【東北泉 純米吟醸 酒未来 ひやおろし】
しみじみと やさしい酸旨 やわらかく
選んだのは、右から東北泉・飛露喜・十石。安定の飛露喜さんをはさんで、あとの2つははじめましてです。
まずは、東北泉さんから。山形県
高橋酒造店さんは1902年創業。当初は泉正宗というお酒を造っていたんですが、1933年の法人設立時に、東北一の山から湧く泉ということで銘柄を「東北泉」に変更したそうです。1993年からは、全量特定名称酒に移行。なかなかこだわりのありそうなお蔵さんですね。
今回のお酒は、十四代の高木酒造さんが開発した酒米・酒未来を使った純米吟醸のひやおろし。ひやおろしは元々、ひと夏を超して気温が下がり、外気と貯蔵庫の中の温度が同じくらいになった頃のお酒のはず。でも最近は暑い盛りの8月に発売するのはあたりまえ。下手したら6月製造のものすらある始末。そんな中で、このお酒のように9月製造のひやおろしを見ると、ちょっと嬉しいですね。
それでは飲んでいきましょう。
香りはそんなにありません。ほのかな酸旨、控えめに。
口に含むと・・・え!? なにこのやわらかさ! 口当たりがとんでもなくやわらかいです。とろっと入ってきて酸味がふわり。そこから旨味もやわらかく、じわじわ広がりふわっと消える。雑味も苦味もほとんどなくて、きれいでやさしいお酒です。
しみじみうんあまあああ。
花冷え(15℃)くらいになると、酸がちょっと立ってきました。なのにその酸もやわらかくてうんまああ。
合わせた中でいちばん美味しかったのは、鰆のお造り。鰆って、魚へんに春って書くんですが、実はいちばん美味しいのは脂が乗った秋らしいです。こんなのもう、外れるわけがない。鰆のほんのり脂と醤油の塩味とお酒のやわらか旨味が合わさってふわあああ。幸せ~。
ジブリで例えると「かぐや姫の物語」のヒメが小さい頃に住んでいた村の風景。やわらかいタッチで描かれた風景がとてもやさしいです。
好き度:★★★★☆
【DATA】
蔵元:合資会社 高橋酒造店(山形県
造り:純米吟醸
原料米:山形県産 酒未来
精米歩合:55%
アルコール度数:16.5% ・・・ 高め
日本酒度:+2.0 ・・・ ちょい辛
酸度:1.7 ・・・ 高め
アミノ酸度:0.8 ・・・ 低い!
酵母:山形酵母
製造年月:2023年9月
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