【廃墟焼酎 】
趣味の酒? 爽やか柑橘 芋焼酎
今回は日本酒じゃなくて焼酎。はじめましての「廃墟焼酎」です。300mlの小瓶の焼酎というのはちょっと珍しいですね。これは、お店のお姉さんが試飲会で惚れてしまって、あるだけ全部買ってきたというお酒。そんなの聞いたら飲まないわけにはいきません。
しかもこのお酒、いろいろ面白いんです。
造っているのは鹿児島県出水市の
でも今回の廃墟焼酎は、公式ショップでは売っていません。
なぜならこれは、社長の神さんが趣味で造ったお酒だから。なにそれ???
ラベルの廃墟の写真は、社長が撮った地元の廃墟のもの。この血痕のようなペンキも社長が自分で塗ってます。だからこの赤いの、1本1本柄が違うんです。神酒造さんのインスタには、社長がペンキを塗ってる写真が載ってます。よく見たらこのラベルも、くしゃくしゃにしてから貼ったっぽい謎の凹凸がありますね。
なにこの意味不明な手間のかけ方。こういうの大好き。
コンセプトは「飲みにくさを追求した至極の逸品」だそうです。原材料の欄には書いてないんですが、ビールの製造に使われるホップを使ってるという話も聞きました。ますます意味不明。酒販店さんには「味の保証はいたしません」って書かれる始末。
いったいどんなお酒? それでは飲んでいきましょう。
まずはストレートでいただきます。
香りは爽やか柑橘系。めっちゃ豊かに気持ち良く。
口に含むとなめらかに、爽やか酸と、とろ甘味。それからほのかな苦味もじわり。アル感は日本酒よりは強いけど、その強アルコールも巻き込んで、含み香ふわっと気持ち良い。
おおお!美味しい! この柑橘感がホップなのかな? たしかにエール系のビールでときどきこんな風味を感じます。
ロックを試してみたら、これも良いですね。爽やかさが増します。
ソーダ割りは、目分量で1:1。めっちゃ爽やかになってゴクゴク飲めそう。ほのかな酸味がスカッと駆け抜け、その後に風のような含み香がふわり。
廃墟感どこいった? 廃墟とは正反対の、晴れた草原に吹く風のような爽やかなお酒でした。
アテは、マスターがベトナム食材屋さんで買ってきたという謎スイーツ。上に、糸状の細かく裂いたスルメみたいな謎のふわふわが乗ってて、卵たっぷりスポンジケーキの蜜甘味がぽわっ。基本は甘くて美味しいんだけど、上のふわふわが微妙に塩味でコントラストが面白い。
ちょうどこの時、お客さんにベトナムの方がいて、教えてくれました。この、上に載ってるのは、干した豚肉なんだそう。調べたら、塩漬け卵のスポンジケーキという意味の「bánh bông lan trứng muối」(バイン ボン ラン チュン ムオーイ)というケーキでした。豚はどこに??
なるほど、世の中には知らない食べ物がいっぱいあるなあ。美味しかった~。
まあ、お酒には合わなかったんですけどね。
廃墟焼酎をジブリで例えると「猫の恩返し」の主題歌「風になる」。爽やかな風のような、元気が出る名曲です。めっちゃ好きな曲。なんなら映画本編よりも好きなんです。
好き度:★★★★☆
【DATA】
蔵元:田辺酒造有限会社(鹿児島県出水市)
造り:芋焼酎
アルコール度数:25% ・・・ 普通
製造年月:2023年5月
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