こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

永平寺白龍 > カカシのカブ(ハウルの動く城)[ジブリ酒]

永平寺白龍(えいへいじはくりゅう) 純米大吟醸 三世(さんぜ)

なめらかな お米と蜜の 甘ふわり

永平寺白龍

永平寺白龍
永平寺白龍
永平寺白龍

お久しぶりの白龍さん。福井県吉田郡永平寺町・吉田酒造さんのお酒です。前回飲めたのは2023年なんですが、しばらく飲めていない間の2024年に、永平寺白龍という銘柄名にリブランディングしていました。

吉田酒造さんは文化3年(1806年)の創業以来、地元の米と水にこだわった酒造りを続けてきました。1990年には、6代目蔵元の故・吉田智彦さんが山田錦の自社栽培にも着手。山田錦の栽培は福井県では初めてで、当時は山田錦栽培の最北端でした。

現在酒造りを牽引されているのは、智彦さんの二女の吉田真子さん。真子さんは、2015年春に関西大学経済学部を卒業。智彦さんが体調を崩されていたことで、大学卒業後すぐに実家に戻って酒造りの道に入ります。しかし同年12月、智彦さんは残念ながら54歳の若さで亡くなってしまいました。
そこで、智彦さんの奥さんの由香里さんが蔵を継いで7代目蔵元に就任され、真子さんのお姉さんの祥子さんも営業責任者として蔵を支えます。しかし、翌年には高齢だった杜氏さんが腰を痛めて引退。大ピンチです。それでも2016年度の造りは真子さんが杜氏代理としてなんとか乗りきることができました。
翌2017年、家族会議の結果、真子さんが杜氏に就任することが決定。北海道にできたばかりの上川大雪酒造さんで修行した後に、戻ってきて正式に杜氏としての酒造りが始まります。その時、真子さんはまだ24歳。当時最年少の女性杜氏だったそうです。とんでもないプレッシャーだと思います。最初に上槽したときのことは緊張であまり覚えていないそうですが、祖母の澄子さんは、思わず涙をこぼしたんだそう。

そうして家族ぐるみで酒造りをされている吉田酒造さん。真子さんが杜氏になってから全量純米酒化を実現し、智彦さんの夢であった、永平寺の水・米・人で醸す「永平寺テロワール」をコンセプトとして掲げられます。そしてその思いの表れが、2024年の、「白龍」から「永平寺白龍」へのリブランディングに結び付くのでした。


とまあ、ここまではいろんな記事で語られている感動ストーリー。でもこのリブランディングには、日本酒に詳しい方なら気付いている理由があと3つあります。
1つは、同じ永平寺町にある黒龍酒造さんの存在。黒龍さんは、日本酒マンガの金字塔「夏子の酒」で最大のライバルとして登場する銘柄「美泉」のモデルになったくらいの超有名高品質銘柄。黒龍と白龍でちょうど良い対比にはなっていましたが、ブランドとしてのバランスは気にされていたかと思います。
そして2つ目が、新潟にある白龍酒造さんの白龍。おなじ銘柄を造っていますが、吉田酒造さんと白龍酒造さんは、お互い尊重し合う良好な関係です。とは言え、消費者にとってややこしかったのは事実でしょうね。
3つめは、永平寺というお寺のブランド価値。お蔵さんのある永平寺町は、その名の通り、鎌倉時代に建立された曹洞宗の大本山・永平寺の門前町です。永平寺は年間50~60万人が訪れる、福井を代表する観光地。そりゃあやからなきゃ。

そんな普通の記事では書かない事情にも触れましたが、だからと言ってこのリブランディングの価値が下がることはありません。僕は、ブランド価値を上げるとともにテロワールというコンセプトも明確にした、素晴らしいリブランディングだと思います。


今回いただくのは、リブランディング後の永平寺白龍の最高峰クラスの純米大吟醸・三世です。お米は、自社および契約栽培の田んぼからその年最高の出来となる山田錦を厳選。35%まで磨いて白山水系の伏流水で醸しています。「三世」という銘柄名には、永平寺町の「米・水・人」、「過去・現在・未来」という悠久の時間の流れ、そして「祖母・母・娘」の三世代という、三つの世界観が込められています。お値段は四合瓶で5500円の高級酒。

そんな想いのこもったお酒を、リブランディング後に初めていただくんです。心して飲んでいきましょう。ちなみに酒器は、越前焼のぐい飲みです。


上立ち香、米旨酸と、アルぽわん。ほんのり甘コクも感じます。ひとつ前の立山さんに続いての35%磨き高級酒ですが、性格はけっこう違いますね。

口当たり、なめらかとろんと酸甘味。甘味は最初はお米が中心だけど、それがほわっとふくらんで、はっきりとした蜜の甘味に変化します。
含み香はおだやかな甘さがふんわり立って、それを後半の辛口感がズバッと切って、渋味がじんわり。

美味しいです。ただこれ、少し違和感を感じて裏ラベルを見たら2025年9月製造。瓶に残ったお酒も黄色く色付いてますし、蜜の甘味も少し熟成っぽい。老ねてはいないんだけど、元々の味わいからは変化してる可能性があります。本来はもう少しフルーティーなんじゃないかな? このお酒を飲んだことのある方、よろしければどんなだったか教えてください。

ジブリで例えると「カリオストロの城」のルパン。実力のある甘口なんだけど、中年としての苦渋がクラリスを抱きしめるのを躊躇させます。人間的には成長しているということなんですけどね。
はい。ご想像の通りです。三世という名前に引っ張られていることは否定しません。

好き度:★★★★

永平寺白龍

永平寺白龍

【DATA】
蔵元:吉田酒造株式会社(福井県吉田郡永平寺町)
造り:純米大吟醸
原料米:福井県永平寺町産 山田錦
精米歩合:35%
アルコール度数:16.5% ・・・ 高め
日本酒度:-3 ・・・ ちょい甘
酸度:1.6 ・・・ 高め
製造年月:2025年9月

 

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立山 > カカシのカブ(ハウルの動く城)[ジブリ酒]

立山(たてやま) 純米大吟醸 雨晴(あまはらし)

酸旨の きれいな辛口 クラシック

立山

立山
立山

はじめましてのお酒、立山さん。富山県砺波市・立山酒造さんのお酒です。

立山酒造さんは文政13年(1830年)創業。名前の由来はもちろん、富山県南東部・飛騨山脈北部の立山です。立山は標高3015メートルの高峰で、日本三名山、日本三霊山、日本四名山、日本百名山、新日本百名山、花の百名山に選定されている富山県のシンボル。ちなみに日本三名山と日本三霊山は同じで、富士山・白山・立山です。

立山
こちらが、photoACさんからお借りした、みくりが池と立山。絶景やん!!

立山酒造さんは、富山県内最大規模のお蔵さん。Sakenomyさんの紹介記事に工場の写真が載ってるんですが、巨大でモダンなビルがカッコいいです。大手だけあって、うちの近所のセブンイレブンでも置いてるのを見たことあります。

でも今回お酒は、コンビニには置いてなさそうな、ちょっと良いお酒。精米歩合37%の純米大吟醸で、お値段も四合瓶4950円となかなか。雨晴というのは、富山の有名な景勝地・雨晴海岸から採られています。立山連峰をバックにした岩礁がめちゃくちゃカッコよくて、富山県の観光公式サイトで素晴らしい写真をたくさん見ることができます。

雨晴海岸
こちらもphotoACからお借りした雨晴海岸。カッコいい!!

このお酒をいただいたのは、梅田にある北陸のアンテナショップ・HOKURIKU+です。ここは、ちょっと高級なお酒を有料試飲できるのが嬉しいんです。前には四合瓶で15730円の高級酒・IWA5をいただきましたしね。それに、酒器が良いんです。今回の酒器は、富山県高岡市の、高岡銅器のお猪口です。前回の緑青色も良かったけど、今回も美しいですね。欲しくなります。

それでは飲んでいきましょう。

上立ち香、ほわっと乳酸マスカット。さわやかきれいな吟醸香。

口当たり、なめらかお米の甘さと乳酸。酸と旨味が順にふくらみ、含み香アルつんふわ米旨。後味に、酸苦渋味がじんわりと。
鑑評会出品酒系のきれいな辛口クラシック大吟醸でした。

ジブリで例えると「ハウルの動く城」の、カカシのカブ。ソフィーに助けられて、ついてくるカカシです。

好き度:★★★☆

立山

立山

【DATA】
蔵元:立山酒造株式会社(富山県砺波市)
造り:純米大吟醸
精米歩合:37%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月:2026年4月

 

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盛升 > 夏子さん(君たちはどう生きるか)[ジブリ酒]

盛升(さかります) 純米吟醸 試験醸造 HF-1】

芳醇で やわらかおだやか フルーティー

盛升

盛升
盛升
盛升
盛升

はじめましてのお酒、盛升さん。神奈川県厚木市・小金井酒造さんのお酒です。
あれ?はじめまして? 飲んだことあるような気がしてたけど、記録に残ってないから記憶違いかな?

小金井酒造さんは文政元年(1818年)創業。町人中心の化政文化が花開いた時期ですね。当時の厚木は大山道と相模川が交わる交通の要衝として栄え、商人を中心に、俳諧・狂歌・漢詩文・花道・武道などの多種多様な文化が咲き誇っていました。

創業当時の小金井酒造さんは、「ますます繁盛し、人々の暮らしが満ちていくように」という願い込めた「升屋」という屋号でした。その精神を受け継いだ銘柄が「盛升」なんですね。

今回のお酒は、怠惰極盛さん送っていただいたお酒です。このお酒、実はちょっと特別。日本醸造協会が開発した新しい酵母「HF-1」を使って醸した試験醸造酒です。

HF-1酵母は、1801号酵母の改良版。1801は醪の後半で発酵力が弱くなり、アルコール度数が16度くらいに高くなると自分の作ったアルコールによって死滅しはじめるという弱点がありました。でもHF-1は、1801よりも日本酒度の切れ、アルコール生成能が良いんだそうです。
1801号と言えば、めっちゃ華やかな香りを生成するチート酵母。僕も大好きです。HF-1酵母は、香気成分カプロン酸エチルは1801よりもおだやかで、酢酸イソアミルは1801と同程度なんだそう。HF-1酵母の出荷開始は今年の9月1日からなんだけど、去年から日本醸造協会が実地試験醸造の協力依頼を出していて、小金井酒造さんはそれに参画したわけです。他にも、「尾瀬の雪どけ」の龍神酒造さんや、「臥龍梅」の三和酒造さんからもHF-1のお酒が発売されています。

怠惰極盛さん、面白そうなお酒をありがとうございます。1801の改良版なんて、めっちゃワクワクやん!
しっかり飲んでいきましょう。

香りふんわりリンゴとバナナ。なるほどめっちゃフルーティー。そして1801号酵母によくある華やかなお酒よりはすこしやわらかいですね。爽やかでまろやかで良い香り! もう勝ち確です。

口に含むとおだやかな、お米シロップ甘味がふわり。おお、うま!
後半は、その甘味が少し引いて、お米の旨味がふわり。そして、ほのかな辛さできれいに切れます。
含み香やっぱりリンゴとバナナ。後味は、ほの苦味がきれいに残り、食事との相性を高めてくれます。

めっちゃ美味しかったです。華やかだけど派手じゃない。程よくやさしく上品です。

 


アテは、いろいろ合いそうですね。特に旨塩味との相性が良さそう。公式サイトでは揚げ出汁豆腐が推奨されてます。
今回作ったのは、最近いちばんの大当たりレシピ・姜葱醤なめろう。生姜とネギ油の調味料・姜葱醤(ジャンツォンジャン)を使ったなめろうです。生姜と塩旨が効いていて、超カンタンなのに激ウマ。
姜葱醤は業務スーパーやネットで入手可能。豆腐に乗せるだけで冷奴がごちそうに変わる、超おすすめ万能調味料です。
で、なめろうを合わせると、アテなしで飲んだ感じと基本は同じ味わいなんだけど、全体的に少しだけ深みが加わってなってめちゃくちゃ美味しい!

ジブリで例えると「君たちはどう生きるか」の夏子さん。華やかだけど上品で、ほんのりエロい大人の女性。

好き度:★★★★☆

盛升

盛升

【DATA】
蔵元:小金井酒造株式会社(神奈川県厚木市)
造り:純米吟醸
原料米: 五百万石
精米歩合:60%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:±0 ・・・ 普通
酸度:1.5 ・・・ 普通
製造年月:2026年6月


スペックがめちゃくちゃ普通のど真ん中。これ、狙ってるんじゃないかな? 新しい酵母の特徴がわかるように、あえて普通になるように醸したんだと予想します。それで美味しくできるのは、お蔵さんの腕が良いからでしょうね。

 

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菊姫 > おろく婆さん(平成狸合戦ぽんぽこ)[ジブリ酒]

菊姫(きくひめ) カップ】

濃醇で 強いアル感 やわらかく?

菊姫

菊姫
菊姫

しばらくぶりの菊姫さん。石川県白山市・菊姫(資)さんのお酒です。

菊姫さんは戦国時代まっ盛りの天正年間(1573~1592年)の創業。天正10年が本能寺の変なので、まさに激動の時代です。大阪のパッケージ屋さん・きた産業さんがまとめてくださった「18世紀までに創業して現在も醸造を継続する清酒・焼酎蔵元296社の創業年リスト」によると、現存する中で14番目に古い酒蔵とのこと。

昭和以降の歴史を見ても、宮内庁御用達に選定されたり(1941年)、日本で最初に山廃仕込純米酒を発売したり(1983年)、全国で5番目にコンピュータ制御の精米機を導入したり(1987年)、国際的なお酒のコンペティション・IWC(インターナショナルワインチャレンジ)2007で初代チャンピオンサケを受賞したりと、第一線を走り続けているお蔵さんということがわかります。

余談ですが、そんな菊姫さんを長く率いてきた名杜氏・農口尚彦さんが、つい先日7月31日に、石川県無形文化財に指定されました。杜氏の文化財指定は全国で初めてだそう。おめでとうございます。農口さんは93歳ですが、自身の名を冠した農口尚彦研究所でまだまだ現役で酒造りを続けられています。凄い。

 

菊姫さん、前回は特A山田錦袋吊り大吟醸を15年寝かせたという凄いお酒でした。めちゃくちゃ美味しかった! でも今回はその対極にある普通酒のカップ酒です。
どんなお酒か、飲んでいきましょう。当然、常温で。

色ははっきり黄色く付いて、香りはやわらか熟成の、豊かなお米の旨甘ほわん。

口当たり、くっきり乳酸お米の甘さ。酸旨ぐぐっと広がって、アルコール感もしっかりと。
含み香熟成、酸旨アルコール。後味は、熟苦びりびりアルコール。

しっかり熟成感があって濃醇。アル感も強いです。なのに不思議とやわらかく、やさしくて心地良い。なんで??? 意味はわからないけど、めちゃくちゃ美味しいです。また買ってきたい。

 

アテは、キャベツと揚げの20秒煮びたし・カツオの漬け・塩豚レタス焼うどん。出汁がよく合って、アル感くっきりなのにやわらかく感じます。こういう普通の食事に合わせるのが良いですね。

ジブリで例えると「平成狸合戦ぽんぽこ」のおろく婆さん。フルネームは火の玉のおろく。気が強い肝っ玉かあさん的な狸で、怖いけどちゃんと優しいです。

好き度:★★★★☆

菊姫

菊姫
菊姫

【DATA】
蔵元:菊姫合資会社(石川県白山市)
造り:普通酒 山廃
原料米: 山田錦、五百万石、糯米他
精米歩合:70%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年:2025年

 

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亀の海 > サンドラさん(紅の豚)[ジブリ酒]

亀の海(かめのうみ) 純米大吟醸 金紋錦 Terroir(テロワール) Gorobei(ごろべい)

華やかな リンゴの甘酸 カカオ苦

亀の海

亀の海
亀の海
亀の海
亀の海

はじめましてのお酒、亀の海さん。長野県佐久市・土屋酒造店さんのお酒です。3年ほど前に飲んだ、茜さすのお蔵さんですね。

佐久エリアは酒処で、この地区だけで13もの酒蔵があります。僕がこれまでに飲んだのは、浅間嶽千曲錦/帰山御園竹明鏡止水茜さす澤の花/ボーミッシェル佐久乃花井筒長・寒竹。あと4蔵だけど、ここからは難易度高そうです。

土屋酒造店さんは明治33年(1900年)創業。創業から何年目かわかりやすくて良いですね。イノベーター気質のお蔵さんなのか、大正時代初期には実用化して間もない速醸酛を導入。昭和40年には長野県内でいち早く吟醸酒を発売します。一方、地域の文化や農業の維持・発展にもこだわって、佐久市・浅科五郎兵衛新田で作られたお米を使っています。ここは、稲作でいう特A地区の中でも特に偉大な地域なんだそう。

亀の海さん、最近ぐんぐん人気が出てきてます。saketimeのランキングでは8/4時点で11位です。凄い!!
「亀の海」は創業時から続く銘柄で、仏教の経典で「非常におめでたい」という意味の「亀壽福海(きじゅふっかい)」という言葉から採られています。海なし県の長野なのに海というのは、そういう由来なんですね。

こちらは、こないだ飲んだ狼炎さんと同じく、れーむだっくさんに送っていただいたお酒です。狼炎さん、めちゃくちゃ面白くて、しかも凄く美味しかったです。亀の海さんもずっと飲みたかった銘柄。ありがとうございます。

それでは飲んでいきましょう。


上立ち香、メロンとバナナとわずかにカカオ。そして爽やかアルコール。
え? カカオ? なんかビターチョコレートのようなコク苦を感じます。

口当たり、いきなり華やか酸甘味。リンゴの酸とレーズン甘味、焦げたナッツの香ばしい苦い風味もほんのりと。甘味がじゅわっとふくらんで、リンゴシロップの豊かな甘味と高カカオのビターチョコっぽい苦味が鮮やかにぽわん。うっっま!!!
含み香もリンゴとカカオがふわっと抜けて、後味しっかりコゲ苦味。苦味がありますが、この苦味は経時変化でおとなしくなる予感がします。期待してみましょう。

 


アテに用意したのは、まずはカマンベールチーズとゴーダチーズ。カマンベールだとお酒の派手さに負けちゃいますね。ゴーダくらいがちょうど良いです。お酒の味わいがやわらかくなって、その分だけ深さを感じることができます。


開栓から3日目、予想通り苦味がおとなしくなってきて、糖分たっぷりの甘味が開いてきました。でも奥にあるカカオ感が良いアクセントになって、めちゃくちゃ美味しい。

5日目になると、甘味と苦味がさらにチョコレートっぽくなりました。ここで合わせて作ったアテは、トマトうどん。トマトの旨味がたっぷりで、お酒の甘旨をほわっときれいに立たせてくれます。

 

ジブリで例えると「紅の豚」のサンドラさん。フィオのいとこのひとりです。フィオのお姉さんのジリオラさんと並んで登場する、きれいな大人の美人さん。フレッシュなだけじゃない色気がありますね。

好き度:★★★★★


©スタジオジブリ

亀の海

亀の海

【DATA】
蔵元:株式会社 土屋酒造店(長野県佐久市)
造り:純米大吟醸
原料米:長野県産 金紋錦(減農薬栽培)
精米歩合:49%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月:2026年5月

 

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宝船 > ぽん吉(平成狸合戦ぽんぽこ)[ジブリ酒]

宝船(たからぶね) 白狐(びゃっこ) 純米大吟醸】

淡麗な 苦味がふんわり やわらかく

宝船

宝船
宝船

はじめましてのお酒、宝船さん。山口県萩市・中村酒造さんのお酒です。

萩市は山口県北部の日本海に面した街。長州藩を治めていた毛利氏の居城があったこともあり、江戸時代は長州の中心地でした。吉田松陰が教えた松下村塾があったのも萩なので、明治維新に大きな影響を与えた地でもあります。

中村酒造さんは明治35年創業。お蔵さんがあるのは海に近い、松本川の下流に造られた姥倉運河沿い。この辺りは、特に春のシロウオ漁が有名です。

ややこしいですが、シロウオはシラウオとは別の魚。シラウオは比較的よく見る魚です。でもシロウオは少しマイナー。そして、踊り食いが有名です。
シロウオの踊り食いは、生きたままのシロウオを酢醤油に付けてそのまま食べる料理。
口の中でピチピチと動くシロウオの脂が出て糖味になって、舌触りと食感が格別なんだそう。僕は食べたことないんですが、罪悪感が凄そうです。

シロウオ
こちらが、photoACからお借りしたシロウオの写真。かわいいですね。ちなみに漢字で書くと、シラウオは白魚で、シロウオは素魚です。

話は戻って、今回のお酒は白狐。山口市にある湯田温泉とのコラボ酒です。約600年前、この地にあった池に傷ついた白狐が足をつけていて、それを見た和尚が温泉を発見したんだとか。その伝説から、湯田温泉にはあちこちに白狐の像があるそうです。

白狐と言えば、こないだ東京港醸造さんの白狐SAKE HUNDREDの百光の飲み比べをしました。どちらも英語表記はBYAKKO。今回の白狐さんの英語表記はBYACCOのようですけどね。猫のお酒はいっぱいあるけど、イヌ科のお酒は数が少ないから助かります。

それでは飲んでいきましょう。

上立ち香はほとんど感じません。手で温めるとほんのりきれいな米旨ふわり。

口当たり、ほんのりやわらか植物系の苦味。その苦味が少しふくらんで、米甘もふんわり。かなり淡麗ですね。そして苦味がやわらかい。

この感じ、雪冷え(5℃)よりも常温の方が映えそうです。手であたためてみると、酒質がさらにやわらかくなりました。前半の苦味がひっこんで、後半の苦味はアルコール由来の固めの苦味に変化。美味しいです。

 


アテは、最初のお通しの、アサリと貝柱。写真を撮るのを忘れてて、上のはちょっと食べちゃった後の写真です。出汁の効いた貝の旨味がお酒をさらに幸せにしてくれます。

ジブリで例えると「平成狸合戦ぽんぽこ」のぽん吉。主人公・正吉の友達の、やさしい狸です。狐じゃなくて狸だけど。まあ、こちらのお店の名前も「ポン酒タグラム The Bar」だからってことで。

好き度:★★★★

宝船

宝船

【DATA】
蔵元:中村酒造株式会社(山口県萩市)
造り:純米大吟醸
原料米:萩産 山田錦
精米歩合:35%
アルコール度数:15% ・・・ 高め
製造年月:2026年7月

 

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多島海 > ジリオラさん(紅の豚)[ジブリ酒]

多島海(たとうみ) 1回火入れ】

華やかさ すうっと引いて 旨ふわり

多島海

多島海
多島海
多島海

はじめましてのお酒、多島海さん。山口県周南市・中島屋酒造場さんのお酒です。3回ほど飲んだことがある「中島屋」を醸すお蔵さんですね。

中島屋酒造場さんは文政6年(1823年)創業。前回飲んだのは創業200年記念酒の百百(ふたももち)でした。

今回いただくのは、2025年にテストマーケティングを開始し、2026年から本格的に始動した銘柄・多島海。瀬戸内の島々と海をたたえる言葉を冠したお酒です。ブランドコンセプトは『明治時代、瀬戸内海を訪れた諸外国の人々は、美しい海と島々が並ぶ風景を「東洋のエーゲ海」と称しました。そんな誰が見ても美しい風景と同じ様に、素晴らしい造り手とともに、誰が飲んでも美しいと想えるものを約束します』だそうです。

こちらを造っているのは中島屋酒造場さんですが、販売者は、山口県や周辺地域の特産品などの販売を手掛ける商社・地域商社やまぐち(株)さん。裏ラベルに「ネゴシアン」を書いている高木真吾さんが、地域商社やまぐちの酒類事業を担当する方です。ネゴシアンというのは、フランス語で卸売業という意味ですが、特にワイン業界でワインの流通に携わる業者のことを呼びます。
ちなみに、多島海は、広島で龍勢夜の帝王を醸す藤井酒造さんからも発売されています。

高木さんが選んだのが春陽というお米。春陽は もともと、腎臓疾患の方向けに開発された低タンパクの食用米でした。でも、タンパク質が少ないということは日本酒の雑味の元も少ないということで、酒米としても使われています。そして、春陽を使って酒造りをすると、4MMP(4メルカプト4メチルペンタン2オン・C₆H₁₂OS)という白ワインに含まれる香り成分が出やすいんです。

それでは飲んでいきましょう。

上立ち香、ラムネとメロンと青リンゴ。おだやかだけどくっきりモダン。

口当たり、はっきり華やか酸ほの甘。ほのかにピリっとやさしいガス感。青リンゴの酸とメロンの甘味がぱっと大輪の花を咲かせます。華やかで鮮やか! 派手なんだけど品がある。後半はそれがすっと引いて、米旨ふんわり残ります。
含み香やわらか豊かなフルーティー。こんなに華やかなのに後味はほの渋きれいで、食事に合わせてくれます。

ジブリで例えると「紅の豚」のジリオラさん。めちゃくちゃ華やか美人のフィオのお姉さんです。初登場のシーンでは、自分でも美人なのがわかってる自信がある表情。でも、飛行艇で発進するフィオを見送るときは、はしゃいでいてかわいいんです。

好き度:★★★★☆

多島海

多島海

【DATA】
蔵元:株式会社 中島屋酒造場(山口県周南市)
販売:地域商社やまぐち株式会社
造り:無濾過生原酒
原料米:雄町
アルコール度数:16% ・・・ 高め
製造年月:2026年5月

 

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