【みむろ杉 木桶菩提酛 2022 西木桶-壱号】
なんだこれ? やわらか爽やか 菩提酛
サケサミット1日目の4杯目は、みむろ杉さん。奈良のお蔵さんだから、まあ地元のようなもんです。でも、先に飲んだ人がめちゃくちゃ美味しかったと言ってたので、それに続きました。
で、来られていた蔵元の今西社長におすすめを聞いてみたら、紹介されたのがこちらの菩提酛。
菩提酛というのは、約600年前から奈良の菩提山正暦寺で行われていた酒母作りの方法で、水酛とも言います。だいたいは酸味とコクとクセが強い印象。
実は、漢字表記の地元三諸杉の菩提酛は、3年近く前に飲んでいます。めちゃくちゃ面白いお酒だったんですが、正直、イベントに来てまで飲むお酒かなあ?と思いました。美味しいんだけど、クセもあってめっちゃ力強い。なんせ、例えたのが田中角栄というくらいですからね。
でも、今西社長によれば、このお酒は全然違うんだそうです。それじゃあ飲んでみましょうか。実はまだ半信半疑なんですが。
え?
えええええ?????
なにこれ爽やか!
前の三諸杉の菩提酛はおろか、今まで飲んだいろんな菩提酛とも全然違う!!!
おだやか甘酸旨から入って、旨味がふわああああ。でもその旨味が上品で品格があるんです。雑味なんて全然なくて、ほのかな苦渋味もきれい。
深みはありつつ強くはなくて、味というより風味が豊か。
うっま!!
これは凄い!!
めちゃくちゃ美味しかったです。で、後で調べてみたらこのお酒、税込5500円の高級酒でした。うわあああ。でも、先入観なく飲んで美味しかったんだから、本物ですね。
ジブリで例えると「もののけ姫」で、アシタカが初めてシシ神を見かけるシーン。豊かな自然を感じる光の向こうに、何か尊いものがいます。
ちなみに、もう少し後の出来事。この日の締めの挨拶は今西社長だったんですが、そのトークがめちゃくちゃ面白かった! 一部で「おもろ杉」と言われているという噂は聞いてたけど、本当でした。
好き度:★★★★☆
シシ神の森#これ出すとバズるって聞いて#もののけ姫 pic.twitter.com/Y1MrAH2h2v
— Yasutomo Kato | 加藤康朝 (@yasutomo) 2018年10月26日
【DATA】
蔵元:今西酒造株式会社(奈良県桜井市)
造り:木桶菩提酛
原料米:奈良県産 山田錦
アルコール度数:14% ・・・ 低め
製造年月:2023年5月
商品名の「2022 西木桶-壱号」とは
「2022」→酒造年度
「西木桶」→仕込まれる木桶の名前。東西南北と4種あるそうです
「壱号」→壱号目仕込み
このお酒は、その年の自然や、木桶ごとにも異なる個性があって、一期一会なんだそうです。だからここまで書いておくんですね。高級酒だからなかなか飲めないけど、また飲めたらいいなあ。
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