こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

福知三萬二千石 > まっくろくろすけ(となりのトトロ)[ジブリ酒]

福知三萬二千石(ふくちさんまんにせんごく) 本醸造 鉄砲名人光秀くんカップ

おだやかで 最後にぶわっと 熟成酒

福知三萬二千石

福知三萬二千石
福知三萬二千石

はじめましてのお酒、京都府福知山市・東和酒造さんの福知三萬二千石です。酒屋さんの片隅にポツンと1本だけ残っていたお酒。もう見るからに熟成してます。製造年月を見ると3.12。令和3年=2021年でしょうね。
すいません、また名前だけで選んでしまいました。前からやってる「数字のお酒コレクション」に32000が追加。5桁の数字はこれまで10000しかなかったから貴重です。

東和酒造さんは享保2年(1717年)創業の老舗。今では丹波地方で唯一の酒蔵だそうです。それも、復活蔵。1977年に井戸が枯れたことで酒造りを休止。製造を委託することで会社だけは生き残ったんだとか。でも、蔵元の長女・今川純さんが製造に加わり、2011年に自家醸造を再開。がんばったんですねえ。

銘柄名の由来はたぶん福知山藩の石高なんでしょう。と思って調べてみたら、やっぱりそうですね。創業当時の福知山藩の石高が32000石。

え!?

創業当時の藩主は朽木稙元!!
戦国大名朽木元綱のひ孫です!!
まあ、朽木元綱はかなりのマイナー武将ですよね。でも実は、僕が大好きな小説&マンガ「淡海乃海 水面が揺れる時」の主人公のモデルが朽木元綱なんです。その直系の子孫とこんなところでつながるとは!!

この作品、めちゃくちゃ面白いし、ネットで無料で読めるから、超おすすめです。

で、なんで明智光秀が描いてあるかというと、福知山を開いたのが明智光秀だったから。福知山市のWikipediaを見たら、概要の一番最初に「戦国時代、明智光秀によって福知山城の縄張りが築かれた」って書いてます。
「鉄砲名人光秀くん」はオリジナルキャラっぽいですね。調べてもこのお酒以外に出てきません。2021年と言えば、大河ドラマ麒麟がくる」の翌年です。それに当てて作ったキャラクターかな?

まあ、あんまりよくわかりませんが、飲んでいきましょう。
こんなの、温度は当然常温でしょう。

香りはやっぱり熟成感。乳酸と、カラメル苦蜜ふわぽわん。

口当たりは、とろんと酸苦おだやかに。()ねてはいませんね。ひと安心。でも予想より甘くないし、予想よりおだやか。しばらく口の中に入れたままにしてみても、苦味がかすかに大きくなるくらいで、おとなしいままです。

と思ったら、口の中で空気に触れた瞬間、熟成酸苦が一気にぶわっ! 蜜の甘味も少しだけ。旨味もじんわりあるけど、酸苦の陰に隠れちゃってます。

含み香はたっぷり酸。最後はアル添らしく一気に切れると見せかけて、旨味が少しだけふわふわ残ります。

熟成感があるけど、食事には意外いろいろ合いそうですね。薄味の料理との相性は悪そうだけど、ある程度味が濃ければたいてい合いそう。

今回は季節的に気分じゃなかったけど、ぬる燗でも良いはずです。
ただ、熟成酒のレビューって、再現性が低いのが難しいですね。新酒でどうかはわかりません。

ジブリで例えると「となりのトトロ」の、まっくろくろすけ。おとなしいかと思ってたら、いきなりぶわっと出てきて、その後に少しだけふわふわ。

好き度:★★★☆

となりのトトロ
©スタジオジブリ

福知三萬二千石

福知三萬二千石

【DATA】
蔵元:東和酒造有限会社(京都府福知山市)
造り:本醸造
原料米:京都府産米
精米歩合:65%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月:2021年12月

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