもの
赤・ピンクのお酒の中では、これがいちばんメジャー。お酒を造るときには、酵母が糖分を分解してアルコールにします。酵母にはいろんな種類があるんですが、その中に、赤い色素も一緒に作りだすものがいるんですね。これは、実は人工的な突然変異で作られた赤色酵母とか桃色酵母とか言われるもの。バイオテクノロジー凄い!
味わいとしては、甘酸っぱいものが多く、にごり酒で良く使われてピンクのかわいい色になります。イチゴっぽい印象。イメージ的に、春によく売られている気がしますね。
②お米によるもの
現代のお米は普通、酒造好適米でも飯米でも、色は付いていません。でも昔のものには、お米自体に色がついているものがあるんです。古代米・赤米・黒米などと言われてるもの。これらのお米は、作るのも大変なので、赤色酵母のお酒よりも珍しいです。
味わいは、、、よくわかりません。代表格の伊根満開さんはフルーティージューシーなんですが、大倉さんは何を飲んでも変態だし、李白さんは14年熟成なので全く参考にならない。でも、どれも美味しかったです。
③副原料・着色料によるもの
これは、ちょっと別モノですね。日本酒ではなく、別の材料や着色料を加えたことによる色です。大関さんのいちごにごりの場合、いちごピューレとトマト色素が入っているリキュールですね。
④製法によるもの
これも正確には日本酒ではありません。でもこちらは、製法の一部が違うだけで、ほぼ日本酒。お酒を搾るまえに木灰を入れた「
このタイプは熊本・瑞鷹さんの赤酒しか飲んだことないんですが、これがもう、とてつもなく甘かった! 今まで飲んだ液体の中で一番甘いです。コーヒーリキュール・カルーアやチョコレートリキュール・モーツアルトの原液よりも甘い。たくさん飲めるお酒じゃありませんが、めちゃくちゃ面白かった。鹿児島にも
⑤熟成によるもの
最後は熟成。お酒を造ってから時間が経つと、お酒の中の糖分やアミノ酸がメイラード反応を起こして色が付きます。お肉が焼けると赤→茶色になるのと同じ反応ですね。ただこれは、赤に見えなくもないけど、黄色~茶色の方が近いから最後にしました。お酒の方も、37年物の綾菊さんと、かなり濃い色の玉川さん、かなり赤い澤姫さんの3つだけ載せておきます。
⑥その他
この記事、初出時は⑤までだったんです。でもその後、千代の松さんが予想外の赤を出してきた! まさかの事故で赤くなったというパターン。さすがに分類にはできないので「その他」にしました。詳しくは↓の記事を見てください。
というわけで、今回は赤・ピンクのお酒の特集でした。ぶっちゃけ、全部が美味しいわけではなかったんですが、でも全部面白かった。見かけたら、ぜひ飲んでみてください。
※2024/3/26追記:現在「紅麹」に起因する健康被害の可能性が報道されています。この件に関連し、紅麹原料を使用した宝酒造の「澪 PREMIUM<ROSE>」が自主回収されました。ご注意ください。ただ一方で、赤いお酒の中で紅麹の割合はとても稀です。赤いお酒や普通の麹が危険というわけではないので、過剰に忌避しないようにしましょうね。
より詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しくわかりやすく解説されています。この記事、今回の問題と関係なく、とても面白いですよ。
※2024/3/30訂正:当初、「③麹によるもの」として紅麹で赤くする旨の内容を記載していました。これは、とある酒屋さんの説明文に紅麹を使用と書いてあったのを参考にしていたのですが、赤色酵母の間違いだったそうで、当該ページに訂正文が掲載されておりました。そこで、こちらの記事も訂正いたします。
また、「澪 PREMIUM<ROSE>」やいくつかの甘酒で紅麹原料を使用しているものがありますが、これは麹の糖化作用ではなく着色料としての紅麹原料ですので、「副原料・着色料によるもの」に含まれると判断し、「③麹によるもの」を削除して番号を繰り上げました。
不正確な内容を掲載してしまい、申し訳ございませんでした。
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