こるね酒

日本酒ブログ。原則毎日昼12時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

惣花 > シルヴァーナさん(紅の豚)[ジブリ酒]

惣花(そうはな) 超特撰 純米吟醸】

やわらかい 米旨吟醸 フルーティー

惣花

惣花
惣花
惣花
惣花

約1年ぶりの惣花さん。兵庫県西宮市・日本盛さんのお酒です。
実は僕、日本盛さんとはなんか相性が良くないんですよね。前に、日本盛さんの缶入り生原酒シリーズ4本鬼ころしが合わなくて、前回飲んだ惣花の純米大吟醸も味は美味しいのにアルコールの刺さり具合が苦手でした。今回、惣花が日本盛さんのお酒というのを忘れていて注文しちゃったんですが、せっかくだからリベンジできるか、飲んでいきましょう。

上立ち香、わずかな米旨、控えめに。きれいですね。おだやかだけど吟醸感もあります。

口当たり、ぽわっと吟醸、酸フルーティー。やわらかマスカットの酸と上品なお米の旨味。酸に続いて、米甘旨もほわんと広がります。
後味きれいな米甘旨が、一瞬残ってふわっと消えて、ほんのり渋味が残ります。

美味しいやん! 米旨吟醸フルーティーで、苦手にしていた尖ったところが全くありません。単体で飲んでも食事に合わせても美味しい。アテは、あまり濃い味ではない方が良さそうですね。

 

というわけで合わせたアテは、七輪で炙った干しイカ、肉厚どんこ椎茸、ゲソ塩焼き。あまり主張しすぎないシンプルな旨味のおかげで、お酒の甘味はそのままに、旨味がふわっと広がります。

ジブリで例えると「紅の豚」のシルヴァーナさん。ピッコロ社長の甥っ子の嫁で仕上げをやる人。派手さはないけど、落ち着いていてかわいらしい奥さんです。

好き度:★★★★


©スタジオジブリ

惣花

惣花

【DATA】
蔵元:日本盛株式会社(兵庫県西宮市)
造り:純米吟醸
原料米:兵庫県特A地区西奥産 山田錦
精米歩合:55%
アルコール度数:15〜16% ・・・ 普通
日本酒度:-4.0 ・・・ 甘口
酸度:1.6 ・・・ 高め
アミノ酸度:1.4 ・・・ 普通
酵母:惣花酵母
製造年月:2025年11月

 

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蟬 > マンマユート団のボス(紅の豚)[ジブリ酒]

(せみ) 純米吟醸酒】

甘旨と しっかりアル感 クラシック

蟬

蟬
蟬
蟬

はじめましてのお酒、蟬さん。熊本県上益城郡山都町・通潤酒造さんのお酒です。

通潤酒造さんは明和7年(1770年)創業。廻船問屋を営んでいた備前屋清九郎さんが、重い年貢に困窮する集落を救おうという目的で酒造りを始めたんだそう。

社名の由来は、お蔵さんから700mほどの近所にある通潤橋。

通潤橋
こちらがphotoACよりお借りした通潤橋の写真です。通潤橋は、江戸末期の1854年、惣庄屋の布田保之助さんが水不足に苦しむ白糸台地の農民を救うために建造した水路橋。この橋で渡される水のおかげで白糸のたくさんの農家が救われ、1938年には布田保之助さんを神様として祀る布田神社が創建されました。通潤橋はその後、1960年に国の重要文化財に、2023年には土木構造物としては全国初の国宝に指定されています。
その布田保之助さんの姪が通潤酒造さんに嫁入りした縁で、銘柄「通潤」が誕生し、お蔵さんの名前も通潤酒造に変わりました。

今回のお酒は「蟬」。昆虫のセミのことで、漢字としては「蝉」の異体字です。
涼しい蔵の中で1年以上熟成させることから、土の中で長く眠るセミをイメージして名づけられました。

余談ですが、「蝉」という漢字は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名付けには使えません。「蝉丸」とかはダメなんですね。でもなぜか、「蟬」の方は人名用漢字なんです。「蟬丸」なら大丈夫! なぜこんなことになっているかの解説は、三省堂さんの辞書ウェブ編集部が運営しているサイト「WORD-WISE WEB」に記事が出ています。面白いのでよろしければどうぞ。

こちらは、常温保管されているお酒です。そのまま常温で飲んでいきましょう。

上立ち香、豊かな甘旨アルコール。どクラシックな米甘旨が、やわらかほわほわ香ります。

口当たり、やわらかとろんと米甘酸。酸旨甘味がぽんっと出て、くっきりアルコールが一気にザンッ!!
え!? これ15度? 体感17度のしっかりアルコール感があります。純米吟醸というより、良い意味でアル添っぽく主張してる。美味しい。
含み香ほんのり旨アルふわり。後味は、酸アル苦がビリビリ残る。

美味しいです。ただ、ビギナーさんにはおすすめしにくい強い酒。でも、これを好きそうな知り合いはぱっと数人思い浮かびます。

 


アテは、ひとつ前の東洋美人さんから引き続き、牛肉とニンニクの芽炒め。東洋美人さんには強すぎたアテだけど、このお酒は全く負けません。アテの後でもお酒の旨酸がぽわっとふくらみ、アル苦が全部をズバッと切ります。

ジブリで例えると「紅の豚」のマンマユート団のボス。悪役だしきれいとは言い難い見た目だけど、漢気があるし憎めないし、どこか爽やか。
好き度:★★★★

蟬

蟬

【DATA】
蔵元:通潤酒造株式会社(熊本県上益城郡山都町)
造り:純米吟醸
原料米:山田錦・華錦
精米歩合:50%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:+3 ・・・ ちょい辛
酸度:1.6 ・・・ 高め
酵母:くまもと酵母(協会9号酵母)
製造年月:2026年2月

 

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東洋美人 > ジリオラさん(紅の豚)[ジブリ酒]

東洋美人(とうようびじん) 醇道一途 限定純米吟醸 直汲み生】

華やかな これこそ甘旨 フルーティー

東洋美人

東洋美人
東洋美人
東洋美人

1年ぶりの東洋美人さん。山口県萩市・澄川酒造場さんのお酒です。って去年も書いてました。

澄川酒造場さんは4代目蔵元の澄川宜史(すみかわたかふみ)のストーリーがめっちゃ面白いんです1年ぶりに振り返ってみましょう。

澄川酒造場さんは大正10年(1921年)創業。澄川家は元々米問屋だったんですが、親戚筋の酒蔵を引き受けて創業したんだそうです。東洋美人という銘柄名は、初代蔵元が亡き妻を想い名付けたんだそう。ロマンティックですね。その酒蔵を継いだのが、宜史さん。
宜史さんは、酒蔵の息子として1973年に生まれ、東京農業大学醸造学科に進学。ただ、当時の澄川酒造場は経営難で、売上げも山口県内で最下位に近かったんだそう。今では考えられませんね。
しかし、人生の転機は宜史さんが3年生の12月に訪れます。学外学習として、十四代を醸す高木酒造・高木顕統さん(現在は高木辰五郎を襲名)が研修に受け入れてくれたんです。冬の造りの1カ月弱、顕統さんと寝食を共にしながら教えを受けたことで、宜史さんは酒造りへの覚悟を固めます。

高木顕統さんは弟子を取らない主義ということで、澄川宜史さんが顕統さんの唯一の弟子と言われています。顕統さんの技術指導を受けたお蔵さんとしては、花邑の両関酒造さんや、天賦の西酒造さんもありますが、寝食を共に教えを受けたのいうのはやはり特別ですね。

宜史さんの努力で澄川酒造場のお酒の質は徐々に上がり、評価も高まります。しかし2013年7月、山口北部襲った豪雨により、蔵は壊滅的な被害を受けてしまいます。廃業も視野に入る中、多くの人の助けもあり、なんとか12月には酒造りを再開することができました。しかし、巨額の借金も抱えてしまいます。

しかし、次の転機は翌年2014年に訪れます。
この年の、SAKE COMPETITION Free Style Under 5000部門で東洋美人が1位を獲得したんです。
SAKE COMPETITIONは、市販酒のみを対象とする日本酒の品評会。審査基準は、「美味しいこと」。よく引き合いに出される全国新酒鑑評会は、酒造りの技術を競う鑑評会で、出品されるお酒も特別な造りのものが多いんですよね。それに対して、市販されているお酒で、美味しさをわかりやすく競うのがSAKE COMPETITION。審査はブラインドで行われるので、知名度や同情票ではなく、純粋に美味しさが評価された結果の1位です。ここから東洋美人の名前はさらに有名になり、今や澄川酒造場は山口の酒蔵のリーダー的な存在になっています。

今回のお酒は、冬の定番新酒生酒。製造年月は1月ですね。
それでは飲んでいきましょう。

上立ち香、ほわんと甘旨フルーティー。これこそ甘旨フルーティーという良い香り。これま間違いないやつ。

口当たり、鮮やか酸甘リンゴとメロン。わずかなガス感が舌をくすぐり、きれいな甘味がふくらみます。やわらか旨甘も広がって、くっきりなのになめらかです。うっまあああ。
含み香は、意外に控えめフルーティー。後味に豊かな甘味はすっと引き、フルーティーな酸がかわいらしく残ります。

 


アテに選んだのは、牛肉とニンニクの芽の炒め物。めっちゃ美味しいけど、東洋美人さんにはちょっと強すぎました。合わせるならチーズ系が良さそう。まあ、東洋美人さんは単体で飲んでもめちゃくちゃ美味しいんですけどね。

ジブリで例えると「紅の豚」のジリオラさん。めちゃくちゃ華やか美人のフィオのお姉さんです。自分でも美人なのがわかってて自信がある表情です。でも、飛行艇で発進するフィオを見送るときは、めっちゃはしゃいでいてかわいい。

好き度:★★★★☆

東洋美人

東洋美人

【DATA】
蔵元:株式会社 澄川酒造場(山口県萩市)
造り:純米吟醸 直汲み 生酒
精米歩合:麹米35%、掛米50%
アルコール度数:14% ・・・ 低め
製造年月:2026年1月

 

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戸隠 > ハク(千と千尋の神隠し)[ジブリ酒]

戸隠(とがくし) 純米吟醸 Style5835】

鮮やかな モダンで後半 ストイック

戸隠

戸隠
戸隠
戸隠
戸隠
戸隠

はじめましてのお酒・戸隠さん。長野県上水内(かみみのち)郡信濃町・高橋助作酒造店さんのお酒です。

上水内郡は、長野県の最北部。信濃町・飯綱町・小川村の2町1村からなるんですが、地図で見るとちょっと面白いです。小川村と他の2町の間に長野市がでっかく横切ってて、一番近いところでも15kmほど離れています。


上水内郡、明治12年の発足時には3町101村に分かれていたんですが、それが複雑に合併を繰り返し、現在の2町1村を除いては全て長野市に吸収されてしまって、こんなことになったんです。

水内は、日本書紀にも載っている歴史のある地名。その名の通り複数の川にはさまれた地域で、海のない長野県なのに「島」が付く地名がたくさんあります。有名どころでは「川中島」もこの地域。今は長野市に含まれていますが、元々は上水内郡でした。おそらく治水の充分ではなかった時代には、川が氾濫したら本当に島のようになったんでしょうね。

高橋助作酒造店さんは、明治8年(1875年)創業。メイン銘柄は「松尾」で、「戸隠」は特約店限定銘柄です。戸隠とは、お蔵さんのある信濃町の西にある修験道の聖地・戸隠山とその麓の地域。紀元前210年創建と伝わる戸隠神社や、「ぼっち盛り」という盛り方が特徴で日本三大そばのひとつに数えられる戸隠そばが有名ですね。

今回のお酒は、Style5835。全体の精米歩合58%だけど、酒母の精米歩合だけ35%という造り方です。麹米の精米歩合を高精白にするのはよくありますが、その次の酒母にまで広げて高精白にするのは珍しいですね。

こちらのお酒は、柳生乱世さんに送っていただきました。いつもありがとうございます。しかも、数字のお酒! 柳生さんにはこれまでも「51歳からのTHE日本酒」「1787」「1873」「1984」「拾壱萬石」なんかを送っていただいています。超感謝です。

余談ですが、このお酒、「出荷年月:2027.05」というラベルが付いていました。未来から届いたようです。

戸隠

 

それでは飲んでいきましょう。

上立ち香、おだやかほんのりマスカット。かすかに米旨アルコール。

口当たり、なめらかくっきり酸ほの甘。酸はリンゴと乳酸で、甘味もふんわりフルーティー。固い苦味も現れて、じんわり旨味も続きます。
鮮やかモダンフルーティーかと思ったら、後半の苦旨がストイックでカッコいい。華やかで甘味もあるのに、一方ではストイック辛口なのが面白い!! そしてもちろん美味しいです。

温度帯は、キンキン雪冷え(5℃)が好きでした。温度が上がると苦味が目立ってきて、香りにもわずかに濡れた革みたいな感じが出ちゃいます。ほんとにわずかですけどね。

そして、開栓から3日目、やわらかくなってさらに良い感じ。甘味もほんの少し出ています。でも苦味はやっぱり固めでカッコいい。

 

アテで合ったのは「ナスの塩もみ」や「キャベツの20秒煮びたし」。和で合わせるのが良い感じでした。実はチーズにも合わせたんですが、後半味わいに合わせた和の方が良かったです。

ジブリで例えると「千と千尋の神隠し」のハク。やさしさも華やかさもあるんだけど、ストイックなカッコよさが真骨頂。

好き度:★★★★

戸隠

戸隠
戸隠

【DATA】
蔵元:株式会社 高橋助作酒造店(長野県上水内郡信濃町)
造り:純米吟醸 無濾過 生貯蔵 原酒
原料米:長野県上水内郡産 山恵錦
精米歩合:58%(酒母35%)
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月:2026年3月

 

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山間 > 眞人(君たちはどう生きるか)[ジブリ酒]

山間(やんま) なごり雪 かめ口直詰め生 KEG DRAFT】

フレッシュな 爽やか旨苦 ハーブ感

山間

めっちゃお久しぶりの山間さん。新潟県上越市・新潟第一酒造さんのお酒です。6年ぶり!

新潟第一酒造さんは、昭和38年(1963年)に近隣4軒の酒蔵が合併してできたお蔵さん。この年、中小企業の近代化を目的にした「中小企業近代化促進法」が制定され、新潟第一酒造さんは新潟県でその法律を適用した第1号として誕生しました。
メイン銘柄は、「越の白鳥」で、山間は、理想とする味わいを具現化した「中取り・直詰め・無濾過」のお酒です。
山間(やんま)の由来は、当時新潟で絶対的な勢力を誇っていた銘柄・久保田に対抗するのに「クボタに勝つならヤンマーだろ」と命名したんだとか。まさかのダジャレ!? 一応他にも、お蔵さんが山間(やまあい)にあるからとか、周りにオニヤンマが飛んでたからとかいう説もあります。でも、新潟第一酒造さんには山豊(やんぼう)とか間豊(まあぼう)とかっていうお酒もあるんですよね。めっちゃ狙ってるやん!

今回のお酒は、KEG。KEGは、正式には「KEG DRAFT SAKE」で、しぼりたての風味やフレッシュ感を長期間そのまま維持できるという、10Lタンクの日本酒サーバーです。これで28種類目のKEG。KEGの特徴や、電源なしでお酒を注げる仕組みなどは、前に特集記事を書いたので、よかったらご覧ください。

 

なごり雪というのは、お米の銘柄名。食用米です。元々は新潟県から種子が配布されていたけど、それも終了して作られなくなっていました。それを新潟第一酒造さんと農家さんが4年がかりで復活させたんだそう。だから、このお米を使っているのは新潟第一酒造さんだけなんだそうです。

それでは飲んでいきましょう。

上立ち香、ふんわり爽やか旨苦さ。かすかな青葉とハーブがフレッシュ。

口当たり、ピリシュワ爽やかほの酸味。旨味苦味もぽわわっとふくらんでくる。甘味はほんのりだったけど、温度が上がってくるとそれが開いてきて良い感じ。苦味のハーブ感が爽やかで豊か!
含み香ほのかな旨酸と、ハーブがつんっとふくらんで、後味苦味がじんわり残って気持ち良い。

めっちゃフレッシュなお酒でした。これがKEGの良さ。美味しかった!

 


アテは、豚と玉子とキクラゲ炒め。中華っぽい味付けに、苦味のあるお酒がよく合います。

ジブリで例えると「君たちはどう生きるか」の眞人。苦味も抱えたフレッシュな少年。

好き度:★★★★

山間

山間

【DATA】
蔵元:新潟第一酒造株式会社(新潟県上越市)
造り:特別純米 生酒
精米歩合:60%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
製造年月:2026年5月

 

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メロン来福 > ルイ(天空の城ラピュタ)[ジブリ酒]

【メロン来福(らいふく) 純米大吟醸】

華やかな 酸フルーティーから 苦味ずん

来福

来福
来福
来福

しばらくぶりの来福さん。茨城県筑西市・来福酒造さんのお酒です。これは見るからに、去年飲んだ「はっさく来福」「いちご来福」と同じシリーズですね。ラベルの絵も、あえてメロンではなくメロン大福になっています。
そしてもちろん、はっさくやいちごと同じように、広島の酒販店・酒商山田さんが手掛ける卸事業のブランド「コンセプト ワーカーズ セレクション」(CWS)のお酒。CWSは、「感性に訴えるモノづくり」を大事にしたシリーズです。

今回のメロン来福は、北海道産「吟風」と、「ひまわりの花酵母」を使ったお酒。実はこの組み合わせ、以前「青りんご来福」として発売したスペックなんです。でも、テイスティングしていて「今年はメロンのイメージがより近い」ってなったんだとか。

それでは飲んでいきましょう。

上立ち香、、、え? これ、メロン?
ふんわり雨水ほの旨と、奥にフルーティーさがあるような気がしないでもないというくらい。メロンっぽい香りのお酒ってたくさんあるけど、この子はあんまりメロンを感じません。

口当たり、華やかフルーティーな酸がぽわっ! 甘味は控えめで、酸の方が主張してます。そこに旨味がずんっと現われ、苦味がどんっと落ちてくる。
含み香は、鮮やかフルーティー旨。たしかにメロンもいるけれど、マスカットやレモンも主張します。後味ほんのりレモンの酸と、どっしり苦旨。

うーん、これでメロン? 甘味よりも酸味や苦味の方が強いから、大福感もありません。悪いお酒じゃないけれど、イメージとは違いました。

ジブリで例えると「天空の城ラピュタ」のルイ。ドーラの次男です。ちょび髭で、真っ先にシータの手伝いに台所に来たつもりの彼。本人は自分のことをカッコいいと思ってそうだけど、コミカルさの方が目立っています。

好き度:★★★☆

来福

来福

【DATA】
蔵元:来福酒造株式会社(茨城県筑西市)
造り:純米大吟醸 生酒
原料米:吟風
精米歩合:50%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
日本酒度:±0 ・・・ 普通
酸度:1.9 ・・・ 高い
酵母:ひまわりの花酵母
造年月:2026年4月

 

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飛露喜 > 船でミラノに向かうシーン(紅の豚)[ジブリ酒]

飛露喜(ひろき) 純米吟醸】

落ち着いた やさしい上質 クラシック

飛露喜

飛露喜
飛露喜
飛露喜

だいぶお久しぶりの飛露喜さん。福島県河沼郡会津坂下町・廣木酒造本店さんのお酒です。超人気銘柄ですね。

廣木酒造本店さんは江戸時代の創業。現9代目社長で蔵元杜氏の廣木健司さんは、酒蔵の長男として1967年に生まれます。健司さんは当然のように酒蔵を継ぐものと考えていましたが、両親はそれ以外の道でも生きていけるようにと大学進学を勧め、上京して青山学院大学経営学部に進学。卒業後は大手洋酒メーカーに就職します。その後、お父さんの体力が落ちてきたこともあり、25歳の時に蔵に戻りました。

当時の廣木酒造本店さんは、泉川という銘柄名で安い普通酒ばかりを造るお蔵さん。売り上げは年々減っていく状況でした。そんな中、杜氏が高齢を理由に引退。そしてお父さんも亡くなってしまいます。健司さんはひとりで酒造りをすることになってしまいます。

廃業も考えていた健司さんに声をかけたのが、東京・聖蹟桜ヶ丘の酒販店・小山商店の小山喜八さん。日本酒好きからは聖地と呼ばれる酒屋さんです。最初に持ち込んだお酒は「この味では固定客はつかない」と断られてしまいますが、「もっと自分らしい酒を追求することが大事だ」という喜八さんの言葉に健司さんは奮起します。

小山商店

こちらが去年聖地巡礼した小山商店さん。素晴らしいお店でした。

 

そうして模索を続ける中で健司さんが出会ったのが、発売されたばかりの十四代 本丸。衝撃でした。しかもこのお酒を造ったのは、酒造りをはじめてまだ4年で、健司さんよりも年下の高木顕統さん。目標とする味の指針ができた健司さんはさらに試作を繰り返します。そしてたどり着いた答えが「無濾過生原酒」。当時は冷蔵流通体制も確立されておらず、無濾過生原酒のフレッシュな味わいはほとんど知られていませんでした。そこに現れた健司さんの新しいお酒・飛露喜は、小山商店さんのブラインド試飲会で1位に輝き、爆発的に売れるようになって、無濾過生原酒ブームが到来します。

しかし、当時はほとんどの酒屋さんには冷蔵庫なんてない時代。無濾過生原酒が出荷できるのは冬場の気温が低い時期だけでした。また、無濾過生原酒は他のお蔵さんでも簡単にマネできてしまいます。やはり通年売れる火入れの定番酒が必要。そこでさらに努力と研鑽を重ねて生まれたのが、飛露喜の代表商品である前回飲んだ特別純米や、今回の純米吟醸です。火入れ定番酒の誕生により、飛露喜の人気は不動のものになりました。

さて、今回はそんな火入れの定番純米吟醸です。それでは、いただきます。

香りはやさしく豊潤な、米旨苦の上質クラシック。おだやかな香りなのに、これだけでもう美味しい。

口当たり、するんと米旨ほの苦味。旨味ふわっと広がって、苦味もじわりと心地よく。
はあああ、美味しい。
派手さはないんだけど、やさしくて上質で落ち着きがあるクラシック酒です。
単体でもめちゃくちゃ美味しいし、食事にも合わせやすそう。こういうのこそ「良いお酒」なんですよね。

 


アテで合ったのはおから。割烹出身のマスターが作るおから、ほんのり甘くて出汁感もある豊かな味わいが素晴らしいんです。そしてそこにお酒を飲むと、お米の旨味がやさしいままで華やかに開きます。うっまああああ。

ジブリで例えると「紅の豚」で、ポルコがカーチスとの闘いで壊れた飛行艇を乗せてミラノに向かう、夕暮れの船のシーン。「飛ばねえ豚はただの豚だ」に続く場面です。カッコよくてほろ苦くて、夕暮れの景色がめちゃくちゃ美しい。

好き度:★★★★☆

紅の豚
@スタジオジブリ

飛露喜

飛露喜
飛露喜

【DATA】
蔵元:株式会社 廣木酒造本店(福島県河沼郡会津坂下町)
造り:純米吟醸
精米歩合:50%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
造年月:2026年4月

 

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