【山の壽 純米吟醸 雄町】
蜜リンゴ くっきりしっかり パワフル酒
5/31~6/4の「
フリークス2では4MMPのことで書ききれなかったけど、山の壽さん、お蔵さんのエピソードもめちゃくちゃ面白いんです。
社長は片山郁代さん。蔵元の第二子として生まれたけど、蔵を継ぐ気は全くなかったそうです。
小さい頃から「お嫁にいきなさい」と育てられ、大学卒業後はブライダル業界に就職。その後、酒蔵が経営不振で廃業の危機になってしまい、「私が継ぐ」と2006年に実家に戻ります。
でも、家族は反対するし、当然酒造りのことは知らないし、スタッフにも受け入れられないし、杜氏には「現場には入ってほしくない」と言われる始末。
郁代さんはそれでもめげず、酒販店を100軒回る営業に奔走します。そして、その中で紹介された方とともに、日本酒ベースのリキュールを開発。それが「フルフルーティ ダブルマンゴー梅酒」という商品で、これが大ヒット。なんと楽天の梅酒ランキングで1位になって注文がどんどん入ります。
その後、杜氏の退職を機に、それまで杜氏の指示通りに動くだけだった蔵人が自律的に考える酒造りに体制転換します。2017年には37歳で社長に就任。そして2019年には全国新酒鑑評会で金賞を受賞。
おおお!!めちゃくちゃ熱い展開!!
現在は、2人の息子を育てつつ、蔵人として酒造りもしながら、社長をされています。カッコいい!!
この経緯は、いろんな記事にでていて、どれを読んでも面白いです。「片山郁代」で検索したらいっぱい出てきます。その中でいちばん面白かったのが「事業継承ラボ」というサイトの記事。酒蔵に戻るまでや、その後の苦労もたっぷり語られていて、読んでてワクワクします。超おすすめ!
ということで、肝心のお酒を飲んでいきましょう。
上立ち香、ごくおだやかに蜜リンゴ。
口に含むと、いきなりくっきり甘酸と、一歩後ろに苦旨も。
その味わいがぐぐっと開き、くっきりしっかり苦甘の 余韻をたっぷり残します。
おおお!これはパワフル。
甘味酸味は蜜リンゴ。苦味は笹と木とナッツ。渋味もけっこうありますね。力強い!
ふと思いついて、ロックにもしてみました。そしたら、爽やかさが出てきて美味しい。ちょっとくらい薄まっても、味は全然崩れません。強いのが苦手な方には特にロックはおすすめです。
ちびちび飲んでたら、3日目頃からだんだんカドが取れて、まろやかになってきました。それも良いですねえ。7日間かけて全部いただきました。美味しかった!
アテは、椎茸のいろいろ焼き。味をちょっとずつ変えて遊んでます。味噌マヨ・ガーリックマヨ・ガリバタ醤油・塩麹醤油。それぞれ味の素をひと振りし、トースト6分。仕上げに刻み海苔と大葉。全部美味しいし、山の壽さんにも合う!
うちの定番の焼きうどん「やみつき塩豚レタス焼うどん」にもしっかり合いました。
ジブリで例えると「風立ちぬ」のカプローニさん。主人公・二郎の夢に出てくる、イタリアの飛行機技士です。二郎の憧れであり、二郎を誘惑するメフィストフェレス。パワフルで、めちゃくちゃ楽しそう!
好き度:★★★★
カプローニ「勉強は戦争の道具でも商売の手立てでもないのだ。勉強は、美しい夢だ。浪人生は夢に形を与えるのだ。」
— 小泉新次浪 (@Shinjiro_2023) 2023年6月24日
ニ浪「はい!」 pic.twitter.com/7z1oQzK9Rj
【DATA】
蔵元:山の壽酒造株式会社(福岡県久留米市)
造り:純米吟醸
原料米:雄町
精米歩合:55%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
製造年月:2022年10月
関連記事:
[rakuten:e-wine:10012422:detail]