【阿部勘 純米吟醸 まねき 秋季限定酒】
おだやかな やさしい旨辛 クラシック
はじめましてのお酒、宮城県
塩竈って表記、あんまり見ませんね。塩釜の方が普通な気がします。だいたい、「竈」なんて書けません。どっちが正解?って思って調べたら、塩竈市の公式サイトに答えがありました。
まあ、塩竈市のサイトって書いてるくらいだから、当然「塩竈」が正式。塩竈市の公文書では塩竈と表記することになってるそうです。でも、駅や県・国の機関のほとんどは「塩釜」って書いてて、意訳すると「まあ塩釜でも許してやんよ」ってことみたい。竈なんて難しい字、不便じゃないの?って思うんですが、市のアンケートによると市民の54.8%は特に不便を感じないんだとか。塩竈市民すごい。
そんなわけで、ここでは塩竈市に敬意を表して塩竈表記にしたいと思います。
例によって脱線しましたが、お酒に戻りましょう。
今回のお酒は、純米吟醸の秋酒。ラベルが特徴的ですね。このラベルは、宮城県石巻市在住のアーティスト・しょうじこずえさんの作品です。とある個展での紹介文を引用すると、
『しょうじこずえは、自然や生き物の生命力を感じうけとりながら、ドローイングや布貼り絵の手法で「いのち(生命力)」をテーマに表現しています』だそうです。
面白いのは、このラベル、右下に「OPEN」とあるんです。ここからラベルがめくれるようになっていて、その下には別のラベルが隠れてる。お店のお姉さんが「はがしていいよ」って言ってくれたから、はがしてみます。
すると、白バックのバンザイ猫が出てきた。こっちもかわいい。遊び心がありますね。
右下にはQRコードがあって、しょうじこずえさんのインスタに飛ぶこともできます。
それではいよいよ、飲んでいきましょう。
香りはほんのりコク旨クラシック。
口当たり、なめらかとろん、ほの旨味。そこから旨味と乳酸ほわん。最後にコク苦ほんのりと。
後味旨味がほわほわん。きれいでやさしく気持ちよく。
おだやかやさしい旨辛口ですね。美味しい! 甘味は気配だけなのに、酒質がやわらかくて、やさしいお酒です。
アテで合ったのは、白子ポン酢。これが、温かくてびっくり。でもその温かさが白子のとろ旨を引き立てて激ウマ。それに旨辛のお酒なんて、もう幸せでしかありません。ほわあああ。
ジブリで例えると「風の谷のナウシカ」のゴル。城オジ5人衆の中ではミトに次いで出番のある、「わしらの姫様はこの手を好きだと言うてくれる」の人です。厳しい環境に生きているので甘やかすことはないけど、やさしいおじいちゃんです。でも、風の臭いで異常を感知できるくらい有能。
好き度:★★★★
金田伊功さん原画、もう1点。
— 叶 精二(Seiji Kanoh) (@seijikanoh) 2015年7月21日
『ナウシカ』より、台詞「いい嵐なんじゃがどうもおかしい」の後、
夜空を見上げるゴルとミト(3人別セルなので、本当は真ん中にナウシカがいます)。
宮崎監督のコンテと違ってかなりアオリ気味でカッコイイです。 pic.twitter.com/Q0L2hhg7Nb
【DATA】
蔵元:阿部勘酒造株式会社(宮城県塩竈市)
造り:純米吟醸
原料米:宮城県産 ササニシキ・蔵の華
精米歩合:55%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:+1 ・・・ 普通
酸度:1.6 ・・・ 高め
アミノ酸度:1.3 ・・・ 低め
製造年月:2023年9月
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