【よこやま 純米大吟醸 Princess Michiko 】
上品な やわらか優しい フローラル
サケサミット1日目の5杯目は、お久しぶりのよこやまさん。長崎県壱岐市・重家酒造さんのお酒です。重家と書いて「おもや」。これはまた読めませんね。僕もさっきまで「しげいえ」かと思ってました。なんでもその昔、酒造元のことを重家(おもや)と呼んでいて、それをそのまま屋号にしたんだそうです。
こちらのお蔵さんも復活蔵。
壱岐島には、最盛期には日本酒蔵が17蔵ありました。でも時代とともに少なくなっていき、重家酒造さんも杜氏の高齢化などの理由で、1990年に日本酒造りを止めてしまいます。そしてついに壱岐島の日本酒蔵はゼロに。
ただ、重家酒造さんは焼酎も造っていて、そちらは継続。壱岐と言えば壱岐焼酎。麦焼酎発祥の地としても有名なんです。
そんな状況でも、蔵元の横山太三さんは「いつか壱岐島で日本酒造りを復活したい」という夢を持っていました。そして、「東洋美人」の澄川酒造場などで日本酒造りを修業。澄川酒造場で横山さんが造った「横山五十」をリリースします。並行して新工場の計画を進め、壱岐島内を20ヶ所以上調査して理想の水源を見つけます。そして2018年、ついに壱岐島に新しい日本酒蔵が再生しました。
今回サケサミットに来られていたのが、その横山太三さんです。後ろにもお酒を待つ人の列ができていたのでお話しを聞く時間はありませんでしたが、お会いできて光栄でした。
そんなよこやまさん、今回いただいたのは「プリンセスミチコ」。凄そうな名前!
プリンセスミチコとは、上皇后の美智子様に由来します。平成の天皇・現在の上皇の明仁様のお后様ですね。初の平民出身皇太子妃で、日本にテレビが普及するきっかけにもなった方。でも、このお酒は、直接美智子様のことではありません。ここでのプリンセスミチコとは、当時皇太子妃だった美智子様に、イギリスのエリザベス女王から献呈されたバラの品種。ラベルに描かれている花ですね。そして、そのバラから東京農業大学が分離したバラ酵母PM-1で醸しているから、この名前なんです。最近、よく花酵母に当たってます。
どんなお酒なんでしょう。それでは、いただきます。
香りは、上品甘ふわり。どことなくフローラルな優しく芳しい香りです。
口当たりはやわらかく甘酸。それがふんわりふくらんで、またやわらかく消えていきます。後に残るのは、やっぱり上品フローラルな含み香ほわん。
やわらかくて優しくて上品なお酒でした。
名前に引っ張られてそう感じてる可能性もありますが、お蔵さんとしてもこんな酵母を使うんだったらそういうお酒を造りたくなるでしょうね。
ジブリで例えると「猫の恩返し」のユキちゃん。ジブリで、上品で優しくて平民出身で王子と結婚するプリンセスと言えばこの子でしょう。猫だけど。おだやかで可憐な白猫です。
好き度:★★★★
王子様かっこいいしユキちゃん可愛いしお似合いすぎる#猫の恩返し #金曜ロードショー pic.twitter.com/VUOP4hzJPc
— だちょう (@dacho_matsu) 2018年8月24日
【DATA】
蔵元:重家酒造株式会社(長崎県壱岐市)
造り:純米大吟醸
原料米:全量特等米使用
精米歩合:麹米40%、掛米41%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
酵母:バラ酵母 PM-1
製造年月:2023年5月
ちなみに、調べてみたら、このお酒も四合瓶で税込3740円。なかなか普段は飲めないお酒でした。
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